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愛車の履歴書──Vol45. 高橋大輔さん(前編)

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愛車の履歴書──Vol45. 高橋大輔さん(前編)

愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第45回。前編では、フィギュアスケーターの高橋大輔さんが、人生初のマイカーと久しぶりに対面した。

とにかくデカいクルマに乗りたい!

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フィギュアスケーターの高橋大輔さんは2002年、16歳のときに世界ジュニア選手権で優勝している。したがって、この時点で多忙なトップアスリート。同年代と同じように自動車教習所に通う時間を確保するのは難しかった。

「地元が岡山の倉敷なので、18歳になったらみんな免許を取っていましたね。兄弟もいとこも、全員が免許を持っていました。僕は中学2年生から大阪の練習場に通うようになって、大学に入学してからは大阪で暮らすようになりました。スケートの練習場ってクルマで行くほうが楽な場所が多くて、18歳のときは自分で運転して移動したいという気持ちもありました。でも、忙しいのもあったし、『事故のリスクを減らして、競技に専念したほうがいい』という周囲の意見もあって免許はあきらめていました。でも、めちゃくちゃ免許は取りたかったですね」

高橋さんは、ここからフィギュアスケートの選手としてぐいぐいと頭角を現す。06年のトリノ五輪に出場、23歳で迎えた10年のバンクーバー五輪では銅メダルを獲得。フィギュアスケート男子シングルの五輪でのメダル獲得は、日本人としてだけでなく、アジア人としても初という快挙だった。

バンクーバー五輪に続いて行われた世界選手権では見事に優勝に輝き、名実ともに世界のトップに登りつめた。ただし、この時点でも、高橋さんはまだ免許を取っていなかった。

「クルマで動きたいという気持ちはずっとありましたが、拠点を置いていたアメリカだと任意保険が25歳まで高いんですね。レンタカーを借りるにしても高くつくのでなかなか乗れない。バンクーバー五輪を終えて25歳になったときに、そろそろ免許を取ってもいい頃合いかなぁ、と、思いました。遠征などでアメリカへ行く機会が増えて、向こうではクルマがないと暮らしていけませんから」

教習所に通いながら、高橋さんは最初の愛車に思いを馳せた。考えたことは、「とにかくデカいクルマに乗りたい!」という点だったという。

トヨタの『ヴァンガード』がカッコいいなぁ、と、思っていました。あと、兄が昔、トヨタの『ハイラックスサーフ』に乗っていたことがあって、あれもよかった。“ランクル”は憧れのクルマでしたが、気になっていたプラドはちょっと高いかなぁと思っていました。でも、25歳まで我慢したから、いっちゃおうと思って、プラドにしました」

こう振り返った高橋さんは、「僕のプラドのボディカラーもやはり黒でした」と、撮影用の車両に近づいた。

「ボディが黒だからインテリアは別の色にしようと思って、ベージュのレザーを選びました。いやぁ、このクルマを見ていたら、プラドが納車された日のうれしい気持ちが蘇ってきました。無駄に送り迎えをしたり、なんでもかんでもプラドで出かけたり、友だちに横に乗ってもらって苦手だった首都高の環状線を練習したり……そういえば僕が契約していた駐車場が狭くて、5回とか6回切り返しをしないと停められなかったんですよ。おかげでバックの駐車がうまくなったし、狭い道も苦にならなくなりました」

高橋さんが25歳ということは、12年前後。ランドクルーザー・プラドは09年にフルモデルチェンジを受けて4代目に進化しているから、この世代のプラドだ。

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「気持ちとしては続ける必要もないし、続けてもいいし、という曖昧な状態でした。でも練習も自分でプラドを運転して行くようになったり、振り付けのためにひとりで海外へ行って、空港へ着いたらレンタカーを運転したりするようになって、なんとなくフィギュアを辞めるということは考えなくなりました。クルマというプライベート空間が好きなので、運転中は考えごとをしたり、音楽を聴いたりして過ごしています。ときには、自分が使う音楽を探すためにとりあえず曲を流していることもあります。長距離運転も苦じゃなくて、東京から大阪まで帰ることもありました。プラドには、たくさん思い出が詰まっていますね」

気に入っていたというプラドには、結局6年ほど乗ったという。

「いろいろ考えて、今のうちに憧れの1台に乗っておくのもいいかなぁ……と、思いました。ただ、自分が外車に乗っている姿がイメージできなかったので、最終的に候補に残ったのは『ランドクルーザー 200』とレクサスLX』でした。それで、いましか乗れないかもしれないから、と、自分で自分の背中を押して、黒いLXを選びました」

こうして、31歳の高橋さんは日本における初代レクサスLXに乗るようになった。達成感とか誇らしい気持ちがあったのかという問いには、「こんな高級車に乗れるのは最後かもしれないから、楽しもうと思いました」と、笑った。

「プラドのほうが小まわりは利きましたが、LXはどっしりとした重さ、重厚感みたいなのがあってよかったです。ただ、2019年に転向したアイスダンスのコーチがアメリカにいらっしゃるので、2020年の1月からアメリカへ拠点を移すことになったんです。最低でも2~3年は向こうで暮らすことになるので、LXを手放しました。しかしコロナが始まって、渡米の計画がなくなってしまい……。LXはもう手元にないけれど、とりあえず日本での移動が必要ということで、すぐに乗れるクルマを探してもらって今のクルマとなりました。だから次のクルマは、こだわって選びたいと思っています」

そこで、後編となる次回は、高橋さんがいま気になっているクルマを用意し、次の愛車について考えてもらった。

高橋大輔(たかはしだいすけ)86年、岡山県生まれ。02年世界ジュニア選手権優勝。10年バンクーバー五輪銅メダル、世界選手権優勝。12年グランプリファイナル優勝(以上、すべて日本人男子初)。06年トリノ五輪、10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪の3大会連続日本代表。男子シングル、アイスダンスの2つの競技で世界選手権に出場し、23年引退。現在はプロスケーターとしてパフォーマンスをしつつ、アイスショー「滑走屋」のプロデュースなどを手掛ける。

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文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・宇田川恵司(heliotrope) スタイリング・折原美奈子 編集・稲垣邦康(GQ)

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