■最新セダンで蘇る、憧れのハイソカー
1980年代から1990年代は、若者がクルマを持つことはステータスでした。ただし、クルマを持つといっても見栄えを重視する人も多くそんな人たちに人気があったのが「ハイソカー」です。
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ハイソカーとは“High society”(上流社会)なクルマのことを意味し、代表的な車種はトヨタ「ソアラ」や「マークII/クレスタ/チェイサー」でしたが当時でも高価なクルマで、若者は生活費を切り詰めてでも手に入れたい憧れでした。
しかし、クーペやセダンの人気が低迷するとハイソカーという言葉は廃れ、いまや死語となってしまいました。
そこで、現行モデルでハイソカーをイメージさせるようなクルマ3車種をピックアップして紹介します。
●日産「スカイライン」
現行モデルのスカイラインは2014年に発売された13代目です。日産の高級車ブランド「インフィニティ」のプロダクト開発で得た技術やデザインが反映された4ドアセダンで、スカイラインでは初のハイブリッドモデルも設定されています。
2019年7月におこなわれた大幅なマイナーチェンジでは、外装のデザイン変更とともに、先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」をハイブリッドモデル全グレードに標準装備。
7個のカメラ映像と5個のレーダー、12個のソナーを搭載し、周辺車両を検知する360度センシングと3D高精度地図データを基に、世界初の高速道路ナビ連動ルート走行と、同一車線での手放し走行を実現しています。
パワートレインはハイブリッド車では3.5リッターV型6気筒エンジン+モーターにより、低燃費を実現しつつもシステム最高出力364馬力を発揮し、ガソリン車では304馬力を発揮する3リッターV型6気筒ターボと、同エンジンながら高度にチューニングされ、スカイライン史上もっとも高性能な405馬力を誇る「400R」がラインナップされました。
また、ハンドルの動きを電子制御ユニットで電気信号に置き換え、アクチュエーターによってタイヤを操舵する、バイ・ワイヤー式の「ダイレクトアダプティブステアリング」など、最先端の技術を採用したセダンとなっています。
●トヨタ「カムリ」
トヨタのスポーティなFFセダンである現行型「カムリ」は2017年にデビューしました。カムリは主に北米で好調なセールスを記録しており、アメリカ人好みのサイズとデザインはかなりの押出し感をかもしています。
とくにフロントバンパーの開口部がトヨタのデザインコンセプトである「キーンルック」を採用し、ターゲットユーザーが比較的高齢ながら大胆なデザインとなっています。
2018年には新グレードの「WS」が設定され、エッジの利いたスポーティなデザインとカムリ本来の上質感を両立させたグレードとなっています。
パワートレインは全グレードとも2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドで、システム出力211馬力を発揮。さらにリアタイヤをモーターで駆動する4WD「E-Four」では218馬力を誇ります。
また、2019年10月に発売された最新モデルでは、スマートフォンアプリの操作ができるディスプレイオーディオを標準装備し、スマートフォンと機能を連携するとともに、さまざまなコネクティッドサービスが利用できるようになりました。
■最新技術が惜しみなく投入された高級セダンはまさにハイソカー
●レクサス「ES」
レクサス「ES」は、1989年にフラッグシップセダン「LS」とともに、レクサス最初のラインナップとして誕生。上質な乗り心地や静粛性、広い室内空間で好評を博し、数多くの国・地域において基幹モデルとして、レクサスの歴史を築き上げてきたモデルです。
2018年に7代目となる「ES」を日本に初めて導入しました。シャシに低重心な「GA-Kプラットフォーム」を採用したことで、流麗かつ引き締まった外観と広く快適な室内空間を両立したほか、レクサス独自のコンセプトにもとづく、ドライビングの高揚感とくつろぎの空間を融合した室内デザインとしています。
搭載されるパワーユニットは2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドのみとなり、システム出力218馬力を発揮。また、WLTCモード燃費で20.6km/Lの優れた燃費性能も実現しています。
歴代ESが継承してきた上質な乗り心地と、優れた操縦安定性で運転の気持ちよさを提供するなど、相反する要素を両立した「二律双生」を実現しているといいます。
さらに、ESは量産車として世界初採用のデジタルアウターミラーを採用したことで話題となりました。デジタルアウターミラーは通常のミラーより画角が広く、最低限の目線移動量となり、カメラ部分の小型化で死角が減少するなどのメリットがあります。
また、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」など、世界トップレベルの先進安全技術を装備しています。
※ ※ ※
冒頭にもありますが、かつてはクルマを持つことが若者の憧れでした。いまは「若者のクルマ離れ」などといわれていますが、現実はクルマが欲しくないというわけではないようです。
クルマを買わない理由としては、やはり金銭面が大きいのですが、昔の若者も決してお金がある人ばかりではありませんでした。
それでもクルマに憧れたというのは、当時は魅力的なクルマが多かったからかもしれません。
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