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なぜ7代目のR31スカイラインは酷評された? 本当に魅力のないクルマだったのか真実を探る

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なぜ7代目のR31スカイラインは酷評された? 本当に魅力のないクルマだったのか真実を探る

 この記事をまとめると

■ハイソカーブームの真っ只中に誕生したのが7代目のスカイラインのR31型であった

正真正銘のGT-Rの頂点! NISMOが生んだたった19台の至宝R34 GT-R「Z-tune」は震えがくるほどの中身だった

■歴代スカイラインのなかでももっとも豊富なバリエーション数を誇る

■限定車なども多く存在しているマニア心をくすぐる名車だ

 R31スカイラインを振り返る

 トヨタのハイソカー戦略に対抗する日産の切り札となる予定だったが……

 R31型と呼ばれる7代目スカイラインがデビューしたのは1985年8月。当時流行していたハイソカーに日和ったかのようなスタイリング、新設計のRB型エンジンの煮詰め不足、そして何より責任者であった桜井眞一郎氏の心労によって生じた開発の詰めの甘さが仕上がりに大きく影響した。

 結果として、スポーティさが売りであったスカイラインらしさが希薄になり、ジャーナリストやファンから辛辣な声が多数挙がることに。こうした理由から、発売当初から世間の不評を買ったR31だが、4年間におよぶモデルライフを振り返れば、決して魅力に乏しかったわけではない。今回は、そんな7代目スカイラインの魅力について書き記したい。

 じつは当時の先進技術がてんこ盛りだった

 歴代スカイラインは、つねに他のメーカーが手がけていない新技術に積極的に挑んできた。R31型もその例にもれず、数多くの先進技術が盛り込まれている。代表的なメカニズムが世界初の電子制御4輪操舵システムのHICAS。これは電子制御により30km/h以上の車速および車両の横Gに応じて後輪を最大0.5度までステアさせる仕組み。これによりコーナーリング時のスタビリティを大幅に高めた。

※画像はR32GT-RのHICASまわり

 さらに、電子制御可変吸気コントロールシステムのNICSも世界初の技術として注目された。これは、トヨタのT-VISのように吸気マニホールドにバルブを設けて低回転、高回転で切り替えるのではなく、長さの異なるマニホールドを組み合わせることで、低回転域では豊かなトルク、高回転では弾けるようなパワーを両立させる設計だった。

 また、カードを携帯するだけでドアの施錠、開錠ができる「カードエントリーシステム」も世界初。のちにこれはインテリジェントキーへと発展した。

 そのほかにも、現在では主流である点火システムであるダイレクトイグニッションも日産車として初めて採用。システムの近代化を図ったのはR31からである。

 歴代で最多のグレード展開を誇る

 スカイラインのなかでもっともバリエーションが広い

 多彩なバリエーションもR31型の魅力のひとつ。ボディ形状は4ドアH/T、4ドアセダン、2ドアH/T、そしてワゴンの4タイプ。エンジンに至っては、RB20DET-R、RB20DET、RB20DE、RB20ET、RB20E、CA18S、CA18P、RD28の8種類が存在。さらに、海外仕様としてRB30S、RB30E、CA20S、CA20Eが存在し、特例としてトミーカイラのM30にはRB30(腰下RB30+腰上RB20)、オーテック限定でV6エンジンのVG30DET搭載車も存在する。

 4ドアH/Tと4ドアセダン、ワゴンのみの設定だった発売初期で32グレードもあり、その後、1986年には2ドアH/Tが追加され、さらに限定車、特別仕様車が次々に投入されたことで、最終的には100種類以上のバリエーションが用意された。

 この背景には、ハイソカーの主役であったマークII 3兄弟への対抗措置と、デビュー直後に受けた評価の差を巻き返すべく、開発陣や営業サイドが積極的に手を打ったことが大きい。このバリエーション数は歴代最多であり、王道の限定モデルだけでなく、運次第ではレア車に乗れる可能性という意味でも、コアなファンにとっては魅力的に映るのではないだろうか?

 目立つこと間違いなしのレア車も存在

 R31のスペシャルモデルといえば、グループAレースのホモロゲ取得を目的に、1987年2月に800台限定で発売された「GTS-R」と1988年にスカイラインの父である桜井眞一郎氏がオーテックジャパン在籍時に200台限定でリリースした、初のメーカーカスタマイズモデル「オーテックバージョン」が有名だが、それ以外にもR31にはさらにレアなスペシャルモデルが2台ある。

 その1台が、日本のカロッツェリアというべき「トミタ夢工場」が1987年にリリースした「トミーカイラM30」だ。これは日本で初めてチューニング・コンプリートカーとして公認を受けたモデルである。最大の特徴はエンジンで、輸出仕様に存在したRB30のブロックにRB20DEのツインカムヘッドを組み合わせたM30エンジンを搭載。

 出力は240馬力/30.0kg‐mとGTS-Rの210馬力/25kg‐mを大幅に上まわっていた。加えて専用のエアロパーツや足まわりを装着してトータルチューンされたこのモデルは、当時としては破格の580万円。GTS-Rやオーテックバージョンよりも高額であったことから、当初予定していた200台の販売数には大きく届かず、30台にとどまった。

 もう1台は1994年に登場した「S&Sドリフトパッケージ」。これはオーテックジャパンにかつて存在したS&S事業部が製作したカスタマイズモデルで、当時社長であった桜井眞一郎氏は、「最後まで作り込むことができなかったR31のひとつの答え」と明言していた。

 ポイントは、R31のボディに31型レパードに搭載されていたVG30DETと4速ATをドッキングさせた点。これにともない、ファイナルギヤも4.1から3.7ハイギヤード化されている。その出力向上に対応すべく、より幅広いタイヤが履けるように前後にオーバーフェンダーを装着し、見た目も控えめながら、さりげなく高性能車であることをアピールした。

 ちなみに、このVG30DETと4速ATという組み合わせは、当初ザガート・ステルビオ、ザガート・ガビアなど、オーテックで製作されたコンプリートカー製作のために用意されたユニットで、販売台数が芳しくなかったことから、R31にも活用され誕生したのがこのパッケージだ。

 価格はコンプリートカーが300万~350万円、持込車両ベースで改造申請込みで200万円とされ、販売台数は試作車を含めて5台。R31のなかではもっともレア度が高いモデルといえるだろう。

文:WEB CARTOP 山崎真一
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みんなのコメント

151件
  • mel********
    スポーティーにすると狭いだの、大きくするとデブくなっただのアンチに振り回されすぎた
  • syo********
    オートスポイラーに触れてないからやり直し。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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