■高性能なだけでなくおシャレなスタイリングのホットハッチを振り返る
最近、あまり耳にしなくなったクルマ用語のひとつに「ホットハッチ」があります。ホットハッチはコンパクトボディのベーシックなハッチバック車をベースに高性能化したモデルの総称で、欧州が起源といわれています。
そして、ホットハッチは欧州だけでなく日本でも盛んに販売され、昭和から平成にかけて若者を中心に人気を集めました。
近年はニーズの変化から以前と比べて数はだいぶ減ってしまいましたが、今でもホットハッチは健在です。
ホットハッチの全盛期はというと、世界中の自動車メーカーで高性能化が著しかった1980年代ではないでしょうか。
そこで、1980年代に発売された日欧のスタイリッシュなホットハッチを、3車種ピックアップして紹介します。
●フォルクスワーゲン「ゴルフII GTI」
ホットハッチの元祖といわれているモデルは、1976年に発売されたフォルクスワーゲン初代「ゴルフ GTI」です。
1974年に誕生したゴルフは「タイプ1(ビートル)」の後継車として開発されたFFコンパクトカーで、ジョルジェット・ジウジアーロによる秀逸なデザインと優れたパッケージングが高く評価され、後に世界中のコンパクトカーのベンチマークとなりました。
GTIはこの初代ゴルフの高性能グレードであり、最高出力110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載し、足まわりとブレーキが強化され、ホットハッチに仕立てられました。
そして、1983年に登場した2代目ゴルフにもGTIがラインナップされ、1985年に日本にも初めて正規輸入が開始されました。
2代目GTIのエンジンは当初1.8リッター直列4気筒SOHCでしたが、1987年に最高出力125馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHC16バルブエンジンに換装された「GTI 16V」が登場。
ボディは3ドアと5ドアが設定され、初代のフォルムを継承しながらも全体的に角を丸め洗練されたデザインに変貌。GTIの外観は標準モデルから大きく変わっていませんが、グリルやバンパー、サイドモールに赤いラインが入れられるなど、控えめにスポーティさをアピールしていました。
また、特別なエンジンとともに足まわりとブレーキもチューニングされ、初代と同じく優れたハンドリングを実現。
ゴルフII GTIは国産ホットハッチと同等の車格で突出した性能ではありませんでしたが、ボディ剛性の高さやハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作フィーリング、コーナーや高速道路での走行安定性といったところは、国産車を大きく上回っていました。
●三菱「ミラージュ GSRターボ X1X」
三菱は1978年に、同社初のFF車として初代「ミラージュ」を発売しました。FF化は他メーカーよりも後発でしたが、1982年にはクラス初のターボエンジンを搭載するなど大きなアドバンテージを得ました。
その後、1983年に2代目が登場。ボディは3ドア/5ドアハッチバックと4ドアセダンで、外観は当時の流行だった直線基調のデザインに一新。
トップグレードの「GSRターボ」は最高出力120馬力(グロス)を発揮する1.6リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載し、このGSRターボをベースにしたマシンによるワンメイクレース「ミラージュカップ」が開催されるなど、スポーティなモデルというイメージを確立しました。
さらに1986年には、ポルシェ初代「911」のデザインに携わり、ポルシェデザイン社を創業したフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ氏が監修したパーツが装着された「ミラージュ X1X」シリーズが登場しました。
X1Xは1.5リッター車2タイプとGSRターボの3タイプがラインナップされ、ボディは3ドアハッチバックのみです。
専用にデザインされたステアリングやアルミホイールが装着され、ほかにもピレリ製タイヤやスポーツシート、ブラックの内装色とし、とくにGSRターボ X1Xは高性能モデルながらシックな印象で仕立てられていました。
1987年に3代目ミラージュへフルモデルチェンジされるとX1Xシリーズは消滅してしまいましたが、代を重ねるごとに高性能化が進みました。
●ルノー「5 GTターボ」
ルノーの現行ラインナップで、エントリーカーとして「トゥインゴ」と「ルーテシア」がありますが、これらの前身となったモデルが、1972年に誕生した「5(サンク)」です。
初代サンクは欧州で大ヒットし、日本でもコンパクトなボディながらシンプルで安定感を感じさせるデザインが高く評価され、フレンチコンパクトカーの代表的な存在となりました。
また、モータースポーツベース車でリアミッドシップの伝説的なスーパーマシン「5ターボ」がラインナップされるなど、ルノーの歴史に燦然と輝くモデルでもあります。
鮮烈なデビューを飾った初代サンクは1984年まで生産されたロングセラーとなり、2代目へとスイッチ。ボディタイプは初代と同じく3ドア/5ドアハッチバックで、外観は初代の秀逸なフォルムを継承しつつ、フロントフェイスなどはよりモダンにアレンジされました。
そして、1985年には高性能グレードの「5 GTターボ」が登場。外観はスポイラー形状のフロントバンパーにサイドステップ、専用デザインのリアバンパー、小ぶりなオーバーフェンダーが装着され、控えめにスポーティさを演出していました。
一方、内装はブースト計を配置した専用のメーターパネルに、小径ステアリング、スポーツシートが採用されるなど、かなり「やる気」な仕様でした。
エンジンは1.4リッター直列4気筒OHVターボと前時代的でしたが、最高出力115馬力(後期型は120馬力)を誇り、わずか850kgほどの軽量なボディと相まって優れた加速性能を発揮しました。
ほかにも強化された足まわりによって約35mmローダウンされ、4輪ディスクブレーキとクイックステアリングが搭載され、コーナリング性能も高められました。
その後、2代目サンクは1990年に「クリオ(日本名ルーテシア)」が登場したことで、フランス本国での生産を終了しました。
※ ※ ※
現行モデルではスズキ「スイフトスポーツ」が、国産ホットハッチの代表的な存在といえるのではないでしょうか。
140馬力のターボエンジンに970kg(MT)という軽量な車体の組み合わせによって、街なかでもワインディングロードでも優れたドライビングプレジャーを発揮します。
すでに誕生から5年が経過しようとしているので、そろそろ次期型が登場しても不思議ではなく、さらなる「走る喜び」に期待されます。
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