現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダ「爆速スポーツモデル」どうなる? エンジン音サイコー! 電動化進める中で「タイプR」の存在意義とは

ここから本文です

ホンダ「爆速スポーツモデル」どうなる? エンジン音サイコー! 電動化進める中で「タイプR」の存在意義とは

掲載 8
ホンダ「爆速スポーツモデル」どうなる? エンジン音サイコー! 電動化進める中で「タイプR」の存在意義とは

■ホンダに刻まれたDNAを体現する「タイプR」

 ホンダは2040年までにすべての新車をBEVもしくはFCEVにすることを宣言しているなど、電動化にもっとも積極的な自動車メーカーのひとつです。

【画像】「えっ…!」これがホンダ車? 爆速スポーツモデルを画像で見る!(42枚)

 その一方で、現在のホンダのラインナップを見ると、ガソリンエンジンを搭載したハイパフォーマンスカーの姿を見つけることができます。

 それが「シビック タイプR」です。

 なぜ、電動を推進するホンダのなかで、シビック タイプRのような “トガった”クルマがラインナップに残り続けるのでしょうか。

 ホンダがはじめて「タイプR」の名を冠したクルマを登場させたのは1992年のことでした。

 当時、ホンダのフラッグシップスポーツカーとして君臨していた「NSX」の上級仕様としてNSX タイプRが登場したのち、1995年には「インテグラ」に、そして1997年にシビックの上級仕様に対して「タイプR」の名が冠されます。

 そこから現在にいたるまで、「タイプR」はホンダおよび多くのホンダファンにとって特別な響きを持つようになりました。

 「タイプR」の「R」は「Racing」の頭文字であるとされていますが、ホンダの歴史をひもとくと、レース、つまりモータースポーツとは切っても切れない関係にあることがわかります。

 ホンダの創業者である本田宗一郎氏は、日本のモータースポーツの黎明期である1936年に第1回全日本自動車スピード選手権大会に出場しているほか、戦後まもない時期から数多くの2輪レースに参戦しています。

 そして1964年、ホンダはF1世界選手権へと参戦します。

 無謀な挑戦と思われたなか、翌1965年には初の優勝を飾るなど、その活躍ぶりはいまでも受け継がれています。

 本田宗一郎氏は「レースをしなけりゃクルマは良くならん」と常々言っていたといいます。

 1962年に日本初の本格的なサーキットである鈴鹿サーキットを設立したのも、そうした想いからと言えるでしょう。

 つまり、レースで活躍するクルマをつくりそれを市販車にフィードバックするというのは、ホンダのDNAとも言えるわけです。

 そして、「タイプR」はそれを最も具現化したモデルであり、電動化を推進するホンダのなかにあってシビック タイプRが続く大きな理由のひとつと言えるでしょう。

■シビック タイプRが最高のコストパフォーマンスを持つ理由

 一方、ホンダはいまや世界に名だたるグローバル企業である以上、「創業者の想い」だけで「タイプR」を存続させるわけにはいきません。

 言うまでもなく、ハイパフォーマンスカーの開発には多額のコストを要することはいうまでもありません。

 時代に逆行するガソリンエンジン車であるならそれはなおさらです。

 実際、ホンダのフラッグシップスポーツカーであるNSXは2016年に復活を果たしたものの、ほどなくして生産終了となってしまいました。

 その背景には、2000万円オーバーの価格設定であるにもかかわらず、一定の利益を確保することができなかったものと考えられます。

 ただ、シビック タイプRはそのパフォーマンスを考えると決して高価なモデルとは言えません。

 では、なぜシビック タイプRは高いパフォーマンスと手頃な価格設定を両立できているのでしょうか。

 それは、シビック タイプRのベースとなるシビック自体の出来の良さが大きく関係しています。

 2022年9月にシビック タイプRが発売された際、国内向けの月産台数は400台と発表されました。

 単純計算で年間4800台となり、海外向けを含めたとしてもせいぜい2~3万台の年間生産台数になると予想されます。

 しかし、ベースとなるシビックは、北米市場だけで年間20~30万台程度を販売するホンダの大黒柱とも言えるモデルです。

 大型のリアウィングをはじめとした数々の専用装備が特徴のシビック タイプRですが、ボディそのものはベースのシビックから大きな変更はありません。

 それはベースのシビック自体のボディ剛性の高さを示しているわけですが、それを実現している最大の理由は、シビックがホンダの屋台骨を支える超重要車種であるからにほかなりません。

 つまり、シビック タイプRが高いパフォーマンスと手頃な価格を維持している理由は、ベースとなるシビックそのものの出来の良さ、そして人気の高さに裏打ちされているというわけです。

※ ※ ※

 BEVやFCEVなどの電動車は、ガソリンエンジンなどの内燃機関を搭載したクルマに比べて、走りの面で個性を演出しにくいと言われています。

 逆に言えば、走りのイメージの強い電動車をラインナップできれば、ライバルに対して大きな強みとなる可能性があります。

 現在のホンダの戦略を見る限り、ガソリンエンジンを搭載した「タイプR」が遅かれ早かれ消えていくことは間違いなさそうですが、「タイプR」という名前がもたらす走りのイメージは、電動車が主流となっても生き続けると考えられます。

