■「ラッピング」と「塗装」どう違うの?
クルマのイメージチェンジを目的として、「ラッピング」を施すユーザーも多くなっています。
元のボディカラーを保護しながらも、思い切った色変えをすることができるところが魅力だといいますが、ラッピングのメリット・デメリットとはどのようなものなのでしょうか。
スバル「レヴォーグ」をラッピングした筆者(雪岡直樹)を例に、詳しく説明したいと思います。
【画像】「塗装」じゃないの!? 4種のフィルムで「ラッピング」した筆者のクルマを見る(48枚)
「チューニングカー」や「カスタムカー」にはクルマをカッコ良く見せる様々な工夫が施されており、エアロパーツを付けたり、車高を変えてみたたりタイヤホイールを変更してみたりと、数多くの手法があります。そんなカスタマイズの中の一つがボディカラーの変更するです。
「レーシングカー」もシーズンごとにカラーを変えて参戦しています。スポンサーなどの兼ね合いもありますが、基本となるカラーを使いながら毎年少しずつ変化をつけてファンを楽しませてくれます。
そんなチューニングカーやレーシングカーのカラーチェンジは、昔は「塗装」でしたが、現代ではほとんどがラッピングです。
そしてここ最近では、「お気に入りのクルマのカラーはもちろん大好きだけど、ちょっと色を変えてみたい」というカスタムが高級車やスーパーカーなどで流行っており、そこでもラッピングが主流になっているのです。
純粋に元のカラーやボディを保護したいのであれば、「プロテクションフィルム」というものが存在します。
スポーツカーなどのリアフェンダーの一部に、巻き上げた小石が当たってキズが付くのを防ぐために装着され始めたのが、一般的に目にするようになったプロテクションフィルムの始まりではないでしょうか。
現在はプロテクションフィルムも進化しており、ボディの一部分の保護というものからフルボディで全身をキズから保護してくれるものまで存在。フィルムを貼っているのがまったく分からないほど透明度も高く、フィルムも厚みがありキズ付きにくくなっています。
一方のラッピングにはプロテクション機能が無いとは言い切れませんが、純粋に色を変えて楽しむためのカスタムです。
その種類には、ボディ全体に施す「フルラッピング」と、ルーフやボンネット、ミラーやスポイラーなどのパーツに施す「部分ラッピング」があります。
施工ショップも以前に比べれば格段に多くなり、ラッピングフィルムも種類とカラーが増えています。価格はピンキリで、選ぶフィルムの単価が違うのと、どこまで細かく丁寧に貼っていくのかなどの、施工に対する技術料がショップによって違うことから、価格は一概にいくらとは言えません。
筆者のレヴォーグは、基本となるボディに使った「サテンダーク」という半艶のフィルム、ルーフやエアロパーツに施工した「カーボン調」、メッキ部分を隠すために使った「ブラック」、エンブレムやテールライトのウインカーとバックランプを少しダークな感じにする「スモーク」の、4つのフィルムを使っているので少々お値段はかかってしまいましたが、この世で1台だけというオリジナルレヴォーグが完成した喜びはお値段以上、プライスレスです。
ラッピングをおこなったことで得られるメリットを述べるならば、「自分だけのオリジナルのクルマを作り上げられる」の一言に尽きます。
「オールペン」でも同じことは可能に思えますが、オールペンでは最初に施されている塗装を剥がしたり、下準備の足つけ作業をおこなうため、元には戻せないというデメリットがあります。
しかし、ラッピングならば元の塗装を剥がすことなく、その上から貼っていくので塗装にダメージを与えません。ラッピングを剥がせば元のボディカラーに戻せるというのが最大のメリットでしょう。
また、塗装では表現するのが難しい「半艶」という光沢感も施工できます。塗装で半艶を表現するにはそれなりの技術と塗料が必要になるので、ラッピングは色に加えて艶の種類も選べるという魅力があります。
さらに、部分的に色味や素材を変えることで、よりオリジナリティの高いボディメイクも可能。オーナーがどのようなデザインにしたいのかを選ぶ楽しみもあるでしょう。
■ラッピングの「デメリット」とは?
