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カローラクロスがヴェゼルに負けた!? コスパ最強のSUVはどれだ?

掲載 更新 68
カローラクロスがヴェゼルに負けた!? コスパ最強のSUVはどれだ?

 コンパクトクラスからラージサイズまで、ありとあらゆるSUVが登場し、いまや猫も杓子もSUVといえるほどの一大ブームが起きている。

 思い起こせば、約15年前の国内におけるSUV比率は、新車として売られる小型/普通乗用車の10%弱だった。それが今は25%に達する。コンパクトカーの40%に次ぐ売れゆきになっている。

名門首位奪還の原動力! 新型カローラクロス 絶好調の秘訣と気になる短所

 さて、いざSUVを選ぼうとするとたくさんありすぎて、どれを選べばいいのか迷う人が多いだろう。特に最近の傾向では、コストパフォーマンスの高さもSUV選びの重要な要素にもなってきている。

 そこで、今回はコスパのよさを基準に、コスパのいいSUVランキング・ベスト5を選んでみた。

文/渡辺陽一郎
写真/トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、ベストカー編集部

[gallink]

■コスパNo.1:ホンダヴェゼル

●買い得グレード:e:HEV・Z・2WD(289万8500円)

2021年4月に2代目へと進化したホンダ『ヴェゼル』。価格はガソリン「G」グレードFFが227万9200円、ハイブリッド「X」FFが265万8700円、ハイブリッド「Z」FFが289万8500円、ハイブリッド「PLaY」FFが329万8900円からとなる

先代モデルよりも足元空間が35mm広くなった後席。身長175cmの編集部ウメキが乗っても、膝スペースは前席背もたれからコブシ2つ分あって余裕を感じる

 機能や装備の割に価格が安い買い得なSUVは、全長を4500mm以下に抑えたコンパクトな車種に多い。コンパクトSUVは、価格が求めやすいこともあり、多くのユーザーが購入の対象に選ぶ。その結果、ライバル同士の競争も激しくなり、買い得度も強まった。

 そしてコンパクトSUVのなかでも、買い得度の1位になる車種がヴェゼルだ。水平基調のボディは視界が良く、インパネなどの内装も上質に仕上げた。

 居住空間は広く、身長170cmの大人4名が乗車した時の後席の足元空間は、握りコブシ2つ半に達する。この後席の余裕は、CR-VのようなミドルサイズSUVと同程度だ。

 後席の取り付け位置が後方に寄っているから、荷室長(荷室の奥行寸法)は十分とはいえないが、ヴェゼルは燃料タンクを前席の下に搭載した。そのために後席を床面へ落とし込むように小さく格納できる。この状態では床の低いボックス状の荷室になる。

 そして買い得グレードのe:HEV・Zは、モーター駆動が中心のハイブリッドシステムを搭載しており、加速が静かで滑らかだ。動力性能は特にパワフルではないが、コンパクトSUVとしては十分な性能を備える。

 e:HEV・Zは装備も充実しており、ドライバーから見えない後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーション、曲がる方向を照らすLEDアクティブコーナリングライト、リアゲートの電動開閉機能、18インチアルミホイールなどを標準装着した。

 2WDの価格は289万8500円だから、装備を充実させたSUVのハイブリッドとしては買い得だ。

■コスパNo.2:トヨタカローラクロス

●買い得グレード:ハイブリッドS・2WD(275万円)

2021年9月から発売となったトヨタ『カローラクロス』。いちばん安いガソリンFF「G"X"」が199万9000円でハイブリッドFF「G」が259万円からとなっている

同メーカーヤリスクロスの弱点である広い車内空間をもつカローラクロスの室内。2段階のリアリクライニングシートや頭上空間の余裕でゆったりとロングドライブできる

 人気のカテゴリーとされるSUVのなかでも、一番登録台数の多い車種がカローラクロスだ。2021年11月には7300台が登録され、カローラシリーズ全体の54%を占めた。