 そういった意味で、電動化を積極的に推進するホンダが、ガソリンエンジンの「シビック タイプR」を提供することはまったく矛盾していないと言えそうです。

こんな記事も読まれています

日産「すごいキューブ」実車公開! 斬新「“イナズマ”グリル」が超カッコイイ! 謎の「コンパクトカー」東京に登場
日産「すごいキューブ」実車公開! 斬新「“イナズマ”グリル」が超カッコイイ! 謎の「コンパクトカー」東京に登場
くるまのニュース
「雨でサイドミラーが見にくい」を解決! スマートサイドモニター『Kusutan』
「雨でサイドミラーが見にくい」を解決! スマートサイドモニター『Kusutan』
月刊自家用車WEB
香港島が舞台! PS5版『テストドライブ アンリミテッド ソーラークラウン』9月12日発売決定
香港島が舞台! PS5版『テストドライブ アンリミテッド ソーラークラウン』9月12日発売決定
レスポンス
リッター24km超えで唯一のMT!! 燃費も良くて走りも爽快な[新型スイフト]! 実際マニュアルってどうなのよ
リッター24km超えで唯一のMT!! 燃費も良くて走りも爽快な[新型スイフト]! 実際マニュアルってどうなのよ
ベストカーWeb
マニアが語る「別タン式」ってなに? クルマの高性能ダンパーの「横にあるタンク」の役割とは
マニアが語る「別タン式」ってなに? クルマの高性能ダンパーの「横にあるタンク」の役割とは
WEB CARTOP
MotoGP で磨かれたテクノロジーを足元に! XPD の新型レーシングブーツ「XP9-S」が発売!
MotoGP で磨かれたテクノロジーを足元に! XPD の新型レーシングブーツ「XP9-S」が発売!
バイクブロス
「盛りすぎ」感も漂う2ドアクーペ BMW M2 長期テスト(1) 路面の管理状態の悪さを実感
「盛りすぎ」感も漂う2ドアクーペ BMW M2 長期テスト(1) 路面の管理状態の悪さを実感
AUTOCAR JAPAN
データシステム、群馬パーツショー2024に出展
データシステム、群馬パーツショー2024に出展
月刊自家用車WEB
新東名の建設現場や東名の裏側も! 夏休みは小学生限定の「ハイウェイみて!みて!ツアーズ」で高速道路を楽しもう。
新東名の建設現場や東名の裏側も! 夏休みは小学生限定の「ハイウェイみて!みて!ツアーズ」で高速道路を楽しもう。
くるくら
フィアットが「グランデパンダ」を発表。1980年代の名車、初代パンダが少し大きくなって復活!?
フィアットが「グランデパンダ」を発表。1980年代の名車、初代パンダが少し大きくなって復活!?
Webモーターマガジン
フェンダーミラーの「激低パトカー」スゴすぎる存在感! 車歴30年でも「走行距離こんなもん?」なワケ
フェンダーミラーの「激低パトカー」スゴすぎる存在感! 車歴30年でも「走行距離こんなもん?」なワケ
乗りものニュース
トヨタ『クラウン・シグニア』…米版エステートは全車AWDや広大な荷室が特徴
トヨタ『クラウン・シグニア』…米版エステートは全車AWDや広大な荷室が特徴
レスポンス
新型MINI「エースマン」が日本上陸! EV専用のクロスオーバーモデルで価格は491万円から。
新型MINI「エースマン」が日本上陸! EV専用のクロスオーバーモデルで価格は491万円から。
くるくら
約2年ぶり復活! ホンダ新型「すごいSUV」実車公開! 24年夏発売のスタイリッシュマシン! ちょっとビッグな「CR-V」登場
約2年ぶり復活! ホンダ新型「すごいSUV」実車公開! 24年夏発売のスタイリッシュマシン! ちょっとビッグな「CR-V」登場
くるまのニュース
今年のスパは初の8時間耐久! EWC第2戦はガス欠でぶっつけ本番予選の大波乱!? レーシングライダー石塚健のレースレポート
今年のスパは初の8時間耐久! EWC第2戦はガス欠でぶっつけ本番予選の大波乱!? レーシングライダー石塚健のレースレポート
バイクのニュース
【トライアンフ】5/19開催のチャリティライドイベント「DGR」に世界105カ国11万3,000人のライダーが参加
【トライアンフ】5/19開催のチャリティライドイベント「DGR」に世界105カ国11万3,000人のライダーが参加
バイクブロス
3000万円てマジか…… と思ってたのは序の口だった!! 「最後の」中古NSXタイプRを追いかけた[復刻・2013年の話題]
3000万円てマジか…… と思ってたのは序の口だった!! 「最後の」中古NSXタイプRを追いかけた[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
安全性に勝るものはなし! 法規は満たしているけど……デザイン優先の低すぎるリヤのウインカーはやめるべき!!
安全性に勝るものはなし! 法規は満たしているけど……デザイン優先の低すぎるリヤのウインカーはやめるべき!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

8件
  • kar********
    個人的にはEVは大嫌いだしイーロンマスクなんてとんでもない奴ですしね。
    中国にはEVの墓場まである様だし。
    そんな中で、F1チャンピオンPUメーカーのタイプR・・・実に素晴らしい。
    Dハツ・〇ヨタ・・・何やってんでしょうね。
  • ティンカーペコ
    電池の処分出来ないでしょ。消耗したら見栄えが良くても使い捨て車?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9260.3万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9260.3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村