エンジンがドライビング体験の中心
執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】マイナーチェンジ BMW X4 Mコンペティション 競合するSUVモデルと比較 全136枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
2022年モデルとして、マイナーチェンジを受けたBMW X4 Mコンペティション。車内中央のセンターコンソールは、最新のM3やM4に採用されるものと似た形状のものに改められている。
グロスブラックのパネルに、短いシフトノブとiドライブ用のコントローラー、ドライブモードの選択スイッチ、赤いスタートボタンが並ぶ。ハーマン・カードン社製のサウンドシステムが標準になり、エアコンの送風口やインターフェイスも新しくなった。
全体としてマイナーチェンジ前のX4 Mコンペティションより、車内の快適性は高められたといえる。知覚品質も向上している。
一方で、車内空間は期待ほど広くはない。特にリアシート側は、傾斜のきついルーフラインと、車内の前後を貫く大きなトランスミッショントンネルによって制限を受けている。
荷室容量は、リアシートを利用した状態で525L。40:20:40の分割式となる背もたれを倒せば、最大で1430Lまで拡大可能。実用性は平均レベルといえるだろう。
今回筆者がX4 Mコンペティションを試乗したのは、BMW Mの本社が位置するミュンヘン郊外の一般道。最新のM3やM4と基本的には同じといえる、改良を受けたエンジンが華やかなドライビング体験の中心にあった。
驚くほどたくましく、パワーの発生はリニア。アクセルペダルの操作に対する反応が鋭く、それでいて低回転域では粘り強い。市街地では、エフィシェンシー・モードでも非常に安楽に運転できる。
感動する操縦性の精度と俊敏な身のこなし
郊外の開けた道で、スポーツプラス・モードへ引き上げる。直列6気筒の3.0Lツインターボは、中回転域での力強さが目に見えて増大。アクセルペダルを踏み込めば、7200rpmのレッドライン目掛けて一気に吹け上がる。
可変フラップの付いたエグゾーストからは、少々人為的なノイズが響く。だが、素晴らしく頼もしい。
その結果、X4 Mコンペティションの車重は2010kgあるが、510psを活かし0-100km/h加速は3.8秒。フェイスリフト前から0.3秒も短縮した。BMW Mが提供するSUVとして、最速記録を更新したようだ。
ちなみに、最新のポルシェ・マカンGTSは2.9L V6ツインターボ・ガソリンを搭載し、最高出力441ps。0-100km/h加速は4.3秒とうたわれる。
8速ATは、滑らかに迷いなく変速してくれるだけでなく、増強された最大トルクを確実に受け止めてもくれる。さらにM xドライブと呼ばれる四輪駆動システムと、Mアクティブ・デフがバックアップ。揺るぎないトラクションを保ち続ける。
いうまでもなく、恐ろしく速い。さらにドライバーを感動させるのが、操縦性の精度と身のこなしの俊敏さ。そこへ自身を与えてくれるような、動的能力の印象も重なってくる。
ステアリングホイールを回した時の手応えは、標準のX4よりかなり重い。姿勢制御はタイトで、グリップ力にも目をみはる。条件が許すならBMWのMモデルらしく、コーナリング時の姿勢を自在に調整できる、懐の深さも持ち合わせている。
BMWの持つ高い技術力が見事に反映
反面、X4 Mコンペティションで指摘せずにいられないのが、硬い乗り心地。マイナーチェンジに合わせてサスペンションはしなやかさを増しており、鋭い入力はある程度丸くなっている。大きかったロードノイズも、以前ほど不快ではなくなった。
とはいえ、ツギハギの多い市街地を指定速度で走るような場面では、細かな垂直方向の振動が絶えず侵入してくる。容赦することなく。
一般的な環境の高速道路に入れば、だいぶ改善はされる。それでも、根底には硬さが残ったまま。全般的な乗り心地へ、洗練されたという表現は与えにくい。
マイナーチェンジを受けたBMW X4 Mコンペティションの英国価格は、8万6860ポンド(1346万円)から。シリアスなドライバーズカーとして、この手のモデルに関心があるなら検討に値するといえる。
硬い乗り心地は、明確に改善されたわけではない。また、競合となる高性能SUVと比較して、内部空間には妥協がある。
しかし、車高の高いM4へ期待する通りの、ドライビング体験を楽しめる。レスポンスは見事で、圧倒的な動力性能を驚くほど引き出しやすい。操縦性の精度は高く、ドライバーに自身を与えてくれるような一体感も備わっている。
タイトコーナーでの旋回スピードの高さには、呆れるほど。走りの訴求力は極めて高い。BMWの持つ優れた技術力が、SUVのX4 Mコンペティションへ見事に反映している。
BMW X4 Mコンペティション(欧州仕様)のスペック
価格:8万6860ポンド(1346万円)
全長:4762mm
全幅:1927mm
全高:1620mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:9.3km/L
CO2排出量:238-247g/km
車両重量:2010kg
パワートレイン:直列4気筒2993ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6250rpm
最大トルク:66.1kg-m/2750-5500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
誰も校正しないのか?