現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【誉れ高き血統】ランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」。昔も今も、クロカン4WDの頂点である!

ここから本文です

【誉れ高き血統】ランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」。昔も今も、クロカン4WDの頂点である!

掲載 9
【誉れ高き血統】ランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」。昔も今も、クロカン4WDの頂点である!

ルーツは1951年のトヨタ・ジープBJ

 ランドクルーザーは、現役の日本車で最も長い歴史を刻んできた。誕生70周年を超えた国産唯一のブランドだ。
 乗用車で大成功を収める前のトヨタは、トラックが主体のメーカーだった。その経緯もあり早くからクロカン4WDに力を入れてきた。ランドクルーザーの源流は、1951年、警察予備隊の要請で試作されたトヨタ・ジープBJ。BJは自社製のトラックのパワートレーンとシャシーを改造して組み合わせた小型高機能4WDだった。

トヨタがランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズを初公開。日本では2024年前半の発売を予定

 BJは圧倒的なオフロード性能を発揮したものの、警察予備隊車両には採用されなかった。失意のエンジニアは、その実力を証明するために、史上初めて富士山の6合目(標高2700m)に挑戦。難なく到達する偉業を達成した。その結果、国家警察のパトカーとしての任務を授かることとなったというエピソードが残っている。

 BJジープは商標権の問題から改名を余儀なくされ、与えられた車名がランドクルーザー(以下ランクル)だった。クロカン車の世界で名声を博していた英国のランドローバーに対し、ローバー(海賊)を駆逐するクルーザー(巡洋艦)になるという決意が込められていた。

 やがてランクルは1955年に20/30系に、1960年には後継の40系に進化した。改良を重ねながら24年にわたり現役を務めた40系は堅牢性が高く支持され、トヨタの名を世界に知らしめた。
 一方でRVとしての価値も追求した1967年登場のステーションワゴンタイプの50系や、上級装備を充実させた1980年デビューの60系という乗用系も誕生。ランクルは元来のヘビーデューティ系と乗用系という2つの流れを確立する。

ランクルはクロカンの王者。基本の70系は世界中で愛され、再導入が決定

 40系の後を受け、1984年に70系が登場すると、ランクルの輸出比率は生産台数の過半数を大きく超えた。それは、ランドローバーの独壇場だったクロカン4WDの世界でランクルが名実ともにトップの座についたことを意味した。巡洋艦が海賊を駆逐したのだ。

 ランクルがなによりも重視するのは、耐久性と信頼性、そして悪路走破性である。クロカン4WDに大切な性能は何かを考え、それを徹底的に追求し、発展を重ねてきた。その結果、世界中の悪路で素晴らしいパフォーマンスを発揮。過酷な条件下で使われる海外での評価をますます高め「世界一タフ」という評価を確立する。

 ランクルのタフさを象徴するのが、トヨタBJの直系といえる70だ。登場からまもなく40年が経過するが、基本設計を変えずに生産を継続。世界には「70でないと生活が成り立たない」という国や地域がいくつも存在する。

 日本国内における70の販売は2004年に終了した。しかし2014年には誕生30周年を記念して期間限定で再販。そして今回、時代に即した改良を施し、見た目もリフレッシュしたうえで、日本でも販売される方針が明らかにされた。新たな70の日本仕様は2.8リッター直4ディーゼルターボと6速ATの組み合わせ。定評のオフロード性能はそのままに、オンロードの乗り心地もリファインされているという。

 ランクルのもうひとつの個性、乗用系は高級SUVとして名を馳せることになる。60系の後継として1990年に登場した80系は、車体が一気に大柄になり、丸みを帯びたラグジュアリーな雰囲気に大変身。その8年後に登場した100系は、オイルマネーで潤った中東で人気が爆発。2007年登場の200系でその地位を揺るぎないものとし、2019年にはシリーズ累計生産台数が1000万台を超えた。

