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【クロカン列伝05 ランドクルーザー 70編】国内販売が終了してから10年後、奇跡の復活を果たした

掲載 更新 28
【クロカン列伝05 ランドクルーザー 70編】国内販売が終了してから10年後、奇跡の復活を果たした

1980年代、「クロカン」ブームを支えた4WDが、各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第5弾は「ランドクルーザー70」だ。

1960年に登場した「ランドクルーザー40」の伝統を引き継いだランクル70
今から70年前。日本政府とGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、1950年に編成された警察予備隊(現:自衛隊)へ納入を目的として、自動車メーカー数社に4輪駆動車の試作を依頼した。翌年、トヨタは戦時中に開発したコードネームAK10を手本として「トヨタ・ジープBJ」を開発した。ちなみに現日産は「パトロール」、現三菱自動車は「ジープ」をそこで完成させた。結局、納入は三菱ジープに決まったが、これを機にトヨタ・ジープBJは、国家警察(現:警視庁)に納入することになり、1953年に量産を始めた。翌1954年に「ランドクルーザー」と改名し、ここからランドクルーザーの長い歴史が始まった。

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1955年、ランドクルーザーは早くもモデルチェンジを施し、20系を誕生させた。「ランドクルーザー20」は、国内はもとより海外進出し、そのニーズに答えるべくボディバリエーションを増やしていった。その後継が1960年に登場した「ランドクルーザー40」だ。それまでガソリンエンジン搭載車のみだったが、マイナーチェンジでディーゼル車を追加した。これが功をなし、オイルショックが訪れた際には、燃費がよくて力持ちのディーゼル4WDのランドクルーザーが重宝されたのだ。ブランド力を高めることに成功したランドクルーザー40は誕生してから四半世紀、いよいよモデルチェンジを迎えた。

ショート、ミドル、セミロングのボディ形状の他に幌車も設定
1984年、この伝統を引き継いで登場したのが「ランドクルーザー70」だ。ボディバリエーションは、ショート、ミドル、セミロングの3パターンを設定し、ショートボディには幌車もラインナップされた。この時代、ライバル達はオンロード寄りの設定に少しずつに変わっていく中、ラダーフレームに前後リーフリジッドをはじめ、「空力がどうした?」と言わんばかりのスクエアボディや、工場の機械のように整然としたインテリアなど、選ぶ人に媚びない芯の通ったスタイルは、本格派のオフローダーを牽引する存在になった。

とくに、1986年にオプション設定された悪路走破性を高めるデフロックは、通常リア用があるだけでも十分タフなイメージだが、ランクル70はフロントにも設定した。またマニュアルハブ(後デュアルオートロッキングハブ)やスチールバンパーに埋め込まれたウインチなど、オフロードオタクの心をくすぐるマニアックな装備を揃えていた。

だが1999年、オフロード4WDファンに衝撃のニュースが届いた。耐久性が高く実用的と言われたランドクルーザー70のフロントリーフを操作性の高いコイルへ変更するという。実際に性能がスポイルされることはなかったが、これにより、国産オフロード4WDの前後リーフ車はいよいよ消滅することとなった。

2004年に国内販売を終了、そして10年後に奇跡の復活を遂げた
一方、搭載エンジンは登場から退役までディーゼルのみだった。当初は直4ディーゼルの3B型(3431cc/98ps)と直4ディーゼルターボの13B-T型(3431cc/120ps)を設定。1990年には大規模なリニューアルが施され、直6ディーゼルの1HZ型(4163cc/135ps)と直5ディーゼルの1PZ型(3469cc/115ps)に変更された。1994年からは排出ガス規制により1PZ型を廃止し、全車1HZ型に統一された。しかし、排出ガス規制はさらに厳しくなり、ディーゼルエンジンに対する風当たりはいっそう強くなった。この影響を受け2004年、ランドクルーザー70は最大限に惜しまれながら国内販売を終了した。

だが、何年経ってもランドクルーザー70の根強い人気は止まなかった。その熱い要望に応えるべく、2014年に1年間限定で、復刻版が登場した。エンジンは、FJクルーザーやプラドに搭載されていたV6ガソリンの「1GR-FE型(3955cc/170ps)」。これに5速MTを組み合わせた。ボディはロングとピックアップの2種類。少し近代化が進み、若干丸みを帯びたボディに、あの印象的な丸目ではなかったものの、それでもファンは大歓迎だった。そもそもランクル70をこういった形で再販できたのは、現在も海外へ輸出されているからだ。走破性と耐久性を備えた拘りのワークホークス、そのニーズは相変わらず高い。初代ランドクルーザーの直系ランドクルーザー70は登場から36年間、マイナーチェンジを遂げながらも、堂々たるその姿で働き続けている。(文:田尻朋美)

[ アルバム : ランドクルーザー70 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

28件
  • 70は世界的には使ってる地域もあるんだしスポット生産的に国内販売してくれないかな?400万~450万くらいなら売れると思うし一度手に入れたらそうそう売る車でも無いから多少高くても(^^)
  • 正に名車ですよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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