現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 目立ち度ならスーパーカーにも負けない! 20世紀末に突如現れた新時代ホットロッドが428万円で落札…今後コレクターズアイテム化は必至!?

ここから本文です

目立ち度ならスーパーカーにも負けない! 20世紀末に突如現れた新時代ホットロッドが428万円で落札…今後コレクターズアイテム化は必至!?

掲載 8
目立ち度ならスーパーカーにも負けない! 20世紀末に突如現れた新時代ホットロッドが428万円で落札…今後コレクターズアイテム化は必至!?

そろそろコレクターズアイテムに? プリムス プロウラー

1980年代~1990年代に生産された「ヤングタイマー・クラシックカー」がどんどん勢力を増している現代にあって、前世紀末から今世紀初頭に作られたクルマたちのなかでも際立つ個性を持つものは、次世代のコレクターズアイテムとして注目されつつあるようです。世界最大級と称される自動車のお祭りとして、毎年7月に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)」。そのオフィシャルオークションとして名門ボナムズ・オークション社が催した「Goodwood Festival of Speed」オークションの2024年版に出品されたプリムス「プロウラー」は、まさしくそんな次世代のヤングタイマー・クラシックとして筆者が注目している1台。今回はそのモデル解説と、注目のオークション結果についてお伝えします。

彼女の初めての愛車スズキ「アルトワークス」は父に勧められて…「ヘッドカバーは1週間かけた手磨き、過保護中の過保護です」

エンスー経営者と開発チームが創り出した、ホットロッド・ロードスターの復活版とは?

1989年に「ヴァイパー」のコンセプトカーを製品化し、自動車業界を驚かせたクライスラー社は、わずか数年後の1993年、デトロイトで開催された北米国際自動車ショーで、驚くべき「プロウラー」の「ホットロッド」コンセプトカーを初公開し、ヴァイパーにも匹敵するトリックを繰り返すことになる。

有能な自動車メーカー首脳にして、生粋の「カーガイ」としても知られていたボブ・ラッツCEOの率いていたクライスラーのモチベーションは、1950年代からアメリカのカーマニアを魅了していた「ストリート・ロッド」へのノスタルジックな憧れを上書きするような、新時代のホットロッドを創り出すことにあった。

しかし、そんなレトロなルックスにもかかわらず、プロウラーの存在意義のひとつは最新の構造技術、とくにアルミニウムの使用の実験台として機能することであった。プロウラーの車両重量2780ポンド(約1270kg)のうち900ポンド(約400kg)以上がアルミニウムとされ、この軽量で耐食性に優れた素材は、シャシー、サスペンションの各種コンポーネンツ、ボンネットやドアを含むボディパネルに使用され、ブレーキディスクにはアルミニウム複合素材が使用されることになった。

3.5リッターV6エンジンを縦置きに搭載

エンジンとドライブトレインの調達にあたり、プロウラーの開発チームはクライスラー・グループの部品庫をあさり、同社のFF用3.5L鋳鉄ブロックのV6エンジンを縦置き搭載することに決定。リアアクスル側に置く「トランスアクスル」の変速機は4速オートマチックとされた。

1997年初頭から生産が開始され、1年足らずで鋳鉄製エンジンは姿を消し、1999年モデルからはオールアルミ製の3.5L 24バルブV型6気筒エンジンが採用された。

当初のSOHC版は214psと排気量のわりに非力だったが、DOHC 24V版では253psまでパワーアップ。1.3t足らずの軽量ボディも相まって、0-60mph(約0-97km/h)加速5.9秒、0-400m加速14.9秒、最高速度は235km/h(リミッターで200km/hに制限)という、なかなかの俊足を誇っていた。

1998年にクライスラー・グループがダイムラー・グループの傘下に収まった余波で、プリムスのブランドが廃止となったことに伴い、プロウラーも2001年にクライスラー・ブランドに移行。そして2002年がこの注目すべき、そして現在ではコレクターズアイテムにもなりつつあるモダン・クラシックカーの生産最終年となったのだ。

今回の個体はコンディションのせいで安価ながら、いずれは人気アイテムになる?

