毎年恒例、国産登録車と軽自動車の総合順位を今年もご紹介! フルモデルチェンジ車は新規で合計台数を計算するため、ノートなど販売台数が大きいクルマが年末発売のため下位に沈むなどの特徴があるので、それを念頭に見てほしい。
コロナ禍による購買層の動きが見て取れる結果となった。
ノート? ヤリス?? フィット!? 人気コンパクト3強 HVのベストグレード&最も買い得な1台は?
自動車評論家 渡辺陽一郎氏による「販売トップ10かつ前年比アップ車は、やはりいいクルマか?」についての考察も掲載!
※本稿は2021年2月のものです。ランキングは日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会の発表データを元に作成
文/渡辺陽一郎、ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年3月10日号
【画像ギャラリー】1位~15位+注目モデルの画像、1位~45位までの登録車+軽 販売台数リストをギャラリーでチェック!
■不景気でも堅調に売れたSUV。ライズの健闘が光る!
新型コロナウイルスの影響により、全メーカーが前年から販売台数を落とす苦しい1年となった。
去年2位だったホンダが前年から10万台販売台数を減らし、代わりにスズキが2位に躍り出た。
2020年国内メーカー年間販売台数
トヨタは販売台数減少を前年比から6%に抑える圧巻の販売力。2020年も新型車を数多く投入した効果か。
総合ランキングに目を通すと、低価格なクルマの販売台数が落ちていることに気がつく。
2020年国産登録車&軽 販売台数ランキング(16位以下はギャラリーにて)
N-BOX、スペーシア、タントは揃って大きく落としたほか、ルーミーはタンクと統合したにもかかわらず前年比割れ。
1位は4年連続N-BOX!
フリードにシエンタ、ワゴンR、ミライース、ムーヴキャンバスも厳しかった。コロナ禍が、この辺の安価なクルマを求める家庭の家計に影響したと思われる。
そんななか、台風の目となったのは国産登録車で1位となったライズ。
トヨタ ライズ
ロッキーと合計すると16万台近い大ヒット車となった。このサイズのSUVで競合はジムニーシエラしかなく、他社が追随するのか注目だ。
マツダ、スバルは苦しい1年となった。
両社ともハリアー&RAV4の影響か、主力のSUVの売り上げを落としている。コストパフォーマンスも意識したSUVのラインナップが必要か。
45位のフォレスターが最高位となった2020年のスバル。ムムッ。なお写真のレヴォーグは11月の登場。6196台で83位にランクインしている
ほか、マツダはライズの対抗として安価なCX-3の後継車種があると消費者の心を掴めそう。両社の2021年の動きに注目だ。
■2020年登録車 販売トップ10かつ前年比アップ車は、やはりいいクルマか?
販売トップ10のうち、前年比アップを達成したのは3台。ヤリスとフィットを加えると5台がアップしたといえる。これらはいいクルマなのか、渡辺陽一郎氏が分析する。
2020年登録車販売台数トップ10
* * *
登録台数の多い車種は、たくさんの人たちが買っているので、基本的に優れた商品だ。販売の上位10車を見ると、大半の車種は5ナンバーサイズのグレードを用意する。
運転のしやすさに加えて、内外装のデザイン、車内の広さ、荷室の機能まで、さまざまな部分を日本の顧客に合わせて造り込んだ結果、好調に売れた。
アルファードは3ナンバー車だが、車内は広く豪華で、外観の存在感も強い。人気車になって前年の1.3倍売れた。
トヨタ ライズ
ところがアルファードの姉妹車になるヴェルファイアは、登録台数がアルファードの20%以下だ。
2020年5月からトヨタの全車をすべての販売店で買えるようになり、人気車は販売網が広がって売れゆきを伸ばす一方、不人気車は大幅に下がる二極分化となった。
トヨタ カローラツーリング
アルファードが存在しなければ、ヴェルファイアが好調に売れた。しかし中身が同じで顔の違う2車種をすべての店舗で扱うと、些細な違いを分岐点として、片方だけが好調に売れてもう一方は落ち込む。
同様の理由で、ルーミーの姉妹車になるタンクは、既に廃止されている。トヨタの販売体制の変更では、姉妹車が売り方次第で残酷な結果になることがわかった。
シエンタやセレナは前年に比べて売れゆきを下げたが、それは販売の最盛期を過ぎたからだ。商品力は今でも充分に高い。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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