マクラーレンはF1アメリカGPで新デザインのフロアを投入しないと判断を下したのは、“混乱”を避けて他の新パーツを評価するためだと説明した。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)にマクラーレンが持ち込んだのは、変更を受けたフロントウイングとフロントサスペンション、リヤブレーキダクトとリヤウイングだった。
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マクラーレンは新しいフロアのデザインをイギリス・ウォーキングのファクトリーで進めている。シンガポールGPとアメリカGPの間には約1ヵ月のブレイクがあったものの、投入を急ぐことはなかった。
エンジニアリング部門のテクニカルディレクターを務めるニール・ホールディは、開発中のフロアが機能することを完全に確認してから製造に移る必要があると明かした。
そしてホールディは、マクラーレンがアメリカGPに持ち込んだアップデートは小規模であるものの「パフォーマンス面では少しはチャンスがあるはずだ」と付け加えた。
スプリント予選の後には、マクラーレンのランド・ノリスがそれを裏付けるかのように、マシンはシンガポールGP仕様と「基本的に同じ」だと説明した。
なおアメリカGPではノリスが新パーツを全て手にしている一方で、チームメイトのオスカー・ピアストリは新しいフロントウイングを装備していない。
ホールディはアップデートについて、全てをひとつのパッケージにまとめるのではなく、アップデートを個別に判断することの方が重要だとの考えを示した。
「今回のイベントに向けて、小さなアップデートをたくさん持ってきた。次のイベントで何が登場するか、あまり詳しく言いたくはないが、さらに出てくるのは確かだろう」とホールディは説明した。
「我々がしてきたのは、1年を通じて開発の進歩を続けることだ。現時点では、上手くいくと分かっているモノを投入するということをしていきたいのだ」
「だから我々は早く何かを投入しようとはしていない。チャンピオンシップでは良い位置にいる」
「しかし、我々は投入したパーツによってチーム内に混乱をもたらしたくはない。だから投入を控えている。準備ができたら持ち込むつもりだ」
「マシンには搭載した。可能な限り早くパフォーマンスを引き上げたいと思っている」
またホールディは、アメリカGPがスプリントフォーマットでの開催となり、フリー走行の時間が限られていることがフロア投入を断念した要因ではないと説明。単にアップデートがパフォーマンスを発揮する確証を得る時間が必要だっただけだと繰り返した。
そしてマクラーレンがタイトル争いに加わっていることから、アップデートに関して他チームの目も光るが、チームは正しい方法で対処できているとホールディは語った。
「我々はただ、パーツを投入する際、それが正しいモノでコース上でのパフォーマンスをもたらすモノだと確認を取っているだけだ」とホールディは続けた。
「空力の面では、次の数戦に持ち込むアップデートは既に決まっている。そういう言う意味では準備が整っているが、ファクトリーで製造している段階だ」
「我々はただ、可能な限り最速の方法でイベントに投入する。スプリントであろうと、スタンダードなイベントであろうと、我々にとって違いはない」
「我々の観点では、自分たちの技術開発に全力を注げている。他チームが何をしているかではなく、自分たちがどこにいて、何をレースに投じるかに集中することが重要なのだ」
「再びF1の最前線に戻ることがどういうことなのか、我々は学んでいるところだ。そのためにもたらされる監視の目は我々にとって新鮮だし、正しい方向でそれに対処できていると思う」
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