新型C-HRは国内に導入されないというのがかなり濃厚となっている。乗り換え検討中の方は超困るハズ。どうやら新型LBXが実質的な後継モデルとなるというのだ。となればLBXはもしや超お手頃価格なのか!?
文:佐々木亘/写真:ベストカーWeb編集部
そ、そんなバカな……新型C-HR国内導入はなし!? ならば乗り換えるならLBXってマジ!?
■レクサス版ヤリスクロスじゃなかった!? 衝撃の答えがコレ
レクサスのエントリーモデルという立ち位置だが、さすがはレクサスという仕上がり!! とくに内装の質感はクラス随一のデキ
C-HRの生産終了がアナウンスされて数か月が過ぎた。予定では7月にC-HRの生産が終了してしまう。トヨタの世界戦略SUVとして2016年に登場したC-HRの、国内販売の歴史が終わろうとしている。
終売するC-HRの感傷に浸ろうとしている最中、6月5日にLBXが世界初公開を迎えた。「高級車の概念を変える、サイズのヒエラルキーを超えた次世代レクサス」と銘打ったニューモデルは、登場の仕方から見た目まで、C-HRにどこか似ている。
LBXに用いられるプラットフォームはGA-Bで、ボディサイズは全長4,190mm、全幅1,825mm、全高1,560mmとベースがヤリスクロスであることは明白。
しかし「アクティブ」「アーバン」「クール」といったグレード名や、バイトーンカラーのボディを見ていると、ヤリスクロスよりもC-HRに見えてくるのは筆者だけだろうか。
全長こそC-HRよりも短いが(C-HR全長4,385mm)、全幅はLBXの方がC-HRより広く(C-HR全幅1,795mm)、全高は10mmだけC-HRが低い。
たっぷりととられた全幅や、丸く象られたフェンダーアーチモールなど、ヤリスクロスよりもC-HRの要素が強く感じるLBX。
さらに調べていくと、LBXにはC-HRを作り上げてきた土台が深く関連していることが分かってきた。
■製造ラインはLBXに移管!! 東北魂は引き継がれるゾ
正方形に近いカタチのモニターを採用するなど、これまでのレクサスとは異なる雰囲気に
C-HRの生産を行ってきたのはトヨタ自動車東日本の岩手工場だ。アクアやシエンタとともに、メイドイン東北のトヨタ車として復興を下支えしたクルマである。
C-HRの生産終了で、東北に暗い雰囲気が漂うかと思っていたのだが、実はC-HRの生産していたラインは、LBXの生産ラインへと変わる。
トヨタ自動車東日本としても、初のレクサス車を生産することになり、新たな生産体制への移行で忙しいのだ。
東北に拠点を置く仕入先企業などと協力しながら技術力の向上を図っており、新たなブランド車の生産で競争力を一層高めたいと意気込む。
LBXとC-HR、生産工場も同じということは、ますます後継ぎ要素が強くなってきた。実際に、トヨタ・レクサスの販売現場では、LBXの登場をどう見ているのだろうか。
■価格1.5倍になるも乗り換えはLBXに!?
その名の通りヤリスベースのため、C-HRオーナーからすると嫌遠してしまう人が多いとか
初代登場から今年の12月で丸7年が経過するC-HR。3回目の車検を迎えるタイミングであり、そろそろ買い替えを検討するC-HRオーナーが多い時期でもある。
C-HRの生産終了や、新型の日本導入可能性が薄いという報道を受け、トヨタディーラーではC-HRオーナーの新たな受け皿を探していた。しかし、トヨタラインナップ内での乗り換えは、スムーズに進んでいない。
提案対象はヤリスクロスやカローラクロス。前者はやや小さすぎで車格としても少し劣る印象、対して後者は大きすぎるのとファミリー色が強い。
デザインや走行性能に強い独自性を持っていたC-HRと比べると、どちらも凡庸だというのだ。
さらに問題なのは、どちらもオーダーストップ状態にあるということ。注文できないクルマを強く勧めるわけにもいかない。
一部は他社への乗り換えを検討しているようだが、今のところC-HRオーナーの多くは、車検を取り、さらに2年乗り続ける意向を示す人が多い。ゆっくりと次の買い替え候補を探そうとする中、彗星のごとくあらわれたのがLBXだ。
LBXの登場は23年秋以降と既に告知済み。初期型C-HRオーナーは車検に間に合わないが、2017年以降にC-HRを契約したオーナーたちには、車検前に間に合う可能性もある。
レクサス販売店を系列に持つトヨタ販売店では、C-HRの買い替え先として、LBXを紹介しているお店も出てきているという。
LBXの販売価格はまだ発表されていないが、UXよりも下か同程度と考えると、価格レンジは400万円の前半から500万円のあたりか。上級グレードでも約300万円だったC-HRと比べれば、車両価格が1.5倍になるが、大きな問題は無いだろう。
■C-HRオーナーは金持ち多し!? オプションてんこ盛り層が大半だった
SUV全盛になる少し前のデビューながら大ヒットを記録。しかもオプションフルフルで購入する人が多かったという
C-HRの販売最盛期を支えたユーザーは、若年層ではなく中高年層が多い。当時は最上級グレードGのHEVが飛ぶように売れ、注文書もオプションてんこ盛りだった。
車両本体とオプションだけで400万円に迫るものが多く、C-HRユーザーには、金銭的余裕が見えたものだ。
トヨタ販売店の営業マンに、LBXについて問うと、次のような答えも返ってきた。
「実際にC-HRが絶版となり、どうしようと思っていました。ただ、レクサスLBXを見たときに『C-HRの次はこれだ』と直感的に思ったのは正直な感想です。大切なオーナー様と離れ、レクサス店に紹介という形になってしまうのは寂しいですが、LBXに対してC-HRのオーナー様が興味を持ってくれるのならば、喜んで背中を押してあげたいです。」
一方のレクサス販売店でも、LBXへの問い合わせは多く、中にはC-HRで来店する人もいるという。「系列のトヨタ販売店からは、紹介という話も少しだが出てきている」とレクサスセールスコンサルタントは話す。
販売現場も乗り気になってきており、C-HRの跡継ぎがLBXという可能性が現実味を帯びてきた。
新型C-HRのワールドプレミアで、日本導入の可否が判明すると思うが、仮に日本導入可能性がゼロとなった場合、C-HRオーナーがLBXに動くのは大ありだと思う。
注目のLBX発売は今秋。その販売動向に注目していきたい。
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