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【手が届くBEV対決】初めてのBEVに最適なのは、BYD・ATTO3と日産リーフのどちらだろう!?

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【手が届くBEV対決】初めてのBEVに最適なのは、BYD・ATTO3と日産リーフのどちらだろう!?

BEV大国の中国からATTO3上陸。それは電池スペシャリストの作品

 中国は、世界で販売されるピュアEV(BEV)のうち、2台に1台が販売されている圧倒的な「EV大国」。
 2023年1月末から販売スタートしたBYDのATTO 3(440万円)は、そんな中国製のBEV。サンプル車両の審査など複雑な手続きの省略が可能となる「輸入車特別取扱制度(PHP)」を活用して日本で販売される初の中国車だ。

BEVは環境に優しく、走り上々、愛車にすると「新しさ」を感じる。日本では中容量バッテリー搭載車が使いやすい!【CD取材ノート】

 日本ではまだ馴染みが薄いBYDは、1995年に電池事業で創業した若いメーカーである。ユニークなのはその社名が「Build Your Dreams」の頭文字であること。自動車事業を担当するのは子会社のBYD Autoで、創業は2003年とこちらはさらに最近の話になる。ただし、日本への輸入は大小さまざまな「電気バス」が先行していて、2015年から販売がスタート。実績台数はすでに60台以上といわれている。

 BYDは、パソコンや携帯電話用のバッテリーで実績を積んできたメーカーを母体をしているだけに、得意分野は当然BEV。ただし、テスラの場合と異なるのは、BEVだけではなくエンジンを搭載したPHEVモデルも中国国内で手がけていること。
 とはいえ日本法人のBYDジャパンは、「日本メーカーと競合するつもりはない」と発言。日本ではBEV事業に特化する方針を明確にしている。

 「2023年に3モデルを販売する」と表明したBYDのファーストモデルがATTO 3。全長4455mmの、いわゆるコンパクトSUVにカテゴライズされるBEVだ。ただし全幅は1875mmに達する。サイズ設定は日本での「コンパクト」とは少々違うワールド規格だ。

 スタイリングはすっきりとしている。印象的なのは、意外なほどに押し出し感が控えめな点だ。何かに似ていると感じられるわけではないが、一方で際立って独創性に富んだルックスという印象でもない。インテリアは、円筒形をモチーフに採用。縦型スリットの入った空調吹き出し口や、ドアトリムにレイアウトされたスピーカーが目を引く。スピーカー上部のレバーを引くドアオープナー、さらに楽器の弦を連想させるドアポケットなど遊び心も楽しい。

 インパネ中央の大型タブレット風ディスプレイは、スイッチ操作で90度回転し縦型レイアウトにもなる。斬新なだけでなくナビゲーション画面を表示する場合などは、進行方向を広く表示できるので便利に使えそうだ。

 ただし、インテリア全般の仕上がりは一部にチープな印象が漂う。ATTO 3は、多彩なADAS機能をはじめパノラマサンルーフやタイヤ空気圧モニタリングシステムなどを標準装備。駆動用バッテリー容量は58.56kWhとマツダMX-30EVやホンダeなどを大幅に上回る。そのうえでの440万円という価格設定を「割安」と評価するユーザーもいるだろう。一方で、「単純にそうは思わない」という声が上がっても不思議ではなさそうだ。

 150kWh(204ps)の最高出力を発するモーターで前輪を駆動する加速力は、日常の走行には十二分に力強い。ただし、フル加速シーンになると、最新モデルとしては珍しいほど強めのトルクステアに見舞われる。

 フットワークのテイストはマイルドだ。ハーシュネスのいなし方などはなかなか上手。なお、車両は4年/10万km、バッテリーは8年/15万kmの保証がつく。
 世界的に見てBEVのリーダーメーカーのひとつといえるBYDが、どのように日本に浸透していくのか興味深い1台である。

リーフはBEVの先駆車。静かで滑らか、そして力強い!

 日産リーフは、内外メーカーからの新作BEVラッシュもあって、影が薄い印象が否めない。現行モデルは2017年デビュー。いまやベテランという印象だ。ただし実力は上々。静かで滑らかで、とくに日常の街乗りシーンでは意外なほどに力強い。つまり、BEVならではの美点が存分に味わえる。BEVの魅力をいち早く教えてくれたという功績にいささかのかげりもない。

 試乗車はバッテリー容量を増したリーフe+G(583万4400円)。モーター出力をベース車の110kW(150ps)から160kW(218ps)にアップさせるとともに、WLTCモードによる航続距離を322kmから450kmにまで伸ばすことで、「航続距離が短い」というBEV全般の弱点を解消した。

 先駆者ゆえ、最新BEVでは一般的な駆動用バッテリーの強制冷却機構を持たないなど、ウイークポイントが存在することも事実だが、その実力はまだまだ高い。

 走りはスムーズそのもの。前述した圧倒的な静粛性や滑らかさとともに、エンジン車を大きく凌ぐアクセル操作に対するレスポンスのよさが実感できる。BEVならではの魅力が味わえる優れたキャラクターの持ち主であることは確かである。

 日本発の作品ゆえの扱いやすいサイズや、「e+」になってさらに大きく向上した加速性能など、現在でも見どころは多い。

 リーフは日本を代表するBEVというポジションをキープし続けている。

BYD・ATTO3主要諸元

グレード=ATTO 3
価格=440万円
全長×全幅×全高=4455×1875×1615mm
ホイールベース=2720mm
トレッド=フロント:1570/リア:1580mm
車重=1750kg
モーター型式=交流同期電動機
モーター最高出力=150kW(204ps)/5000~8000rpm
モーター最大トルク=310Nm(31.6kgm)/0~4620rpm
一充電走行距離(WLTCモード) km=485km
駆動用バッテリー=リン酸鉄リチウムイオン電池(ブレードバッテリー)
駆動用バッテリー総電力量=58.56kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=235/50R18+アルミ
駆動方式=2WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.35m

日産リーフ主要諸元

グレード=e+G
価格=583万4400円
全長×全幅×全高=4480×1790×1565mm
ホイールベース=2700mm
トレッド=フロント:1530/リア:1545mm
車重=1680kg
モーター型式=交流同期電動機
モーター最高出力=160kW(218ps)/4600~5800rpm
モーター最大トルク=340Nm(34.7kgm)/500~4000rpm
一充電走行距離(WLTCモード)=450km
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
駆動用バッテリー総電力量=60kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=215/50R17+アルミ
駆動方式=2WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m

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みんなのコメント

43件
  • (性能機能はあって当然!)、電気自動車はいよいよ価格戦争へ! 各社、頑張れ!!
  • EVとしての基本性能はBYDの完勝だと思う。
    しかし、リーフクラスの性能ならセカンドカー需要が多いだろうし、購入を検討する人は家で充電できる人が多数と思う。
    この場合、よくリーフはバッテリー冷却ないからダメって言われるが、急速充電を連続使用する用途でないなら問題にはならない。
    よって、販売整備網の充実などを考えるとリーフの優位性もある。
    リチウムの高騰も落ち着いてきたのもあり、価格はもう頑張ってもらいたいが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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