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不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!ポジション改善の為に加工したシートにより出来てしまったタンクとの隙間を埋める秘策とは? 【vol.12】

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不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!ポジション改善の為に加工したシートにより出来てしまったタンクとの隙間を埋める秘策とは? 【vol.12】

タンク後方から丸見えとなるフレーム

 シートベースを加工した事で座面を低くして理想的な高さに仕上がったホンダ「ベンリイC92」でしたが、若干前後長が短かったため、タンク後方に隙間が出来てしまいました。また、タンク裏面のトンネルがかなり大きく、奥には純正シート取り付け用のボスが見えてしまいます。

不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!遂にエンジン組み立て作業スタート【vol.7】

 今回作成したシートではこの部分は使用しないので、蓋をする形で壁を作ってしまえば問題は無さそうですが、60年前の希少な純正タンクに鉄板を溶接するのは抵抗があります。

 タンク裏面のトンネル幅はシート前方の幅よりも広く、タンクがもう少し後ろに下がればシート前端にタンク後端が被って自然な仕上りになりそうですが、それではタンク前部のフレームネック部が丸見えです。

 もう少し長いタンクがあれば良いなと考えていると、ベンリイC92の兄貴分にあたる250ccのホンダ「ドリームC72」の存在を思い出しました。

 確認のために画像をネットで検索してみると、外観のデザインはほぼベンリイC92と変わらず、違いはエンジンが一回り大きいくらい。

 その分フレームネックが長く、タンクも長そうなので、これはもしかしてと思い、取り敢えず錆でボロボロのジャンク品をヤフオクで購入してみます。

 そして早速、届いたタンクを車体に載せてみると思った通りに若干長く、後ろ側のマウントステーの位置が違う為、そのままでは固定できませんが、丁度イイ感じに隙間が隠れます。

 それどころか、これだいぶカッコイイんじゃない!?との印象だったので、このまま進める事にしました。

 とは言えそこはジャンク品、中の錆はかなり酷く、どうやら一度錆で穴が空いた所を鉄板の継ぎ足しで溶接修理した物が、再度錆びてしまった状態で、錆落としに挑戦しましたがお手上げ。コックの取り付け面も歪みが有りそうだったので、今度はもっと程度の良い物を探すことにしました。

 しかしやはり60年前の希少車だけあってタマ数は少なく、状態が良いものは高くてとても手が出せません。そのまま使用できそうな良品は5万円前後で、錆取りして再塗装すれば再生可能な物でも2万円以上。半年くらいずっと「C72タンク」のキーワードで検索を続けて様子を見ましたが、そもそも新たな出品自体が少なく、出てくるのは微妙な状態なのに高価格なものばかりでした。

 諦めて手持ちのジャンク品を再生するしかないかもと思い始めた頃に、スマホにメルカリから「未使用品C72タンク」の広告が表示されます。

 リンクを開いてみると送料込み4万円。それでも安いとは思うけど、そこまでの金額は出せないなーと思いつつ、気になって様子をうかがっていると、何と毎週少しずつ値下がりしていき、送料込み2万円まで下がった所で、無事購入!!これは幸運でした。

運良く手に入れたベンリイC72未使用タンクの取り付けを工夫

 届いたタンクを確認すると当然、中には錆一つ無く、外観も保管傷程度はあるものの塗装の状態も極上。車体側も再塗装せずに未再生風の仕上がりを目指しているので、むしろ好都合な状態です。

 後ろ側の取り付け部は合いませんが、タンクも車体も貴重な旧車なので、いつでも元に戻せるように無加工のままで固定する方法を検討。

 状態としては、フレーム側の取り付け穴に対してタンク側は後ろに約15mm、左右方向にも約10mmズレています。

 また、裏面もシート取り付け用ボスの位置が違うため、約15mm浮かせてやらないと底付きするので、間に咬ませるマウントステーを製作する事で解決できそうです。

 3mm厚の鉄板を切り出して穴位置を調整し、M8でネジ切りした円筒と溶接する事でマウントステーを製作。リプロ品のマウントゴムを使用することで、純正と遜色なくガッチリと固定することができます。

 結果的にベンリイC92と言うより、外観はベンリイC72風になってしまいましたが、神社仏閣と言われた独特のデザインイメージを踏襲しつつ、「オリジナリティーのある外観カスタム」に落ち着いた事には大満足です。

 ちなみに外装は、いつでも元のベンリイC92タンクと色褪せた赤いダブルシートに戻すことが可能な状態。

 次回は穴が開いてしまっているマフラーを、もっとカッコイイ物に交換します。

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