このほど「Goodwood Festival of Speed」オークションに出品されたプロウラーは、1999年モデル。つまり、まだ「プリムス」のブランドを名乗っていた時代の、24バルブ版ということになる。

ボナムズ社のオークション公式ウェブカタログを作製した段階での走行距離は約2万5000マイル(約4万km)。現時点における最新のMoT車検証は2022年6月に切れており、ごく最近、ブースター式バッテリーパックを介して始動・走行したとのことである。

また、キーフォブのバッテリーもパンクしているなど、これから乗るためには一定のメンテナンスが必要となりそうだ。さらに、現時点ではドキュメント類も少ないため、販売時までにさらなる情報が得られることを期待しているという、ちょっと不安含みの出品となっていたようだ。

やや控えめな落札価格を設定

そして、このコンディション上の不安とヒストリーを証明する書類の不備を意識したのか、ボナムズ社は2万3000ポンド~3万ポンド(約428万円~558万円)という、ちょっと控えめにも感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定した。また、この種の比較的安価な出品ロットではよくあることだが「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品となった。

今回のような「リザーブなし」という競売形態は価格の多寡を問わず落札できることから、とくに対面型オークションでは会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が跳ね上がる傾向もある。その反面、たとえ価格が売り手側の希望に到達しなくても、自動的に落札されてしまうリスクも内包している。

しかし2024年7月12日に行われた競売では、リスクに挑んだことが功を奏したのか、終わってみれば2万3000ポンド。つまり現在のレートで日本円に換算すれば、約428万円で無事落札されることになった。

とはいえ、このハンマープライスは、近年の英国におけるプロウラーのマーケット相場よりもやや低めで、やはり現状のコンディションやヒストリーの不明瞭なことが、エスティメートおよび落札価格を引き下げる要因となっていたことは間違いあるまい。

