2022年1月号でご好評いただいた「モーストファンカー2021」から約1年半が経過。「モーストファンカー2023」はその間に登場したニューモデルから本誌でおなじみの執筆陣と本誌編集長が「運転して楽しいクルマ」を選ぶという企画だ。はたしてもっとも乗って楽しいと乗る者に感じさせたクルマはどれだろうか。(Motor Magazine2023年9月号より)
「モーストファンカー 2023」のノミネート車や選考方法などの概要はこちら
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
憧れの大排気量内燃機を日常で楽しめる希少車:渡辺敏史
渡辺:2020年秋のビッグマイナーチェンジで走りの洗練度をひときわ高めたISですが、それを機に米国では自然吸気の5L V8を搭載するグレードが設定されました。
彼の地での売れゆきが好調なことに加えて、日本ではこの2UR-GSEユニットがISFを皮切りとしたF銘柄やLC用として大事に扱われていた側面もあり、Fよりも緩いコンセプトでIS500を投入してもいいものかという紆余曲折があったとも風の噂で耳にしました。
が、時の移ろいと共に、この希少なエンジンを毎日カジュアルに味わいたいというニーズが増えていたのも確かです。IS500はそこにビタッとハマりました。内燃機終活が1台で完結できる選択肢としておすすめです。
電動化が主流のこの時代に5L V8に乗れる歓び:千葉知充
千葉:この時代、電動化モデルに開発費はかけられるが、純粋なICEにはなかなかリソースを注ぎ込むのは難しい。ましてやこのIS500は、5L V8自然吸気エンジンを積んでいるのだから、なおさら希少価値がある。たとえば10年後、こうしたエンジンを搭載した新型車が出るということを想像することが難しい。つまり、今、こうしたクルマに乗れることを、今のうちに大いに享受したいと考えている。IS500はこれからも値段が下がらないだろう、という邪な気持ちもないとは言えないが、実際に乗ると、本気で自分のものにしたくなる1台である。
岡本幸一郎:いまやめっきり少なくなった自然吸気の大排気量マルチシリンダーを味わえる貴重なクルマ。公式サイトなどではあくまで「F」ではなく、「Fスポーツのパワートレーンを強化した」と言うが、やはりこのクルマの価値はエンジンにある。Fスポーツの一員なのであまり派手な演出もなく、本来の官能的なサウンドと絶品の吹け上がりを楽しめるところが良い。熟成を重ねたISはハンドリングの仕上がりもすばらしく、切る側だけでなく戻す側もほかに心当たりがないほどピタッとキレイに動いて雑味がない。こんなクルマはもう出てきっこない・・・と思っていたのだが、ひょっとすると「F」か何か隠し玉があるのかも・・・?
レクサスIS500“Fスポーツ パフォーマンス”主要諸元
●全長×全幅×全高:4760×1840×1435mm
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1720kg
●エンジン:V8DOHC
●総排気量:4968cc
●最高出力:354kW(481ps)/7100rpm
●最大トルク:535Nm/4800rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●WLTCモード燃費:9.0km/L
●タイヤサイズ:前235/40R19、後265/35R19
●車両価格(税込):850万円
[ アルバム : 「モーストファンカー 2023」レクサスIS500 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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