現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 5ナンバーに収まるコンパクトさが魅力!現行3シリーズよりもコンパクトなBMWの2代目5シリーズ(E28)、「525e」に遭遇

ここから本文です

5ナンバーに収まるコンパクトさが魅力!現行3シリーズよりもコンパクトなBMWの2代目5シリーズ(E28)、「525e」に遭遇

掲載 更新
5ナンバーに収まるコンパクトさが魅力!現行3シリーズよりもコンパクトなBMWの2代目5シリーズ(E28)、「525e」に遭遇

2018年10月2日にデビューしたBMWの新型3シリーズ、G20型。ドイツ国内でも大きな話題となっており、多くの自動車雑誌で特集記事が組まれています。そうした記事の中でも賛否両論なのが、さらに拡大したボディサイズです。日本仕様の320iのスリーサイズで4,715×1,825×1,440mmと、もはや「コンパクトセダン」とは呼びにくい大きさに達しています。先代モデルよりも軽量化され、スポーティさを増したとは言え、さらなるサイズの拡大は日本のみならずドイツでもセンシティブな問題となっているようです。

一方で、過去のBMWのセダンに目を向けると、一時期までは「コンパクトなボディに高性能なエンジンを搭載する」というパッケージングがトレードマークでした。今回の主役はちょうどそんな時期、まだまだコンパクトなボディに直列6気筒エンジンを詰め込んでいた頃のクルマ、BMW525e(E28)です。

自動車ディーラーでアットホームなフェアイベントを満喫!ナガセ自動車サンクスフェアのイベントレポート

初代からのキープコンセプト

E28はBMW5シリーズの2代目にあたるモデルです。日本では1981年から1988年まで販売されていました。プラットフォームは当時フラッグシップ2ドアクーぺ・6シリーズ(E24)と共用とされ、先代のイメージを引き継ぎながら、空気抵抗の低減を目指して、ハイデッキ&ロングノーズのデザインが取り入れられています。その結果、Cd値は0.44から0.38に改善されました。

とはいえ、空力の洗練度でいえば、他のドイツ御三家であるメルセデス・ベンツやアウディに比べてはっきりと劣っていました。Cd値で比べると、メルセデス・ベンツEクラス(W124)は0.29、アウディ100(C3)は0.30となっていて、その理由は当時のBMWが風洞実験施設を持っていなかったから、とされています。

この反省は5シリーズの3代目モデル・E34で生かされて、Cd値は0.30~0.32と、ライバルたちに引けを取らない数値を達成することになります。

空気抵抗の低減という点では、アウディやメルセデス・ベンツに遅れを取っていたBMW。そもそもなぜ空気抵抗の低減がこんなに取り沙汰されるのかというと、ドイツではアウトバーンの整備が早くから進んでいたため、できるだけ排気量の小さいエンジン(=できるだけ燃費のいいエンジン)で高速巡航できるクルマが市場で求められていたからです。

Eクラスやアウディ100に比べて空気抵抗の大きいE28でしたが、ここでBMWは「エンジン屋」としての意地を見せます。ライバルたちとは違う方法、つまり「空気抵抗の低減」ではない方法で、燃費の改善を試みるのです。

あえて低回転型とした「イータ」エンジン

525eに搭載されたのは、「イータ」と呼ばれる新開発のエンジンでした。形式こそ、なんの変哲もない鋳鉄製ブロックの2,693cc直列6気筒SOHCでしたが、燃料効率重視の低回転・大トルクタイプのエンジンとして設計されているのが大きな特徴です。レッドゾーンは4,500回転からという、まるでディーゼルエンジンを思わせるようなエンジン特性で、最高出力はたったの120馬力から129馬力しかありません。一方でトルクは3,250回転で230Nmから240Nmと、徹底して低回転・トルク型の出力特性となっていました。排気量的には本来「527e」となるところですが、最高出力が控えめとなっているために「525e」というネーミングになった、と言われています。日本では逆に数値がかさ増しされ、「528e」として販売されていました。

それまでのBMWのエンジンは、はっきりと高回転・最高出力重視でしたし、当時の日本車の流行も「高回転・高出力」エンジンにかたよっていました。そんな中、低回転・高トルク型の「イータ」エンジンは、時代を先取りし過ぎた「エコノミータイプ」のエンジンといえるでしょう。

E28は初代「M5」もラインナップ

E28は一方で、「羊の皮を被った狼」として知られる初代「M5」が初めてラインナップされた、記念すべき5シリーズでもあります。3,453ccの直列6気筒DOHCエンジンは、あの「M1」から受け継がれたもので、最高出力は本国仕様で286馬力を発生。ほぼハンドメイドで製作され、かつ当時世界最速の4ドアサルーンでしたが、外観のノーマルさとの相違点はかなり少なく、エアロパーツで着飾っていた「M535i」の方が迫力あるルックスをしていのはご愛嬌。初代M5は、正規輸入では36台しか日本に入ってこなかったといわれています。

片や燃費重視のモデル。片やサーキット由来のレーシングエンジンを搭載したモデル。全長4,620mm、全幅1,700mmという、現代の目からすれば十分にコンパクトなセダンに、これだけの幅広いラインナップをそろえた2代目5シリーズ(E28)は、やはり懐の深い名車だったということができるでしょう。写真の525eもだいぶくたびれてきてはいますが、まだまだこれからも現役で走り続けてくれるに違いありません!

[ライター・カメラ/守屋健]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産 [アリア]って実は完成度高すぎる[クルマ]じゃない?
日産 [アリア]って実は完成度高すぎる[クルマ]じゃない?
ベストカーWeb
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1998.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

220.01580.0万円

中古車を検索
M5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1998.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

220.01580.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村