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トヨタの新型「プリウス」は誰向けのクルマ? デザインは絶賛の嵐! 「虜にする走り」は仕様で違うのか

掲載 更新 18
トヨタの新型「プリウス」は誰向けのクルマ? デザインは絶賛の嵐! 「虜にする走り」は仕様で違うのか

■全てが変わった新型プリウスは誰向けのクルマなのか?

 5代目となったトヨタ新型「プリウス」は、その個性的なデザインが世界中で評価されているといいます。
 
 では、クルマの性能面をメインに試乗するとハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)にはどのような違いがあるのでしょうか。

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 2022年11月16日に世界初公開された新型プリウスは、1997年に登場した初代モデルから圧倒的な燃費性能を備えた「新世代のエコカー」としてハイブリッド車の普及をけん引し続けてきた存在です。

 しかし、現在ではプリウスの特徴でもあったエコカー(環境性能の高さ)はどのクルマも目指しており、ハイブリッド車の存在が珍しいものから当たり前の存在に変化しているといえます。

 そうしたなかで新型プリウスの企画時に「プリウスを、タクシー専用車にしてはどうか」、「OEM車として、他メーカーからも販売してはどうか」という提案があったといいます。

 これは、走行距離の長いクルマとして台数を増やしてこそ、環境貢献につながるという発想に加えて、長年培ってきたプリウスの環境技術をトヨタだけに留まらず、メーカーの枠を超えて普及させることでカーボンニュートラル社会に貢献するというアイデアでした。

 しかし結果として、開発チームはプリウスのあり方をゼロから考え直し、「Hybrid Reborn」というコンセプトに、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を併せ持ったエモーショナルなプリウスへと進化させることを選んだのです。

 そうして新型プリウスでは、第2世代TNGAプラットフォームによる低重心化などにより、シンプルでありながら抑揚のあるボディ造形を表現したことで、多くのユーザーの心を掴んだことでまさに「一目惚れするデザイン」としました。

 またパワートレインは、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車をラインナップ。

 ハイブリッド車は、最新の「第5世代ハイブリッドシステム」を搭載する1.8リッターと2リッターを用意し1.8リッター仕様は、全ての電動モジュールを刷新したことで32.6km/L達成しています。

「虜にさせる走り」部分では性能以外に機能面でも意識されています。

 例えば、新型プリウスでは「オルガン式ペダル」を採用しており、これはペダルの下部が床面に設置した形で固定され、足で踏むとペダルが後ろに倒れる形で動作するもので、アクセル操作の負担軽減や、わずかな踏力でのコントロールのしやすさに寄与しています。

 また運転時の視界において、歴代プリウスで採用していたセンターメーターはダッシュボード全体が盛り上がっていることにより、視認性に影響していました。

 新型プリウスではトヨタ「bZ4X」に採用された「トップマウントメーター」が採用されたうえ、bZ4Xよりも視認性が良くなった印象を受けます。

 このようにパワートレインやシャシといった運動性能にかかわる機構以外でも「虜にさせる走り」の仕掛けが存在しています。

 そんな新型プリウスですが、それぞれのグレードや仕様でどんなユーザーをターゲットにしているのでしょうか。

 開発責任者の大矢賢樹氏は次のように話しています。

「ハイブリッド車の1.8リッターは法人のお客さま以外に経済性を求められるお客さまをターゲットとしています。

 一方で2リッターハイブリッド車は、パフォーマンス性や質感といった部分を特徴としており、クラウンなどの上級セダンやアルファードなどのミニバンからのダウンサイザーをターゲットにしています。

 そしてプラグインハイブリッド車は、さらなるパフォーマンスを求めるお客さまや、従来比50%以上となったEV航続距離など日常での使い方を意識する人などがターゲットです」

※ ※ ※

 では、運動性能においてはどのような特徴があるのでしょうか。

 2022年12月某日に、起伏が激しいうえにタイトなコーナーが特徴となる富士スピードウェイのショートコースで1.8リッター/2リッターハイブリッド車(プロトタイプ)を試乗しています。