そもそもプリムス/クライスラー プロウラーは、元来の販売計画が5年間の限定生産だったとのこと。したがって総生産台数は1万1702台(ほかに1万1479台説など諸説あり)と、現代的なスポーツカーとしてもかなり希少であることに、持ち前の強烈な個性も相まって、今後はヤングタイマー・クラシックカーとしてさらなる人気を博してゆくことになるものと予想しているのである。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「大雪ですよ!通行止めしますよ!出るとヤバイですよ!!」と言っても“効かない勢”あきらかに 高速道の雪対応の課題
「大雪ですよ!通行止めしますよ!出るとヤバイですよ!!」と言っても“効かない勢”あきらかに 高速道の雪対応の課題
乗りものニュース
約156万円から! ダイハツ人気の「小型ハイトワゴン」! “多彩な装備”と“先進機能”満載の「トール」ってどんなクルマ?
約156万円から! ダイハツ人気の「小型ハイトワゴン」! “多彩な装備”と“先進機能”満載の「トール」ってどんなクルマ?
くるまのニュース
【F1第21戦無線レビュー(2)】ステイアウト選択のアルピーヌが2台揃って表彰台を獲得「まさかここまで来れるとは」
【F1第21戦無線レビュー(2)】ステイアウト選択のアルピーヌが2台揃って表彰台を獲得「まさかここまで来れるとは」
AUTOSPORT web
【現役デザイナーの眼:ホンダNボックス・ジョイ】宗一郎イズムとマッチしたデザイン
【現役デザイナーの眼:ホンダNボックス・ジョイ】宗一郎イズムとマッチしたデザイン
AUTOCAR JAPAN
いま注目のラリーを始めるなら「デイラリー」がオススメ! 現在の愛車ですぐに参加できるJAF公認イベントの魅力をお伝えします
いま注目のラリーを始めるなら「デイラリー」がオススメ! 現在の愛車ですぐに参加できるJAF公認イベントの魅力をお伝えします
Auto Messe Web
自己ベストリザルトのJuju、バトルを繰り広げた小林可夢偉を非難「明日から同じ目で見れない」……一方で小林も持論語る
自己ベストリザルトのJuju、バトルを繰り広げた小林可夢偉を非難「明日から同じ目で見れない」……一方で小林も持論語る
motorsport.com 日本版
【ヒョンデNが目指す次世代高性能EV】Nデイ2024にて「RN24」発表 将来の可能性を示す
【ヒョンデNが目指す次世代高性能EV】Nデイ2024にて「RN24」発表 将来の可能性を示す
AUTOCAR JAPAN
BMW発の「人気アドベンチャーバイク」が全方位的に進化! 充実装備で大陸横断のロングツーリングにも対応 “売れ筋”は「自動変速モデル」か!?
BMW発の「人気アドベンチャーバイク」が全方位的に進化! 充実装備で大陸横断のロングツーリングにも対応 “売れ筋”は「自動変速モデル」か!?
VAGUE
予選Q1の動きで野尻をいつになく憤慨させた太田格之進。本人は“駆け引き”の範疇との認識「予選なら常に起こり得ること」
予選Q1の動きで野尻をいつになく憤慨させた太田格之進。本人は“駆け引き”の範疇との認識「予選なら常に起こり得ること」
motorsport.com 日本版
来季2025年1月にカナダ・ケベックで新境地を切り開く。北米開幕はスノー&アイスの1戦に/WorldRX
来季2025年1月にカナダ・ケベックで新境地を切り開く。北米開幕はスノー&アイスの1戦に/WorldRX
AUTOSPORT web
山本尚貴、スーパーフォーミュラで残すはあと1戦……でも”いつも通り”を心がけると誓う「最後格好良いレースがしたい」
山本尚貴、スーパーフォーミュラで残すはあと1戦……でも”いつも通り”を心がけると誓う「最後格好良いレースがしたい」
motorsport.com 日本版
55年前に登場したエレガントな2人乗りオープンカー!クラシック・メルセデスの「280SLパゴダ」をオークションで発見  “パゴダ”ってどんな意味?
55年前に登場したエレガントな2人乗りオープンカー!クラシック・メルセデスの「280SLパゴダ」をオークションで発見 “パゴダ”ってどんな意味?
VAGUE
“全長5.2m”超え! 斬新「センチュリー“ミニバン”」に大反響! 「LMみたい」「プラネタリウムすごい」の声も! 高級感がハンパないビュイック「最上級モデル」に熱視線!
“全長5.2m”超え! 斬新「センチュリー“ミニバン”」に大反響! 「LMみたい」「プラネタリウムすごい」の声も! 高級感がハンパないビュイック「最上級モデル」に熱視線!
くるまのニュース
よくみると種類でキレイさが違う! 冷凍トラックに「ボコボコ」なクルマが多いワケ
よくみると種類でキレイさが違う! 冷凍トラックに「ボコボコ」なクルマが多いワケ
WEB CARTOP
ちょっぴり不気味(?)。無人のAIスーパーフォーミュラが鈴鹿を疾走、“ドライバー”の実態も大公開
ちょっぴり不気味(?)。無人のAIスーパーフォーミュラが鈴鹿を疾走、“ドライバー”の実態も大公開
AUTOSPORT web
コラピントがF1グリッドに起こす小さな地震。レッドブルは獲得に動くのか? アルピーヌ加入の噂も浮上
コラピントがF1グリッドに起こす小さな地震。レッドブルは獲得に動くのか? アルピーヌ加入の噂も浮上
motorsport.com 日本版
ジープ『アベンジャー』が「4xe」追加で電動化加速、ChatGPTも車載化
ジープ『アベンジャー』が「4xe」追加で電動化加速、ChatGPTも車載化
レスポンス
SF引退表明の山本尚貴が金曜フリー走行最速。ランク首位の坪井翔は赤旗でアタック中断も6番手/第8・9戦鈴鹿
SF引退表明の山本尚貴が金曜フリー走行最速。ランク首位の坪井翔は赤旗でアタック中断も6番手/第8・9戦鈴鹿
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • bws********
    これはプリマス最後の車だったかな?
    この手の車はやはりプッシュロットのV8を積むのがアメリカ人の思考からしたら正解だったのだろう ね。
  • ecn41021
    この強引なバンパーの付け方には敬意を表するよ
    普通はもっとカッコ良くしようとするだろうに、この諦めというか潔さというか 笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村