ポルシェのF1復帰への野望は「終わりを迎えた」と、同社モータースポーツ責任者のトーマス・ローデンバッハは語った。
ポルシェはレッドブルと提携し、2026年からのF1復帰を目指していた。しかしレッドブルとの交渉は決裂……この交渉がうまくいっていれば、ポルシェはレッドブルのチームとパワーユニット部門の50%を所有する形で、1991年にフットワークにエンジンを供給していた時以来のF1復帰が実現するはずだった。
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レッドブルとの交渉が決裂した後、2022年の9月の段階でもポルシェは、F1について「魅力的な環境」だと語っていた。しかしローデンバッハ曰く、現時点でポルシェにとってF1は「話題にもなっていない」と語った。
「そのことについては、議論の余地はない。現時点でF1は我々にとっては仕事ではなく、エネルギーを費やすことはしていない」
そうローデンバッハは説明した。
「我々は、今やっていることだけに集中している。我々には、様々な活動がある、我々は忙しく、やっていることに非常に満足している」
ローデンバッハは、今のポルシェのモータースポーツ活動は「ブランドにほぼ完璧にフィットしている」と語った。
「我々はトラックデイのカスタマーレースから、GT4、ワンメイクシリーズ、そしてプロのGTレースまで、様々なレースに関わっている」
「それに加えて、パートナーのペンスキーと共に、ふたつの重要な耐久レースシリーズ(WECとIMSA)に参戦している」
「3つ目として、ブランドの電動化が非常に重要なので、唯一の高レベルのフル電動シリーズであるフォーミュラEに関与している」
「我々は本当によく対応できていると思う」
ローデンバッハは、F1のみならず、インディカーにエンジンサプライヤーとして参加することにも関心がないと語った。
フォルクスワーゲン・グループは2022年の4月に、傘下のブランドであるポルシェとアウディがF1参戦を目指しており、その計画は「最終評価の段階」にあると明らかにしていた。
ポルシェとしてはその評価には、レッドブルと提携することが必須だった。しかし最終的にポルシェは、レッドブルと「対等な立場」に基づく提携が実現できなかったため、計画は頓挫することになった。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はポルシェとの交渉について、チームの「価値観と美徳」と傷つけたくなかったと説明した。
レッドブルはその後、パワーユニットの製造・開発を行なうレッドブル・パワートレインズ(RBPT)とフォードの提携を取り付けた。フォードは、RBPTの2026年パワーユニットの電動部分の開発をサポートする予定だったが、現時点ではターボやエンジンの開発にも寄与しているようだ。
一方でアウディは、ザウバーを買収する形でF1に参入することが決定。その組織づくりなど、準備が進められている。
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