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1904馬力の電動ハイパーカー リマック・ネヴェーラへ試乗 価格3億8640万円 前編

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1904馬力の電動ハイパーカー リマック・ネヴェーラへ試乗 価格3億8640万円 前編

0-100km/h加速1.95秒 価格3億8640万円

電気自動車の充電スタンドは、今のところ世界最速の1台へ出会える場所ではない。しかしロンドンの北、ミルトン・ケインズでは、リマック・ネヴェーラがエネルギーを蓄えている真っ最中。忙しい主任技術者は、筆者のために午後の予定を組んでくれた。

【画像】1904psの電動ハイパーカー リマック・ネヴェーラ 超高性能なBEV 日本発オウルも 全122枚

この電動ハイパーカーは、ロンドンで明日開催されるイベントに展示される予定。クロアチア製のクルマが参加することは珍しい。注文も可能だとか。その前に、ステアリングホイールを握らせてもらえる事になった。コースアウトし、壊すわけにはいかない。

果たして、電動ハイパーカーとはどんなものなのか。最高速度415km/hや、最高出力1904psという動力性能にも目をみはるが、どんな運転体験を与えてくれるのか以前から関心を抱いてきた。

近年のモデルは、ここまでパワフルでなくても、本来の実力を発揮できる場所は限られている。それが可能な人も、メーカーのテストドライバーや経験を積んだひと握りだけだろう。それゆえに、現実的な環境での体験が大切になる。

「ラリーのペースノートは、持ってきませんでしたよ」。助手席に座るリマックの主任技術者、マティヤ・レニッチ氏がジョークを口にする。写真撮影に適した、景観の美しい場所を目指す。

小さな町や村を抜け、緩やかな大地に広がる地方道へ入った。交通量は少ない。全幅が1986mmもあり、英国価格240万ポンド(約3億8640万円)もするリマックのアクセルペダルを蹴飛ばす。

0-100km/h加速は1.95秒。思わず、ウワッと声が漏れる。

運転が魅力的で楽しい電気自動車を作る

レニッチが、ネヴェーラは加速だけが取り柄ではないと話す。「独立制御される4基の駆動用モーターで、2000馬力近いパワーを発揮します。トルクも桁違いといえます。でも、こんな道を非常に楽しくも運転できます」

「それが開発目標の1つでした。弊社のスタッフの多くがクルマ好きで、メカ好きです。われわれにとって重要なことは、運転が魅力的で楽しい電気自動車を作ることでした。つまり、ドライバーズカーですね」。筆者も、それは大事なことだと考える。

欧州仕様だから、運転席は左側。ステアリングホイールやセンターコンソールには、実際に押せるハードスイッチが並ぶ。ドライブ・モードを選択する、ロータリーダイヤルが美しい。

ダッシュボードの中央にはタッチモニターが備わるが、余り頻繁には操作しない機能の入力がメイン。「画面のメニューに隠してはいません。モードを変える場合は手元のスイッチで。2回カチカチと鳴らせばスポーツ・モードになり、別のクルマへ一変です」

上方に開くディヘドラルドアと、低いサイドシルのおかげで、ボディの開口部は大きい。運転席からの視認性も良い。「これも、われわれが目指したことです。ドライブモードに関係なく、運転しやすいと思います」

「アクセルペダルを深く踏まない限り、驚異的に感じることはないでしょう」。レニッチが穏やかな表情で説明する。

強固なシェルが走行性能に多くのメリット

バッテリーEV(BEV)でありながら、ネヴェーラは着座位置が低い。「駆動用バッテリーは、H型に組まれています。乗員空間の前後と、センタートンネル部分です。このレイアウトは、早期の段階で決定した事項の1つでした」

「駆動用バッテリーをフロア部分に敷くと、ボディが高くなりスーパーカーらしさが薄まります。ただし、この形状は設計を複雑にしていて、モジュールは2種類が必要になりました。何かを得ると、何かを失うのです」

容量が120kWhもある駆動用バッテリーは、クラス最大のカーボンファイバー製モノコックに搭載されている。アルミニウム製のサスペンションも、別体のサブフレームを介さず、モノコックへ直接組まれているそうだ。

ボディシェルは、信じられないほどの高剛性を実現したという。「シャシーは非常に強固で、極めてソリッドな土台になっています」。ねじり剛性は、1度当たり70kNだという。前後には、アルミ製のクラッシャブルゾーンを備える。

BMW i3やマクラーレン・セナもカーボン製ボディシェルを備えるが、強固で中空な構造がロードノイズを共鳴させ、速度域によっては車内がうるさくなる事がある。ネヴェーラも、スピードが上昇するほどロードノイズが大きくなる様子。

レニッチも認める。「ノイズや振動といった特性は、多少犠牲になっています。しかし、強固なカーボンシェルは走行性能に多くのメリットを与えます。われわれは、そちらを取りました」

この続きは後編にて。

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みんなのコメント

6件
  • このボディーにプリウスのユニット積んで700万円でもそこそこ売れるんじゃないか。
  • フェラーリやポルシェ、その他一流メーカーが作るスーパーカーは信用できるけど、この手の聞き覚えのないメーカーのスーパーカーて信頼性とかどうなんだろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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