去る7月18日長野県茅野市の聖光寺(しょうこうじ)の夏季大祭と交通事故の死傷者ゼロを目指す「タテシナ会議」が開催された。
4年ぶり2回目となるこの会議にはトヨタをはじめ、スズキ、スバル、マツダのトップのほか、保険会社や日本自動車工業会、日本自動車部品工業会など30を超える企業や団体の経営層約100名が集結。最新のデータ活用や人中心のAIの開発、協調領域での取り組みなど交通安全のために何ができるか? について活発な意見が交わされた。
トヨタ スズキ マツダ スバルのトップが集結! 交通事故ゼロ本気で目指す聖光寺夏季大祭&「タテシナ会議」開催
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
■2022年の交通事故死者数は2610人、1970年の6分の1以下に減少したけれど……
交通安全を誓う聖光寺の松久保秀胤住職。今年の夏季大法要には約350人が参列した
「タテシナ会議」は長野県蓼科湖のほとりにある蓼科山聖光寺の夏季大祭に合わせて行われ、交通事故の死傷者ゼロを達成するためにモビリティに関わる企業や団体が意見を交換し合う会議だ。
1970年に創建された聖光寺は蓼科湖のほとり、長野県茅野市北山蓼科4035にある
聖光寺は1970年7月、当時のトヨタ自動車販売社長神谷正太郎氏が、全国の販売会社に呼びかけ、交通事故で亡くなった方の霊を慰め、負傷者の早期回復と交通事故撲滅を願い建立された法相宗(ほっそうしゅう、大本山は薬師寺)のお寺。毎年7月18日に法要が開かれ、毎年欠かさず今回が53回目となった。
1970年と言えば大阪万博の年であり、当時は高度経済成長に乗って自動車の保有台数が毎年200万台規模で拡大していった。その一方で交通事故も増え続け「交通戦争」という言葉が生まれたのもこの頃。1970年の交通事故死者数は1万6765人、負傷者数は98万1096人という最悪の数字を残している。
交通事故死者数の推移(昭和23年~令和4年)
その後三点式シートベルト、SRSエアバッグ、ABSや横滑り防止装置、衝突被害軽減ブレーキと安全技術の進化もあって2022年の交通事故死者数は2610人、負傷者数は35万6601人にまで減少した。しかし、減少傾向は鈍化しゼロにはまだほど遠い。毎日、全国のどこかで7人以上の方が亡くなっているいる計算だ。
高齢者(65歳以上)死者数の推移
死者数のうち1471人が65歳以上の高齢者で全体の56.4%を占める。また歩行者や自転車の事故が増えているという現実もある。現在よりもさらにもう一段交通事故の死傷者を減少させるためには何が必要なのだろうか?
■重要視されるデータ収集とAI技術の活用
左からマツダの毛籠勝弘社長、スズキの鈴木俊宏社長、トヨタの豊田章男会長、同佐藤恒治社長、スバルの大崎篤社長と各社のトップが参加
クルマの安全技術の進化で交通事故の死傷者数は抑えられてきた。さらなる低減を目指すには知能化技術の活用が欠かせないとウーブンバイトヨタの虫上広志氏は強調する。
1日で得られるトヨタ車13万台、400万kmという膨大なデータから事故やヒヤリハット、課題シーンをデータベース化。そこから加速度センサーを使って事故やヒヤリハットのシナリオ抽出を自働化させている。
そこから見通しの悪い横断歩道を横切る自転車やわき道から飛び出す歩行者など、事故が起こりやすい状況をAIに学習させ、より早期に自転車や歩行者の認識ができるよう性能の向上が図られている。
テストコースの試験車で得られるデータにこれらのリアルデータを加えることで事故を減らすことができる。より多くのデータを収集し、解析してAIに学習させることが重要。
トヨタだけでなく各社のデータを共有することができれば、より大きな効果が得られるはずだ。また、ユーザーにデータ取得の理解を深めてもらうことも必要だろう。
タテシナ会議で基調講演を行うTRI(トヨタ・リサーチ・インスティチュート)のギル・プラットCEO。日本人の優れた国民性にも触れた内容に会場から共感の声が聞かれた
トヨタのAIの研究開発を行うTRI(トヨタ・リサーチ・インスティチュート)のギル・プラットCEOは、仮に運転のうまいラリードライバーの運転をAIが学習すれば、安全だけでなく運転の楽しさも生み出すことができるという。すでにWRCトヨタチームのラトバラ監督のドライビングを解析しAIに学習させることに成功している。
こうした人間中心のAIの開発が日本の企業に競争力をもたらすという。日本人には勤勉さや他人を尊ぶ気持ち、そして継続的に改善するといった国民性があると分析する。そのことが高品質や耐久性、信頼性、良品廉価といった日本ならではのものづくりを可能にした。
生成AIをはじめAIは人間を幸せにも不幸にもすると言われるが、人に寄り添うAI、愛のあるAIを開発していくことで、交通事故を減らすことだけでなく日本企業の発展にもつながるという分析はユニークで、参加者の共感を集めた。
■交通安全はみんなでつくるもの仲間づくりが必要
焚き上げられた護摩木の残り火の上を歩き、厄除けや無病息災を祈願する火渉り式に参加する豊田章男会長。熱くても笑顔を絶やさないのはさすがです
トヨタの佐藤恒治社長はこんな話をしてくれた。「自動車会社にとって重要なテーマは2つあると思います。環境と安全です。環境はカーボンニュートラルの動きもあって大きく取り上げられていますが、安全のほうは個社個社で『頑張っている感』をアピールするにとどまっているのではないでしょうか? 交通システムとしての安全性を高める取り組みは個社ではできません。モビリティ社会を作る人々の意識を変えていくにはより大きな輪にしていかなければならないと思います」。
またスバルの大崎篤社長は「スバルは2030年死亡交通事故ゼロを目指し技術開発を進めていますが、ほんとに自社だけでいいのか? 技術開発をしていくうえで協調領域は必ずあるはずで、そこをはっきりさせて協力しあえるところはしっかりやっていくことが重要だと思います」と語ってくれた。
そしてモリゾウさんは「今回の会議では心の部分、人の部分の共感があったように思います。1年後のタテシナ会議ではより多くの具体的な提案が生まれ、協調部分もやりやすくなっているのではないでしょうか」と期待をにじませた。
交通事故の死傷者ゼロに近づけるにはメーカー間の垣根を越えた、仲間づくりが必要だと各社のトップが意識していることは心強い。自動車会社に限らずタテシナ会議により多くの企業や団体のトップが参加することで、協力関係が生まれ、交通安全への取り組みが加速することを願いたい。
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みんなのコメント
あと、自賠責保険のプール金は辞めてくれ‼︎