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無印良品もクルマを売っていた!? 安価でシンプルな国産ベーシック車5選

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無印良品もクルマを売っていた!? 安価でシンプルな国産ベーシック車5選

■ひと昔前の安価なベーシックカー5選

 いま庶民の足は軽自動車が担っていますが、価格が高騰してしまい、もはやベーシックカーの値段ではない車種もあります。

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 ひと昔前は、100万円未満で売っている普通車(登録車)がたくさんあって、ベーシックカーの主流でした。

 そこで、2000年代初頭に販売されていたベーシックカー5車種をピックアップして紹介します。

●日産「MUJIカー1000」

「無印良品」は生活雑貨から食料品まで幅広い商品を売る販売店ですが、かつてクルマを売ったことがあります。

 2001年に日産と良品計画との共同開発車「MUJIカー1000」が発売されました。コンパクトカー「マーチ」の1リッターエンジン車をベースに1000台の限定商品とし、Webサイト「MUJI.net」を通して予約受け付けするという販売方法で、納車やアフターサービスは日産のディーラーで行なわれました。

 マーブルホワイトの専用ボディカラーに素地のバンパー、専用デザインのラジエーターグリル、リアコンビランプ、ブラックの電動格納式ドアミラーなど、「無印良品」の商品をイメージさせる簡素で実用的なデザインを採用。

 価格は93万円(消費税抜き、以下同様)と安価で、オーディオやエアコン、エアバッグなど必要最低限の装備は搭載されていました。

 なお「MUJIカー1000」の売買契約が成立すると、「無印良品」オリジナルの14型折りたたみ自転車がプレゼントされたそうです。

●三菱「ピスタチオ」

 1999年12月に発売された三菱のコンパクトカー「ピスタチオ」は、わずか50台限定で個人向けには販売されず、先駆的に環境保全に取り組んでいる自治体や公益企業など、法人で使われることが前提のモデルでした。

 当時世界最小となる直列4気筒1.1リッターの直噴エンジンを搭載し、アイドリングストップシステムが採用され、燃費は30km/L(10・15モード)を達成しています。30km/Lという燃費はガソリン車で世界初の快挙でした。

 販売価格は95万9000円と安いですが、5MTのみで、装備も非常に簡素化されていました。

 低燃費技術のスタディモデルだったという背景もあり、大量生産の計画は当初からなかったようです。

■明暗が別れた「ロゴ」と「ヴィッツ」

●ホンダ「ロゴ」

 ホンダは「シビック」の下位に位置していた「シティ」の後継車「ロゴ」を1996年に発売しました。

 新設計の66馬力1.3リッター2バルブエンジンに5MT、3AT、CVTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことと、常用域でトルクを発生させるセッティングで、ストレスなく走るクルマとなっていました。

 また、運転席用エアバッグを全車に標準装備し、高い乗員保護性能を持つ新設計シャシを採用するなど、安全面でも優れたベーシックカーに。価格も3ドアの廉価グレード(5MT)で77万円からと、かなり戦略的な価格設定でした。

 このようにホンダは「ロゴ」に対して相当期待して開発していたと受け取れますが、実際の販売台数は低迷してしまい、2001年に生産を終了。同年、後継車の「フィット」が出て、大ヒットしたのは記憶に新しいでしょう。

●スズキ「スイフト」

 軽自動車をメインに開発してきたスズキにとって、安価なクルマを開発するノウハウの蓄積は、他メーカーを一歩リードしています。

 そのスズキから「カルタス」の後継車として2000年に発売されたのが初代「スイフト」です。

 発売当初は全車新開発の1.3リッターエンジンを搭載し、コンパクトで背の高い車体と14インチの大径タイヤを組み合わせたSUV的なアクティブなデザインを採用。安全面でもABSと運転席・助手席エアバッグを標準装備するなど、充実した内容でした。

 価格は最廉価モデルが101万8000円と、ライバルよりも高く設定されていましたが、2002年のマイナーチェンジで「SE-Z」グレードの5MTが79万円と一気に低価格化が進み、ベーシックカーとしての地位を固めました。

●トヨタ「ヴィッツ」

 現在もトヨタを代表するベーシックカー「ヴィッツ」は、世界戦略車として1999年に初代が発売されました。

 外観のデザインは局面を巧みに使い、小型ながらもドッシリとした安定感を表現し、内装もセンターメーターとした特徴的なインパネで、チープな素材ながらも安っぽく見せない工夫がなされていました。

 エンジンは当初1リッターのみで、70馬力を発揮。これに5MTと4ATが組み合わされ800kgほどの車体には十分なパワー。パッケージングも秀逸で、身長190cm程度の人でも4人が普通に移動できる当時クラストップの室内空間を実現し、以降のコンパクトカーに多大な影響を与えました。

 価格は3ドアで83万円から、5ドアでも87万円からとなっており、発売1か月で2万200台受注する大ヒットを記録することになります。

 なお、初代「ヴィッツ」は日本のみならず、欧州でもカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、世界に認められたベーシックカーでした。

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