一方で、ラッピングにはデメリットもあります。
フィルムには糊が付いていて、それを圧着させることでボディに貼っていきます。この糊が劣化するため、一般的にラッピングの寿命は3から5年と言われています。
そしてこれは、剥がすことを考えての寿命です。長年貼ったままにしておくと糊の劣化は進んでいき、フィルムを剥がすときにボディの塗装も一緒に剥がしてしまうリスクが生じるので、それもあって3から5年で剥がすのが良いと言われているのです。
また、炎天下などで紫外線を多く浴びるとフィルムも糊も劣化が加速していくので、ラッピングしたクルマの保管は屋内保管した方が安心です。
フィルムを貼ったら3年程度で剥がすということを、事前に想定しておいた方が良いでしょう。
そして剥がすにもちろん技術が必要で、適当にベリベリ剥がすとボディを傷めてしまうこともあります。剥がす際も、専用のショップにお願いしたほうが無難でしょう。
そのほか、ラッピングしたクルマの洗車は、基本的に手洗いに限られます。
丁寧に仕上げたラッピングならば、フィルムの端っこも丁寧に織り込まれて簡単には剥がれないでしょうが、それでも洗車機は強烈な力とブラシでボディ表面を擦るため、基本的には避けたいところです。
自分は時間的な余裕が無いときは止むを得ず洗車機を使用するときもありますが、それは万が一の際は自己責任で構わないと思っているからです。
また、半艶のラッピングは、洗車機でゴシゴシと磨かれることで艶が出てしまい、本来の艶感が薄れてしまいます。もちろんワックスを塗ることなども厳禁です。
さらに、高圧洗浄機を使用すると高圧の水がピンポイントに当たることで、施工したフィルムの端から剥がれるリスクもあります。気をつけて洗浄するか、高圧洗浄機は使わない方が良いかもしれません。
ラッピングは、キズが付いた場合にも修復が難しいこともあります。
自分は不幸なことに左前のフェンダーを薄く壁に擦ってしまいました。またあるときは後方から軽く追突されてしまい、見た目にはほとんどわかりませんが、光を入れると相手車両のボディの形に傷が入っているのが認識できます。
運転席や助手席の乗り降りでステップに足を当ててしまう「擦りキズ」や、バンパーにあたった小石による「穴」など、キズやシミはどんなに気をつけていても付いてしまうものです。
それが塗装ならば、コンパウンドで磨くと消えるものも多いのですが、ラッピングではコンパウンドも厳禁です。
もちろん部分的にフォルムを貼り替えることはできますので、可能ならば貼り替えたほうが良いのでしょうが、前述のように年数が経ってしまうと剥がす際のリスクもあります。
また、ラッピング自体の経年劣化などで色褪せしている場合だと、同じフィルムを新たに貼ったとしても他の部分と同じ色になるかは不明です。
そのほか、事故に遭った時には、保険会社の担当者にラッピングに関する知識が不足していたのか、保険適合にラッピングという項目がなかったのか、値段算出に多くの時間と苦労を要したこともありました。
※ ※ ※
自分のレヴォーグは、ドアを開けると元のボディカラーである「赤」が見えます。初めて見た人に驚かれます。
しかし、ドアを閉めていれば気づかれません。細かい隙間にもラッピングを施工してくれたショップには感謝しています。そういう気遣いができるショップは仕事も丁寧です。
おかげでラッピング同士の繋ぎ目はほぼ見えません。極々一部の立体的すぎて分割した方が貼りやすい箇所に限っては、ナイフレステープの跡と繋ぎ目がありますが、全く気にならないレベルです。
一見デメリットの方が多く見えてしまいますが、それをも全て上回るオリジナル車両に乗る喜びと楽しさの方が、圧倒的に勝っています。
ラッピングに興味持った人は、いきなりフルラッピングに挑戦すると値段も張ってしまうので、まずは部分ラッピングなどから始めてみるのも良いかもしれません。
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