 2021年に登場した現行の300系の評価も高い。これまでのランクルが築いてきた価値を一段とハイレベルに引き上げ、「クロカン4WDの頂点」という地位を不動にした。300系の特筆ポイントは、TNGAに基づくメカニズムの全面刷新。約200kgの軽量化を果たすと同時に、エンジンはガソリン自然吸気のV8が廃止されて、V6ターボになったほか、ディーゼルが復活したことが特筆できる。

 ランクルの本質は、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」ことにある。日本ではそこまでの性能は必要なくても、圧倒的なオフロード性能と品質こそランドクルーザーの価値である。乗用系が高級SUV市場の覇権を握ったのは、性能の裏付けがあるからだ。

最新250のルーツとなるプラドは70系の乗用ワゴンとして誕生

 70系をベースに乗用車の要素を身につけたシリーズが、プラドの成り立ちだ。本流のヘビーデューティな70バン系と区別するため、トヨタはバンを70ヘビー系、ライトデューティなワゴンを70ライト系と呼んだ。70ライト系ワゴンを4ドア化して乗用車テイストのデザインを与え、プラドのサブネームを付けたモデルが1990年に誕生。RVブームもあって一躍人気モデルとなった。

 1996年に登場した2代目はハイラックス・サーフと共通性の高い内容。2002年に3代目に、2009年に4代目に進化した。ランクルの自販連・公表値はプラドとの合計で、200系のモデル末期など多いときには9割がプラドを占める時期もあったほどだ。

 発表された最新の250は、プラドのサブネームが外され、300系の弟分、というよりも、むしろこちらを中核に据えていくという意思表示がなされた。250は、より多くの人々の生活を支えるために、ユーザーが求める本来の姿に戻すという基本理念を受けて大変身。質実剛健を追求し、ランクルの原点に回帰することをコンセプトに開発を進めてきたという。

 代替わりのたびに、やや軟派な路線となっていた外観は、ガラリと雰囲気が変わった。かつてのFJクルーザーとの類似性も見て取れるが、かなりスクエアになったフォルムから、クロカン4WDとしての王道への回帰が感じられる。
 中核となる世界戦略車らしくボディサイズは大柄になり、30年あまり前に80系で最適値として導き出された2850mmのホイールベースは、300系に受け継がれただけでなく、250にも採用された。

 また、数々の先進装備はもちろん、マルチテレインセレクトや、スタビライザーを任意でON/OFFできるなど凝ったデバイスが与えられている。日本仕様は2.8リッターディーゼルターボと、2.7リッターガソリンの構成だが、北米・中国向けには、ランクル史上初のハイブリッド車が設定される点も注目である。

【ルーツ物語】世界の道を知り尽くした、かけがえのない相棒として発展

 ランドクルーザーの歴史は1951年から始まった。誕生のきっかけは、警察予備隊(現在の自衛隊)用として1950年に国が、国産メーカー数社に多用途4WD車の開発を依頼したこと。トヨタが試作車を完成させたのは、1951年1月。これがランクルのルーツ、「トヨタ・ジープBJ」だった。BJは予備隊車両には選ばれなかったものの、タフさとパワフルさが海外で高く評価され生産を拡大。1960年に登場した40型で人気を確定する。現在の300系の直接的なルーツは、1967年デビューのFJ56V型。今回250型に発展したプラドは1990年にデビューした。FJ56V型は、4ドアワゴンボディと、高出力6気筒エンジンの組み合わせで世界最強4WDと評価された。一方のプラドは、70型(1984年)の信頼性をそのままに、快適性を磨き上げたクロカン4WDとして人気を博す。デビュー当初は2.4リッターディーゼルターボを搭載。コイルバネ式のサスペンションを採用していた。

こんな記事も読まれています

みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
レスポンス
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
motorsport.com 日本版
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
AUTOSPORT web
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
乗りものニュース
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
レスポンス
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
バイクのニュース
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES

みんなのコメント

9件
  • hkg********
    普段使いでは
    こんな無駄な車は無いけど
    無駄を無くしたら
    つまらないんだよね
  • aq
    9.5割はオフロード行かないよね、洗車して磨くだけw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.0349.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

149.0522.5万円

中古車を検索
FJクルーザーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.0349.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

149.0522.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村