この記事をまとめると
■トヨタが得意の「後出しジャンケン」で出したクルマを振り返る
市場を切り開いた偉大なクルマが敗北! 「後出しじゃんけん」でバカ売れしたクルマ4選
■後から出したが、それでもライバルには勝てなかったモデルがある
■どれもトヨタらしさの強い堅実な設計だった故に不人気だったわけではない
圧倒的有利な「後出し」でも撃墜しきれなかったモデル
トヨタの商品企画に対して「後出しジャンケン」という表現を使うことがある。他社がヒットさせた新カテゴリーに対して、しっかり研究してキャッチアップする商品を投入することを揶揄した表現だ。
もちろん、ハイブリッドカー「プリウス」を誕生させたように、まったく新しい市場を切り開くこともあるので、トヨタが常に真似をしているわけではない。トップメーカーとして全方位に商品を投入する過程で、他社をマネしたように見えることもあるという話だ。
そして「後出しジャンケン」というのは、そうして生み出したクルマがヒットしてしまう、つまり先行したライバル車に“勝ってしまう”ことも含めた表現だ。後から出すのだからライバルのウィークポイントを解消しているのは当然で、そうしてパイオニア的モデルよりヒットさせてしまうのがトヨタの凄さだ。
とはいえ、その戦略が常に成功するとは限らない。今回は「後出しジャンケン」的に出したけれど、先行するライバルを追い越すことができず、一代限りで消えてしまったモデルを4台ピックアップ、振り返ってみよう。
1)MR-S
1999年に誕生したMR-Sは、車両型式がZZW30となっていたことからもMR2の後継といえるミッドシップ車であることは明らかだが、それまでのMR2はトップグレードに2リッターターボを積む硬派なスポーツカーだったのに対して、ソフトトップのオープンボディに、140馬力という適度なパワー感の1.8リッターエンジンを積むカジュアルスポーツといったキャラクターに大きく変身していた。
その変身ぶりの背景に、マツダ・ロードスターをライバルとして想定したことは明らかで、実際、当時は2代目ロードスター(NB型)とよく比較されることが多かった。いずれもエンジンパワーに頼らないリヤ駆動のオープン2シーターで、MR-Sはトランクさえ持たないという潔いパッケージだったが、それゆえ実用性とのバランスからロードスターの評価を高める役割を果たすことになってしまったきらいもある。
実際には、シートの後方にそれなりの容量を持つラゲッジスペースを有しており、実用性も十分に確保されていたのだが……。
2)iQ
MR-Sと同じく、実用性よりも個性を選んだのが2008年に誕生したiQだ。全長は3m未満という軽自動車よりコンパクトなボディを実現するべくステアリングギアボックスを上方に配置するなど、エンジンルームのレイアウトは専用設計といえるもので、単に小さいボディのクルマというわけではなく、プレミアムなコンパクトカーという位置づけで生み出されている。
デザイン担当が欧州スタジオで、ワールドプレミアが当時のフランクフルトショーだったことから、そのターゲットはダイムラーのスマート・フォーツーであったことは間違いない。2009年にはアストンマーチンへ供給され「シグネット」として実際に販売されるなど欧州では一定の存在感を示した。
日本でも、いまのGRブランドのルーツとなるGRMN仕様が登場したほか、電気自動車バージョンのeQも少量ながら生産されるなど、話題には事欠かなかったが、これ一代限りで終わってしまったということは、トヨタでさえプレミアムコンパクトの市場を確保するのは難しいという事実を残した。
海を超えて欧州のライバルたちにも挑んでいた
3)ブレイド
さて欧州志向のトヨタ車として日本向けに企画されたのが2006年に生まれた「ブレイド」である。フォルクスワーゲン・ゴルフに代表される欧州のCセグメント・ハッチバックに流れているユーザーを、トヨタに引き戻そうという狙いは明確で、基本グレードには2.4リッターエンジン、ブレイドマスターと名付けられた上級バージョンには3.5リッターV6エンジンが搭載された。
Cセグメント・ハッチバックにV6エンジンを載せるという商品企画は、ゴルフVR6やゴルフR32の影響を受けたことは間違いなく、そうしたモデルよりも排気量が大きい2GR-FEエンジンは最高出力280馬力とパワフル。シャシーもレベルアップされたもので、リヤサスペンションにダブルウイッシュボーンを採用していたのは、このクラスとしては贅沢なもので、ゴルフに劣らないスペックではあった。
しかし、積み重ねた伝統という部分では勝負にならず、また、縮小する日本市場向けに専用モデルを続けるのも難しいということで、これまた一代限りで消えることとなってしまった。
4)カルディナ
このようにあっさりと諦めることもあるトヨタだが、なかには2代に渡ってライバルの市場を狙いにいったこともある。その代表例といえるのがステーションワゴンの「カルディナ」だ。
1992年に誕生した初代は2リッターガソリンエンジン搭載グレードを中心としたステーションワゴンで、間違いなくライバルはスバル・レガシィツーリングワゴンだった。たしかにレガシィの量販グレードは2リッター、1.8リッターのNAエンジン車であり、当時はレガシィもFFが広く用意されていた。カルディナが同様のラインアップでライバルを追い落とそうとしたのは理解できる。
しかし、レガシィは2リッターターボのGTグレードによってイメージを高め、日本市場での存在感を増していった。レガシィ、インプレッサによりWRCに参戦し、そのラリーカーと同じ水平対向4気筒ターボというのもファンの心をくすぐったものだ。
そこでトヨタは、1997年にフルモデルチェンジした2代目カルディナでレガシィGTにガチンコ勝負を挑む。トヨタのWRCマシンのベースとなっていたセリカに搭載された2リッター直列4気筒ターボ「3S-GTE」をカルディナのトップグレードに搭載したのだ。駆動方式は4WDで、このあたりもレガシィツーリングワゴンへの対抗心を感じさせたが、レガシィツーリングワゴンの2リッターターボは当時の自主規制値である280馬力に達していた。実際のパフォーマンスとしては同等レベルだったかもしれないが、カルディナの2リッターターボが260馬力というのは見劣りしたのは否めなかった。
徹底的にレガシィに対抗してパフォーマンスを磨いていれば事態は変わったかもしれないが、カタログスペックでの20馬力差は当時のユーザーマインドからすると実際よりも大きな差として捉えられ、カルディナはレガシィをキャッチアップすることなく、この2代目を最後に消滅してしまった。
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