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シェフラーシンポジウム2018 未来のモビリティをつくるためのソリューション展示

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シェフラーシンポジウム2018 未来のモビリティをつくるためのソリューション展示

世界的な自動車部品、システムサプライヤーのドイツ・シェフラーが10月31日、11月1日の2日間、国内で2回目となる「シェフラーシンポジウム2018」を東京・虎ノ門で開催した。

シェフラーのシンポジウムは40年の歴史を持ち、カーメーカーエンジニアなどを対象に、議論の場として開催してきている。シェフラーはこのシンポジウムを将来技術についての課題の議論、シェフラーからのイノベーション、アイディア提案についての議論、またカーメーカーエンジニアとの双方向の本音の議論の場として、ドイツ、日本という異文化、異質をぶつけることにより、新しいものが生まれてくるという考えの下、シンポジウムを位置付けている。

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そうした背景の中、今回開かれたシンポジウムでは、将来のモビリティに関する具体的な技術、製品の提案があった。世界の未来についてはオートプルーブでも何度かお伝えしているように、今のCO2削減やEV化、コネクテッドといったトレンドが生まれてくる背景には、人口のシフトが起こり、メガシティが誕生することが関係していると伝えてきた。

そのメガシティの誕生によってひきおこされる諸問題として、環境悪化や渋滞、事故、そして化石燃料の枯渇問題などが起きているわけだ。そして京都議定書で具体的なCO2削減目標が掲げられ、アメリカではZEV規制ができ、中国でもNEVといった制約ができたことにより、カーメーカー、サプライヤーはより具体的なソリューションが必要となってきている、というのがここまでの流れだ。

シェフラーも例外なく、こうした将来への課題に取り組んでおり、シェフラーのシナリオでは2030年の時点でICE(内燃機関)だけの車両が30%、ハイブリッドやプラグインハイブリッドが40%、そしてEVが30%という割合だと予測しており、それらの車両に対し、回答のひとつとして、具体的なアプリケーション展示を行なっていた。


大きな流れのひとつとしては48Vに代表されるマイルドハイブリッドがある。ISG(インテグレーテッド・スタータージェネレーター)のP1レイアウトからP2、P3、P4レイアウト(モーターをどこに配置するかによりP1~P4と区別する)とした場合、どんなUSP(他にはない特徴)を持っているのか? という説明と製品展示だ。シェフラーの得意とする分野にはクラッチやベアリングなどの部品があり、そうした部品を使ったEV、トランスミッション、エンジンに分け、また仕様レベルとしてマイクロHEV、マイルドHEV、PHEV、そしてEVと分類し、それぞれの部品にシェフラーの技術と部品を供給していくという展示だ。

例えば、EV化やPHEV化されていく車両においてICE(内燃エンジン)の振動がボディに伝わることで、商品価値を下げてしまわないように、クラッチ、フライホイール部に設けたダンパーシステムで、振動を軽減するカットモデルを展示している。考え方としては振動周波数によって2つの振り子ダンパーを使い分けるダイナミックダンパーだ。


またISGなどオルタネーターを駆動力に使っているようなケース、あるいは、アイドリングストップしたときに、エアコンのコンプレッサーが止まってしまうようなケースでは、デカップリングテンショナーを用意し、プーリーをクランクシャフトから分離させ、エンジンが止まっている状態でもエアコンの作動を可能にするバネ式プーリーの展示などがある。


モーターでは1速同軸電動アクスルの展示もあった。これは、超小型のデファレンシャルも組み込んだ同軸トランスミッションで、最高入力速度1万8000rpm、定格入力トルク400Nm、変速比8.5~10.5に対応というものだ。

またP2レイアウトのマイルドHEV用のトルクコンバーター内蔵クラッチでは、EV走行から素早く快適にエンジンの再始動が可能になる第3世代のモジュールが展示されていた。さらにP4レイアウトの48VマイルドHEVでは、既存のパワートレーンに統合可能なソリューションとして提案され、連続出力20kW、最大トルク80Nmの48Vモーターを備えている。メリットとしてはオンデマンド式の4WDや、最大18%のCO2削減、イコール低燃費、10km/h以上でもセーリング走行を可能にするなどのメリットが謳われていた。


また、新しい取り組みではインホイールモーターも展示している。14インチのリムに内蔵するモーターを持ち、4輪それぞれに装着したプロトタイプの小型車の提案もあった。これは「シェフラームーバー」というプラットフォームのコンセプトモデルで、各輪にインホイールモーターを内蔵しているため、4輪すべてが独立している。そのため、ステアリング操作としては90度まで操舵でき、従って車両は横移動が可能になるコンセプトモデルだ。


これは人を乗せ無人の完全自動運転でドライブされ、人が乗らないときは倉庫などで、モノを輸送するためのモビリティとしても利用できるといったことを提案しているモデルだ。


さらにラストマイルでは人が持ち運べたり、クルマのトランクに置くなどして利用する移動用スケーターのコンセプトモデルを展示している。キックボードを電動化したものだが、10kg以下の重量で、片手で持ち運びができる。バッテリーはハンドルポストに内蔵、あるいはボードの背面に搭載するなど工夫されたもので、ベアリングやギヤなど超小型の高性能部品を持つシェフラーの強みを活かした提案アイテムだ。


こうしたさまざまな展示物と考え方を話し合い、未来へ向けてカーメーカーと協業していく姿勢を提案しているシンポジウムだった。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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