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なぜセダンとSUVは対照的な存在に? 減少するセダンと増加し続けるSUVの行方とは

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なぜセダンとSUVは対照的な存在に?  減少するセダンと増加し続けるSUVの行方とは

■セダンモデル減少傾向の理由とは

 近年は、SUVジャンルの人気が高まり、自動車メーカーは多種多様なSUVモデルを市場に投入しています。一方で、かつて「セダン一強時代」といわれたほど人気を誇ったセダンジャンルは年々、販売低迷の一途を辿っています。

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 2019年はトヨタ「マークX」や日産「シーマ」などかつて絶大な人気を誇ったモデルが販売終了されるなど、ますますSUVジャンルと対照的な存在になりつつあります。なぜセダンとSUVではここまで需要が異なるのでしょうか。

 マークXは、1968年に発売した前身モデルとなる「コロナ マークII」以来、50年以上にわたりトヨタの主力セダンとしてラインナップされていましたが、2019年12月をもって生産終了となります。

 2004年にマークXに改名された以降は、さらなる高みを目指し、「美しく」そして「意のままの走り」ができるクルマとしてその名を刻んでいました。

 一方のシーマもかつては、日産が誇る高級セダンとして「シーマ現象」というムーブメントを起こしたほどのモデルです。

 しかし、2012年に5代目として登場した現行シーマは、当初の販売目標でも年間1000台と多くの販売台数を見込んだモデルでは無くなっています。

 現行シーマやセダンモデルの販売状況について、日産の販売店スタッフは次のように話します。

「シーマは名前こそかつての名車を受け継いでいますが、近年ではそのポジションをかつての『セドリック/グロリア』の後継モデルとして登場した『フーガ』に取られています。

 しかし、フーガ自身も販売台数は芳しくありません。そのため、国内のセダンラインナップのテコ入れとして『スカイライン』を大幅改良しました。

 詳しい情報はありませんが、シーマと『ティアナ』を無くして、恐らく今後は、エントリークラスの『シルフィ』、ミドルクラスのスカイライン、高級クラスのフーガに販売を集中するのではないかと思います」

※ ※ ※

 また、マークXを無くしたトヨタでも同様の販売戦略をおこなうようです。2019年6月にトヨタは、販売方法について次のようにコメントしています。

「従来、4チャネル(トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店)では専売車種を設けていましたが、全車の種併売化を、2020年5月から開始します。また、国内で約60車種あるモデルを約30車種まで段階的に減少させていきます」

 これには、セダンに分類される前述のマークXを始め、トヨタ店専売車種「アリオン」やトヨペット店専売車種「プレミオ」も含まれていると予想されます。

■ホンダはセダンを残す? SUVはいつまで増える?

 モデルラインナップを減らす方向で動いているトヨタと日産に対して、ホンダのセダンモデルに変化はないのでしょうか。

 国内市場におけるホンダのセダンラインナップは、2019年11月現在でエントリーモデルの「グレイス」、「シビック セダン」、「インサイト」、「アコード」、「クラリティ(PHEV/FCV)」、そしてフラッグシップモデルの「レジェンド」全6モデルが存在します。

 ホンダは、モデルラインナップを減らすことについて公式なアナウンスはしていません。しかし、ホンダのセダンモデルは、2019年上半期(1月から6月)の登録車販売台数(公表は50位まで)において、全体49位にインサイトがランクインするのみです。

 単月では、2019年上旬こそインサイト発売直後だったこともありランクインしていましたが、直近では単月の販売台数にホンダのセダンモデルはランクインしていません。

 ホンダの販売店スタッフは、最近の販売状況について次のように話します。

「正直、セダンモデルの販売は苦戦しています。最近では、SUV人気に加えて従来からのミニバンやコンパクトカーが売れ筋モデルです。さらに、ホンダでいえば軽自動車の『N-BOX』が圧倒的な台数を誇ってます。

 また、セダンモデルは基本的に年配層をターゲットにしていますが、ひと昔前まで軽自動車に良いイメージを持っていなかった年配の方が、使い勝手もよく運転しやすいN-BOXに流れている傾向もあるようです。

 さらに、2018年にはクラウン、今年はスカイラインの大幅改良と、歴史のある有名セダンが相次いで登場したこともあり、そちらにターゲットユーザーを取られている影響もあるのかもしれません」

 一方で、各社が怒涛の新型モデルを投入しているのがSUVジャンルです。直近2年の間では、トヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」の復活や20年ぶりにフルモデルチェンジを遂げたスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」、5代目となるスバル「フォレスター」、マツダの国内4番目のSUVとなる「CX-30」など多種多様なSUVモデルが登場しています。

 さらに、ダイハツが開発を主導したダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」という1リッタークラスの小型SUVモデルも新たに登場するなど、SUVジャンルのラインナップ増加は留まることを知りません。

 すでに「CX-3」「CX-5」「CX-8」が存在するにも関わらず、新たにSUVモデルを投入したマツダのCX-30開発主査である佐賀尚人氏は、次のように話します。

「ライフステージの変化に伴う『人生の転換期』では、家族構成や生活形態の変化からクルマ選びにおいてもニーズが変化していきます。

 そのなかで、多様なニーズを満たしながらも多くのお客さまが何気ない毎日が、主体的で創造性に溢れたものとなるような『世界観を広げるクロスオーバー』として開発しました」

 また、マツダの販売店スタッフは、「従来のコンパクトSUVのCX-3とミドルサイズSUVのCX-5では、囲えないユーザーに対して、おすすめできるサイズのモデルが出てくることは嬉しい限りです」といいます。

 トヨタのSUVラインナップでも、前述のライズ、RAV4を始め「C-HR」、「ハリアー」、「ランドクルーザープラド」、「ランドクルーザー」と、細分化したターゲット層を狙うような販売戦略を進めています。

 このように、セダンは、ラインナップを絞って集中した販売をおこなう一方で、SUVは細かなニーズを囲うべくさまざまな新型モデルが登場しているようです。

 2020年には、新型モデルとしてハリアーやランドクルーザーの登場が噂されているほか、マツダは電気自動車のSUV「MX-30」を欧州で発売するなど、SUVはこれからも増えていくのかもしれません。

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