 カローラクロスが好調に売られている理由は、SUVの典型であるからだ。大きなフロントグリルと大径タイヤを備えた外観は、SUVらしく存在感が強い。ボディの上側は、典型的なワゴンスタイルだから、車内の広さや実用性を外観デザインでも表現している。

 そして全長が4490mm、全幅が1825mmのボディは、混雑した街中や駐車場でも運転しやすい。価格も割安だからヒット作になった。

 車内に入ると、インパネ周辺の質感は特に高くはないが、不満も生じない。身長170cmの大人4名が乗車すると、後席に座った乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱だ。ヴェゼルの2つ半に比べて少し狭いが、着座位置や座り心地は良好だから、4名で快適に移動できる。

 そして4名で乗車した時の荷室長は849mmだから、全長が4500mm以下のSUVでは、キックスの900mmに次いで長い。リアゲートの角度を立てたから、背の高い荷物も積みやすく、実用性が優れている。

 価格は割安だ。ハイブリッドは、ノーマルエンジンと比べた時の価格アップを35万円に抑えた。ハイブリッドの価格は、一般的にはノーマルエンジンよりも37万~60万円高いので、カローラクロスは求めやすい。

 そして買い得グレードのハイブリッドSは、ルーフレール、17インチアルミホイール、7インチのディスプレイオーディオなどを標準装着して、2WDの価格は275万円だ。ヴェゼルほどの充実装備ではないが、相応に充実させて、価格を割安に抑えた。

■コスパNo.3:トヨタライズ

●買い得グレード:ハイブリッドZ・2WD(232万8000円)

2021年11月にeスマートハイブリッド搭載モデルが追加になったトヨタ『ライズ』。日産と同じシリーズハイブリッド方式のこのクルマは「Z」グレードFFでWLTCモード28km/Lの高燃費

全長、全幅ともに狭いので広いとは言えないライズの室内。6:4分割可倒式リアシートの採用により実用的で多彩なシートアレンジができ使い勝手がよい

 コンパクトSUVのなかでも、特にサイズの小さな車種がライズだ(ダイハツ版のロッキーもある)。全長は3995mmに抑えられ、全幅も1695mmだから、SUVでは珍しい5ナンバー車になる。

 ボディスタイルは水平基調だから視界が優れ、最小回転半径も4.9~5.0mに収まる。そのために運転感覚もコンパクトカーのヤリスやフィットに近い。

 全長が短いから後席の足元空間は狭めだが、それでも身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半程度になる。大人4名の乗車を妨げない。荷室容量も相応に確保され、実用的には十分だ。

 そしてライズとロッキーは、新たにハイブリッド(e-スマートハイブリッド)を追加した。エンジンが発電機を作動させ、その電気を使ってモーターがホイールを駆動する。日産のe-POWERに似たシステムだが、価格が安い。

 Z同士で比べた場合、ハイブリッドの価格は、ノーマルエンジンに比べて28万9000円の上乗せに抑えた。前述の通りノーマルエンジンとハイブリッドの価格差は、37~60万円が一般的だから、ライズの28万9000円はかなり割安だ。

 ライズの買い得グレードは、ハイブリッドZ・2WDになる。最上級グレードとあって、衝突被害軽減ブレーキ、車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、ハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑えるアダプティブドライビングビーム、17インチアルミホイールなどを標準装着した。e-スマートハイブリッドも搭載して、2WDの価格は232万8000円だ。カローラクロスハイブリッドS・2WDに比べて42万2000円安い。

■コスパNo.4:日産キックス

●買い得グレード:X・2WD(275万9900円)

2020年6月に日本で発売開始された日産『キックス』。キックスは2016年から海外で生産・販売されており基本設計の古さは否めない

十分な広さをもつキックスの後席。足元空間がヴェゼルよりも少し狭いがその代わり荷室長はヴェゼルを上まわる

 日産のコンパクトSUVで、全長は4290mm、全幅は1760mmだから、ヴェゼルと同等の大きさだ。しかし車内のレイアウトは異なり、キックスは後席の足元空間がヴェゼルよりも少し狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱だ。

 その代わり荷室長はヴェゼルを上まわり、積載性に重点を置く。後席を使っている状態の荷室長は前述の900mmだから、全長が4500mm以下のコンパクトSUVでは最も長い。キックスは実用性を追求している。

 グレード構成がシンプルで、基本的にはXのみだ。そのために装備は、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能のプロパイロット、通信機能とSOSコール、17インチアルミホイールなどが標準装着される。

 ただし後方の並走車両を検知して知らせる安全装備はなく、基本設計の古さを感じさせるところもあるが、おおむねフル装備と考えて良い。

 X・2WDの価格は275万9900円だ。機能や装備と価格のバランスは、全長が4000~4500mmのSUVとしては、ヴェゼルやカローラクロスの次に割安だ。内外装が少し地味で、売れ行きは伸び悩むが、荷室に重点を置いた充実装備のコンパクトSUVが欲しいユーザーにとっては選ぶ価値は高い。

■コスパNo.5:マツダCX-5

●買い得グレード:XDプロアクティブ・2WD(322万8500円)

2017年にモデルチェンジした2代目マツダ『CX-5』。美しいSUVでは間違いなくトップクラス、シンプルな造形に深みのある塗装色でクオリティが高い

定員乗車時もゴルフバッグ4つが入る大容量を確保したラゲッジルーム。間口は広く、荷室高(高さ)が最大790mm、荷室長(横幅)が1450mmある

 価格の割安感を基準にしたSUVランキングの上位4車は、すべて全長が4500mmを下まわるコンパクトな車種だ。しかし5位のマツダCX-5は、全長が4575mm、全幅は1845mmだから、ミドルサイズに位置付けられる。

 それだけにエンジン排気量も拡大され、上位4車は1.8L以下だが、CX-5は2Lを超えるエンジンを中心に搭載している。

 特に買い得グレードのXDプロアクティブは、直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボを搭載して、最高出力は200ps/4000rpm、最大トルクは45.9kgm/2000rpmを発生する。

 後者の数値は、4.5Lのガソリンエンジンと同等で強力だ。最大トルクの発生が2000回転と低いから、街中でもディーゼルならではの駆動力を実感できる。

 その一方でディーゼルは燃料消費量が少なく、使用燃料の軽油も安い(正確には軽油に含まれる税額が低い)。そのために燃料代は、1.2Lのノーマルエンジンを搭載したライズと同程度だ。最近はディーゼルエンジンを否定する論調も多いが、動力性能と燃費の効率が優れ、埋もれさせるのは惜しい技術だ。

 CX-5は全長が4500mmを超えることもあって車内が広く、荷室の容量も十分に確保した。その割に価格は安く、高効率なクリーンディーゼルターボに実用装備を組み合わせたXDプロアクティブ・2WDは322万8500円だ。ヴェゼルe:HEV・Zに比べて33万円高いが、動力性能の違いなどを考慮すれば納得できるだろう。

 オプション価格も割安だ。クルージング&トラフィックサポート(3万3000円)、ハンズフリーパワーリフトゲート(2万2000円)などを装着すると、少額の価格アップで装備がさらに充実して便利に使える。

 価格が割安なので、CX-5は販売も好調だ。2021年1~12月の登録台数は、1ヵ月平均で1869台だ。マツダの国内販売では、コンパクトカーのマツダ2に次ぐ売れ筋車種になっている。

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みんなのコメント

68件
  • カローラクロスがヴェゼルに負けた内容が無いけど?
    あ、渡辺陽一郎にお金を払ったホンダの勝ちなのね。
  • そもそも狙っているターゲットが違うんだけど。
    ヴェゼルは都会派、カローラクロスはアウトドア派。
    だから比較しても意味ないけどな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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