■悪路走破性能はSUV超え!? 雪道でもヨユーの最強「軽」とは?
2024年末から2025年初にかけて、今回の冬は西日本と東日本を中心に冬型の気圧配置が強まり、寒気の影響を受けやすいとし、特に東日本と北日本の日本海側では、平年より多く雪が降ることも予想されています。
積雪が予想される地域では、スタッドレスタイヤに履き替えて、冬に備えるユーザーも多いことでしょう。
そんななか、かつて三菱は深雪地帯はもちろん、泥ねい地や砂地などSUVの悪路走破性能を凌駕する軽自動車を展開していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 これが雪道最強な「軽」です!(42枚)
そのクルマとは「ミニキャブトラック4クローラー」です。
まず「ミニキャブ」とは、1966年に初代モデルが登場し、これまで軽バンモデルは8代、軽トラックモデルは7代にわたって展開されてきたモデルです。
初代が販売開始された当初は、軽トラックのみで展開されており、およそ2年後の1968年に軽バンも追加されました。
そのなかでミニキャブトラック4クローラーは、5代目ミニキャブトラックの4WDモデルをベースに設定されました。
同車の最大の特徴は、名前の通りタイヤの代わりに4つのクローラー(無限軌道)が装着できる点です。
クローラーとは、ゴムベルトを装着した三角の形をしたユニットで、主に農業機械や建設機械など不整地で使用するクルマの足回りに利用されています。
実際にミニキャブトラック4クローラーは泥ねい地や砂地、深雪地帯など、過酷な路面状況での荷物の運搬に特化した商用車として開発されました。
1994年にラインナップに加えられ、車検証にはクローラー装着時とタイヤ装着時のどちらの諸元も記載できるため、あくまで一般的な軽トラックとして登録できます。
そのため、一般的なクローラー車は不整地運搬車の資格が必要な場合がありますが、ミニキャブトラック4クローラーは普通免許で公道も運転できるのがポイントです。
もし普通のタイヤで走りたい場合はクローラーから履き替えるだけで大丈夫なのですが、クローラーユニットはおよそ70kgあるので、素人が気軽に取り替えるのは難しく、基本的には業者に依頼する形となります。
パワートレインには、660cc直列3気筒自然吸気エンジンを搭載しており、トランスミッションは5速MTのみでATはありません。
なお当時の新車価格は182万6000円(消費税抜)と、特装車の割には比較的安価に設定されていたとのことですが、ミニキャブトラックのフルモデルチェンジとともに販売終了となりました。
ちなみに、このようなクローラータイプの市販車はミニキャブトラック4クローラーのみならず、同時期にはホンダ「アクティ」とダイハツ「ハイゼット」にもクローラータイプが登場しており、当時の流行が垣間見えるユニークな装備の1つといえるでしょう。
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