1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、6代目ゴルフ登場の経緯について語ろう。
フォルクスワーゲンの社内改革に貢献したゴルフ6
2008年に、ゴルフは6代目にフルモデルチェンジされた。これはゴルフ5誕生から5年目のことであり、このゴルフ6もその後4年で次世代にモデルチェンジする。この2世代は歴代ゴルフの中でもモデルライフが短かかった。
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実際のところ、ゴルフ6はゴルフ5のビッグマイナーチェンジといってもよく、ボディ外板こそまったく様変わりしているものの、その中身はゴルフ5の大幅改良版というべきものだった。ただもちろん、フォルクスワーゲンとしてはゴルフのしっかり独立した1世代として位置づけている。
ゴルフ5が短期間でモデルチェンジした背景としては、フォルクスワーゲンの経営状態があまり芳しくないということがあった。フェルディナント・ピエヒ元会長が1990年代から進めた高級化路線、拡大路線に疑問符がつけられるようになり、大筋の路線は変わらないものの、仕切り直しが必要な状況になっていた。ピエヒ会長の後任、元BMWのベルント・ピシェッツリーダー会長は高級化路線を継承したといわれるが、新たに2007年1月にマルティン・ヴィンターコルンが会長に就任し、経営改革をすることになる。ゴルフ6は、それから約1年半後に発表されている。
ゴルフ6はデザインの改変も大きな注目点となったが、それ以前に、ゴルフ5の高コスト体質を改革するねらいがあった。ピエヒ時代に強力に推し進められた高品質化によって生産コストが高まり、しかも生産性にも問題が生じており、それがフォルクスワーゲンの経営を圧迫していた。ゴルフ6はそれを改善した。とはいえ、品質感を向上させるように仕上げているのは、もちろんのことだった。結果的にフォルクスワーゲンはゴルフ6で改革に成功して、そのクルマづくりの巧みさがいっそう評価されることになった。
また、次のゴルフ7ではフォルクスワーゲン グループのまったく新しいプラットフォーム「MQB」が導入されることになり、少なくとも結果的に、その導入スケジュールに合うように、ゴルフ5以来のシャシが延命されたことにもなる。
エンジンやモデルのバリエーション拡大は続く
ゴルフ6で具体的に変わったところを見ていくと、車体は高張力鋼板の多用などで剛性を高めたほか、ボディ外板が全面的に変わっており、デザインが変わったのはもちろんとして、同じホイールベースでありながら、タイヤに対して車体が少し後退して、たたずまいのバランスを良くした。フロントオーバーハングが13mm短く、逆にリアが7mm伸ばされている。
力を入れたポイントのひとつとして、静粛性の向上もあり、フロントガラスに遮音シートを挟みこんだり、フロアやホイールハウス内の遮音材を充実させた。風切り音も低減されている。
安全性では、初めてニーエアバッグを標準装備した。また各種の先進的なデバイスも目立ち、アダプティブクルーズコントロール(ACC)や、ダイナミックコーナリングライト、アダプティブシャシコントロール(DCC)なども採用された。
エンジンは、ゴルフ5の途中で鳴り物入りで導入されたTSIエンジンが、さらにバリエーションを広げている。1.4Lのツインチャージャー エンジンは、出力よりも燃費をより重視する方向に改変されて、最大出力は170psから160psへと抑えられた。燃費とコストに優れるTSIの真打ちともいうべきシングルチャージャー ユニットは、従来からの1.4Lに加えて、アルミブロックの1.2Lも新たに搭載。排気量のさらなるダウンサイジングを実践した。またディーゼルのTDIに、初めてコモンレール式が採用されている。
モデルのバリエーションとしては、スポーティモデルでは引き続きのGTIや、新たにR32から名を変えて4気筒エンジンに換装されたRが存在したが、大きなトピックスとしては、ゴルフ5に設定されなかったカブリオレが復活したことだろう。2011年に登場したカブリオレは、従来の固定ロールバーを廃したうえに、幌が電動開閉式となり、現代的になった。
そのほかのモデルとしては、引き続きゴルフ ヴァリアント、ゴルフ プラス(日本未導入)、トゥーラン(日本名ゴルフ トゥーラン)などが健在だったが、これらは、基本的にゴルフ5のときと同じデザインのままだった。ただ、フロントマスクだけはゴルフ6と同じ顔つきに改変されていた。そのゴルフ6で新たに採用されたフロントマスクは、フォルクスワーゲン ブランドにとって大きな意義があったのだった。(文:武田 隆)
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