各メーカーが鳴り物入りで登場させたクルマたち。しかし、そんなクルマのなかで最近売れ行きが冴えないクルマが……。発表当時は、多くの自動車媒体に取り上げられたし、現在も知名度は低くはずなのに、いったいどうしたものか!?
注目度が高かっただけに、そんな冴えない状況が目立ってしまうもの。今回は、そんな冴えないクルマから4台をピックアップ。渡辺陽一郎氏にその要因について迫ってもらった。
【トヨタ新型SUV&ダイハツ軽SUV&マツダ大混乱!?】 今秋~2020年の最新動向情報!!
文/渡辺陽一郎
写真/編集部
【画像ギャラリー】最近冴えないクルマたちの詳細写真
■個性派ならではの悩みに直面|トヨタ C-HR
価格帯:229万~279万9600円。1.8Lハイブリッド(FF)、1.2Lターボ(FF/4WD)
C-HRの1カ月の登録台数は、平均して5000台少々で推移している。ヴェゼルやアルファードと同等で、今の日本車のなかでは堅調に売れている部類だが、最近は冴えないと感じさせる。
その理由は、発売直後の2017年が絶好調に売れたからだ。2017年1~6月の登録台数は、1カ月平均で1万3200台に達した。小型/普通車市場の販売ランキング順位も、プリウスとノートに次ぐ3位であった。
ところが今の売れ行きは2年前の約40%で、小型/普通車市場の販売ランキング順位も2019年1~6月は15位だから、冴えないと感じさせるのだ。
C-HRの売れ行きが急落した原因は、クルマの性格によるところが大きい。外観に特徴があり、ユーザーの購買意欲を強く刺激する。こういったタイプは、クルマ好きが多く購入するから、愛車の車検期間が長く残っていても構わずに乗り替える。
その結果、発売直後に売れ行きが急増して、この後は反動もあって対前年比が大きく下がるのだ。2019年に入ると、同じトヨタからRAV4も発売されたから、C-HRはユーザーをさらに奪われた。
C-HRは外観が際立っていたから話題性も高く、いわゆる鳴物入りで発売された。こういったクルマの人気は、熱しやすく冷めやすい。どの車種でも、発売から時間が経過すると売れ行きを下げるが、C-HRは特に顕著だ。
(編集部注…C-HR苦戦の裏にはRAV4躍進がある、という記事はこちら)
■ディーゼルにこだわりすぎた|マツダ CX-3
価格帯:212万7600~309万4480円。2Lガソリン(FF/4WD)、1.8Lディーゼルターボ(FF/4WD)
CX-3は2015年に発売され、同年の登録台数は1カ月平均で約3000台だった。CX-5は約2300台だからCX-3が上まわったが、2016年に入ると、設計の古いCX-5を下まわるようになった。
CX-3の売れ行きが伸び悩んだ理由は、割高な価格設定だ。発売当初のCX-3は1.5Lクリーンディーゼルターボのみを搭載したが、価格は当時販売されていた先代CX-5の2.2Lクリーンディーゼルターボと比べて、30万円少々しか安くない。排気量の違いも踏まえると、実質的な価格差は20万円程度だった。
しかもCX-5は新型のCX-3に比べて値引きが多かったから、購入時の出費にはほとんど差が付かなくなってしまう。後席と荷室はCX-5が圧倒的に広く、動力性能も高いため、車内と荷室が狭くエンジン排気量の小さなCX-3は明らかに割高だった。
このあと、CX-3は2Lのガソリンエンジンを割安な価格で投入したが、遅きに失した印象が強く、今の1カ月の登録台数は1000台前後だ。CX-5は新型になったとはいえ、3000台前後を登録しているから、CX-3はコンパクトSUVの割に販売が低迷している。
■販売力がもう少し欲しい|三菱 エクリプスクロス
価格帯:253万9080~340万3080円。1.5Lガソリンターボ(FF/4WD)、2.2Lディーゼルターボ(4WD)
エクリプスクロスは2018年に発売され、2019年1~6月の登録台数は、1カ月平均で約770台であった。共通のプラットフォームを使うアウトランダーが1カ月平均で620台、RVRも84台登録されており、売れ行きがSUV同士で分散された事情もある。
また三菱の店舗数は今では600箇所弱まで減っており、スバルの次に少ない。トヨタの4900店舗に比べると12%だ。エクリプスクロスの商品力は相応に高いが、販売ネットワークが乏しいこともあって売れ行きも伸び悩んでいる。
今はSUVが人気のカテゴリーになっているので、三菱はもう少しSUVメーカーとしてのイメージアップを図りたい。そうすればデリカD:5なども含めて、三菱車全般の売れ行きが好転するだろう。
■スポーツカーの典型的な例|トヨタ 86
価格帯:262万3320~496万8000円。2L自然吸気(FR)
昔からスポーツカーは、人気動向が熱しやすく冷めやすかった。クルマ好きが購入するカテゴリーの代表だから「欲しい!」と思えば即座に買う。売れ行きが一気に伸びて、その後は大幅に下がるのだ。
この傾向は前述のC-HRにも見られるが、スポーツカーはさらにハッキリしている。
最近はスポーツカーの車種数が減ったが、例えば86は、2012年に発売された直後の半年間ほどは、1カ月に3000台前後を登録していた。当時のヴェルファイアなどと同等だ。
2012年頃は、スポーツカーの市場はすでに縮小してされ、3代目の先代ロードスターは1カ月平均の登録台数が70~100台だった。これに比べると86の売れ行きは驚異的であった。
姉妹車のBRZは500台前後だから86の17%だったが、一概に低調ともいえない。86はトヨタ系販売店の全店が扱うから、全国の販売網は4900店舗に達したが、スバルは全国で500店舗以下だ。販売網は10%だから、登録台数が86の17%なら、1店舗当たりの平均登録台数はBRZのほうが多かった。
86の売れ行きは、熱しやすく冷めやすいスポーツカーの典型で、2013年には800~1000台前後に下がった。BRZは300台前後だから、依然として1店舗当たりの登録台数は86を上まわった。
そして2019年の86は400~500台、BRZは100~150台だ。登録台数は少ないが、下げ止まりの状態になり、発売から7年以上を経過しながら堅実に売れている。
トヨタの販売店では「発売当初に比べると新規のお客様は減ったが、86を何台も乗り替える方が多い」という。こういったユーザーは点検も確実に行ってパーツを装着することも多いため、登録台数が減っても販売店のメリットは多い。86はまだスポーツカーとしては成功した部類に入るだろう。
【画像ギャラリー】最近冴えないクルマたちの詳細写真
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?