NSXに乗るたび考えさせられる、「スーパーカーとは何か」というシンプルで根源的な問いかけ。東京から京都への道すがら、その答をいまいちど考えてみた。そのうえで、NSXが提供しうる“スーパーカーとしての価値”に迫ってみた。
Rei.Hashimoto“スーパーカーとしての価値”とは
NSXには意外と黄色がよく似合う。初代にもインディイエローパールがあった。黄色に塗るといっそうスーパーカー感が増す。もっとも黄色や橙色(サーマルオレンジパールという)といった、いかにも! なカラーを選ぶ人はさほど多くないようだ。カーセンサーネットで検索してみれば、たいてい白かイメージカラーの赤メタで時折青メタが混じる程度である。
もしリセールバリューを気にして無難な色を選んでいる場合が多いのだとすれば、それは随分と的ハズレ、というかもったいない話だ。
確かに白やイメージカラーは日本では売り易いと言われている。けれどもスーパーカーの場合、それは必ずしも将来的な価値とはリンクしない。新車時に人が選ばなかった色ほど、あとから価値がついてくるからだ。要するにレアである。イエローやオレンジのNSXには、そういう期待がもてる。今後加わるであろう、新色も(奇抜であればあるほど)大いに期待できると思う。
それはそうと、ホンダのホームページを覗くと「現行モデルの販売は終了いたしました」という表示があって一瞬ドキッとしてしまった。マイナーチェンジか何かが予定されて、我知らぬ間に終わってしまっていたのか、と思った。事実は日本における2020年モデルの販売が終了したということで、また改めて21年モデルのオーダーが始まるということらしい。
そもそも現行型のNSXはアメリカで生産されており、しかも生産に加担する人(熟練工)の割合がいまどき極端に高いクルマである。半手造りだと言っていい。それゆえ生産キャパは日に最大8台と言われている。オーダーの落ち着いた今ではそれよりも少なくなっているのだが、もともと日本への割当て=右ハンドル仕様の生産、は少なかった。スーパーカーとしては、悪くない計画生産状態になっていると言っていい。
そう、NSXに乗るたび、初代でも現行でも、考えさせられることがある。それは、「スーパーカーとは何か」というシンプルで根源的な問いかけだ。京都への道すがら、その答をいまいちど考えてみようと思った。そのうえで、車両価格2420万円~というNSXが提供しうる“スーパーカーとしての価値”にも迫ってみたい。
スーパーカーとは、クルマ=カーを超えて=スーパーな存在だ。まずそのことが“見た目”でアピールされなければならない。背の高いクルマ全盛の世の中にあって、低いことはもうそれだけですでに異様だろう。その低さをよりいっそうアピールするために、ある程度の幅とボディサイズも必要となる。つまり、大きめのパワートレーンをリアもしくはフロントへ完全なミッドシップとしてレイアウトした場合にのみ、図抜けた異様さが生まれるものだと思う。
とはいえ、決してレーシングカーであってはいけない。性能の追求と技術の実験であるという点でスーパーカーとレーシングカーは似た者同士だけれども、ロードカーとして各種のレギュレーションに合致させるか否かでは天地の違いがある。要するにスーパーカーには、秀でた性能と分かりやすい非日常性とともに、手荷物くらいは呑み込むグランツーリズモとしての素養もまた少なからず求められているのだった。否、奇抜なカタチをしながらもGT的であればあるほどに良い。
Rei.Hashimotoライバルたちにはないユニークな魅力がある
NSXはどうだろうか。ミッドに積むエンジンはより強力な非日常性を提供するために本来は8気筒以上が好ましい。けれどもダウンサイジング全盛の今となっては、NSXの積む3.5リッターV6でも最早十分に“大排気量マルチシリンダー”だと言うこともできる。しかも3つの電気モーターの力を借りて8気筒相応のパワースペックも得ているのだ。V6エンジンをドライバーの背後、リアアクスルの前に縦置きした結果、初代に比べてもいっそうスーパーカーらしいスタイリング、幅広く平べったい、を手に入れた。正しく、スーパーカーらしいカタチを……。
インディイエロー・パールIIにペイントされた最新のMY20に乗ってみて、NSXは着実に進化を続けていると確信した。実はMY19でいちどナカミの“改良”を受けている。そこでスポーツカーとしてのドライブフィールがいっそう磨かれた。SH-4WDの制御も滑らかになって、実に素直なハンドリングマシンになっていたのだ。そこからこんどはGTカーとしてのパフォーマンスも引き上げられたように思う。東京と京都の往復が実に快適なドライブだったからだ。
車両本体価格2400万円強。オプションを奢れば乗り出し2800万円を越えてくる。それがマーケット的に意味するところは、マクラーレンのスポーツシリーズ(540C)あたりと同価格帯であり、ちょっと頑張ればV10ミドシップのランボルギーニウラカンRWDまでターゲットに入ってくる。
この事実を知って、「オレならランボルギーニだな」、と即断する向きもあっていい。スーパーカーもまた多分に“ヘリテージイメージ”に支えられたブランドビジネスの際たるものだから。
けれども、わが日本の(米国産だが)ホンダNSXに勝ち目が全くないか、と問われれば、そんなことはないと応える。SH-4WDという素晴らしい車両制御テクノロジーや他に先んじたハイブリッドシステムなど、同価格帯のライバルたちにはないユニークな魅力があると思う。
NSXに2500万円は高い。そうおっしゃる方は多い。けれどもそんな意見もまた間違っている。この15年間、つまりNSXが“途切れていた”間にこのクラスの高性能車の価格レンジはほぼ倍になっているのだ。クルマが高くなったのではない。日本人の所得が上がっていないだけである。クルマの価格上昇に帯する怒りはメーカーではなく政府に向けた方がいい。何より、NSXの性能には2500万円の価値が十分にあると思った。
文・西川 淳 写真・橋本玲 編集・iconic
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント