現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 見事な調律のFK8型 ホンダ・シビック・タイプR 過去10年のベストは? お手頃ドライバーズカー選手権(1)

ここから本文です

見事な調律のFK8型 ホンダ・シビック・タイプR 過去10年のベストは? お手頃ドライバーズカー選手権(1)

掲載 1
見事な調律のFK8型 ホンダ・シビック・タイプR 過去10年のベストは? お手頃ドライバーズカー選手権(1)

過去10年のベスト・オブ・ベストは?

グレートブリテン島の西部、ウェールズ地方に今日のメンバーが揃った。より少ない費用で、より多くの時間、より多くのドライバーが運転の喜びを感じられるベストな1台はどれだろう。

【画像】過去10年のベスト・オブ・ベスト お手頃ドライバーズカー選手権 5台を写真で比較 全144枚

英国価格4万ポンド(約672万円)以下という縛りを設けて、AUTOCARが恒例としている企画が「英国お手頃ドライバーズカー選手権」だ。この土地の道を徹底的に攻め込みたいなら、ケータハム・セブンがベストかもしれない。しかし、少々間口が狭すぎる。

あいにく、今年は予定通り計画が進まなかった。主役になるであろうクルマの準備が、予定日へ間に合わなかった。新しいトヨタGR86だ。

主役不在で選手権を開催しても、意味が薄い。というわけで今回は、過去の勝者を揃えてベスト・オブ・ベストを選び出すことになった。過去10年間を遡り、その年のベストを並べて順位付けし、上位5台を直接比較していくという内容だ。

年末にお届け予定の「英国ベスト・ドライバーズカー選手権」なら、フェラーリやポルシェがしのぎを削る。脳内を巡るアドレナリンの量も半端ないが、価格は数10万ポンド(数千万円)をくだらない。

その魅力を体験できる人は、ほんのひと握り。実際のオーナーでも、その能力を存分に発揮させられる機会は少ないはず。

筆者の前に並んでいる5台は、フォード・フィエスタSTと先代のホンダ・シビック・タイプR、マツダMX-5(ロードスター)、トヨタGRヤリス、初代トヨタGT86(86)という精鋭。いずれも手頃な価格で販売され、毎日運転できるクルマばかりだ。

見事に緻密で調律された操縦性

現代の高性能モデルにとって、優れた能力の引き出しやすさと普段使いのしやすさは、非常に重要な要素といえる。クルマに対する情熱にも影響してくる。今回抽出される1台は、いわばドライバーズカーの象徴的存在になるともいえるだろう。

それでは早速、過去10年での上位5台の乗り比べといこう。2017年にフォルクスワーゲン・ゴルフ Rを凌駕した、FK8型ホンダ・シビック・タイプRが秘めた「スピードやグリップ、活気や興奮で道路を呑み込んでいく」感覚は、今でも健在だろうか。

攻撃的なスタイリングと、望外に高い動的能力、隅々まで正解に感じるフィーリング。シビック・タイプRには新世代が登場済みだが、低い位置にセットされたバケットシートへ腰を下ろすと、自然と笑顔になってしまう。

ドライビングポジションから完璧。もし縦置きエンジンなら称賛ものだし、ファミリー・ハッチバックとしては、これ以上ないといえる。

低速域では、操作系のすべてに無駄が排除されていることを実感する。一般的な同クラスのホットハッチと比べると、手応えが確かで感触も豊か。速度の上昇とともに、鮮明さを増していく。

筆者はこのクルマの走り様が大好きだ。入力に対する反応や速度が、見事に緻密で調律されている。計り知れないほどの可能性を感じる。

素の状態の2017年式を、英国では手配できなかった。グレーのタイプRは310psから320psへパワーアップし、シャシーに改良が加えられたフェイスリフト後の後期型ではある。だが、FK8型は誕生時から素晴らしく、改良で得た変化は小さい。

前輪駆動のポルシェと表現したくなる

シビック・タイプRを特別に仕立てている要素の1つが、オーバースクエア設計の2.0L 4気筒ターボエンジン。ブースト圧の上昇に若干のラグがあるものの、高回転域まで気持ちよく吹け上がる。シャシーの能力を、いかんなく引き出せる。

今日の5台のなかでは、ホイールさばきも秀逸。乗り心地は基本的に悪くないものの、ダンパーをコンフォート・モードに切り替えれば、現実的な毎日の移動手段になってくれる。前輪駆動のポルシェ911 GT3と表現したくなるほど。

6速MTのシフトフィールも素晴らしい。リアタイヤを自在に振り回せる、確実なフロントグリップを担保するシャシーバランスも出色。ブレーキペダルの感触は、本当にポルシェのそれへ近い。

しばらく運転に浸って、冷静さを取り戻す。審査員の1人、ジェームス・ディスデイルも満面の笑みを浮かべ、目を大きく開いて降りてくる。言葉を聞かなくても、彼の感想は想像できる。次に乗るべきクルマに悩む。

今回は日本車が4台も含まれている。世界のクルマ好きは、ドイツとイタリアに足を向けて寝られないかもしれない。だが、ほかにも重要な国があることを再認識させられる。

4気筒ターボで前輪駆動の次に選んだのは、3気筒ターボの四輪駆動。トヨタGRヤリスのステアリングホイールを握ることにした。前後にLSDが組まれ、シビック・タイプRとは対局にあるといっても良いからだ。

この続きは(2)にて。

こんな記事も読まれています

クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
レスポンス
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
バイクのニュース
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
レスポンス
「えっ…ホント!?」マイ自転車に取り付ければ“電動アシスト化”! フル充電で約50kg走行する「P.Wheel」って何?
「えっ…ホント!?」マイ自転車に取り付ければ“電動アシスト化”! フル充電で約50kg走行する「P.Wheel」って何?
VAGUE
究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」実車公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」が置かれたイベントとは
究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」実車公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」が置かれたイベントとは
くるまのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「車中泊“特化型”軽バン」がスゴい! 超デカい2段ベッド×ちょうどいい感じの「シンプル仕様」! カスタムセレクト「コンパクトAS」どんなモデル?
全長3.4m切り! ダイハツ「車中泊“特化型”軽バン」がスゴい! 超デカい2段ベッド×ちょうどいい感じの「シンプル仕様」! カスタムセレクト「コンパクトAS」どんなモデル?
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • この人達がコペンGR乗ったらビックリするだろうね。
    FFのポルシェと言うかもしれない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村