 その際の印象は、1.8リッターではFF仕様がキビキビと軽やかに走るのに対して、4WD(E-Four)仕様は四輪をしっかりと適宜駆動させて走る印象を受けました。

 2リッターのFF仕様では、1.8リッターと200ccしか違わないのにまったく別のクルマといえるほどの加速感を感じたうえ、エンジン始動時の音が心地よく車内に入ってくるという1.8リッター車にはないギミックもあり、運転する楽しさを味わえたのです。

 そして大本命といえる2リッターの4WD(E-Four)仕様では、高出力モーターを搭載することで、ハンドル操作に応じてクルマが意のままに動く感覚や、タイトな上りコーナーでも踏めば踏むほど前に進む感覚が味わえました。

 とにかく、これまでのハイブリッド車やスポーツカーとはまた異なる次元の魅力を持ったクルマというのが最初の印象だったといえます。

■そしてハイブリッド車の公道試乗…さらにプラグインハイブリッド車は…ヤバい?

 そして、2023年1月某日にはハイブリッド車の公道試乗とプラグインハイブリッド車のサーキット試乗がおこなわれました。

 ハイブリッド車は前述のタイトコーナーのサーキットから日常使いの街中に場面が変わります。

 ほかのクルマと混じって法定速度で走行する分には基本的にEV走行がメインとなり、バッテリー残量やアクセルの踏込み具合に応じてエンジンが始動するという構図は従来のハイブリッド車と変わりはありません。

 しかし、EV走行からエンジン走行に変わる実速度域などは高まっており、従来であればエンジンが始動する領域でもEV走行が出来る部分は魅力です。

 またハイブリッドの制御も進化しており、普通に運転している限りエンジン始動の切り替えはほぼわからないといえます。

 前述のトップマウントメーターは、公道で運転している分では余計な邪魔にならないほか、ナビゲーションと連動して表示する仕組みになっています。

 これは現在主流のヘッドアップディスプレイよりも視認性が良く目線移動も少ないため、運転時の負荷軽減に繋がるかもしれません。

 また新型プリウスでは、アクセルやブレーキにも改良が加えられており、先代モデルよりも同じ踏込み量において発進時の加速度やエンジン音のチューニングにより加速感が大きく高まっています。

 ブレーキでは、先代モデルに蓄圧タイプのものを採用していましたが、新型プリウスではオンデマンドポンプ加圧タイプを採用したことで、ブレーキを踏んだときの「カックン」という動きがほぼ抑えられ、滑らかな制動となり、意のままのブレーキングが可能となりました。

 そのほか、運転支援では「プロアクティブドライビングアシスト」が進化している点が挙げられます。

 これまでレクサス「NX」やトヨタ「ノア/ヴォクシー」などで採用されてきたこの機能ですが、新型プリウスでは右左折時にアクセスOFFやウインカー操作に連動して減速を支援することや、ドライバーの操作を先読みしてステアリング操作をサポートするなど、さらに街中での運転が楽になった印象を受けました。

 そして今度は袖ヶ浦フォレストレースウェイにてプラグインハイブリッド車(プロトタイプ)の試乗です。

 1周目はEVモードです。

 先代プリウスPHEVから大幅に進化した加速性能により、ゼロ発進時やタイトコーナーから一気にアクセルを踏み込むという場面でも力強いモーターの加速感を味わえます。

 またそれでいてEV航続距離は先代プリウスPHEVに比べ50%以上となり、日常生活の大部分をEV走行だけでカバーできるようにバッテリー性能が向上しました。

 そして2周目はHVモードです。

 HVモードでは、高効率のダイナミックフォースエンジンと高出力の駆動用リチウムイオンバッテリーの組み合わせで最高システム出力223馬力を発揮し、0-100km/h加速で6.7秒をマークするといいます。

 実際にHVモードに切り替えてアクセルを踏込みと、2リッターハイブリッド車や先程のEVモードとは異なる加速感を味わえ、思わず「これは本当にプリウス?」「ハイパーカーに乗っているのでは?」と考えてしまうほどです。

 それでいて、前述の意のままに操れるブレーキによりコーナリングもスムーズにクリアでき、「もっと攻めたい」という気持ちにさせれくれます。

 この気持ちの良い走りについて、新型プリウスの開発陣は次のように話しています。

「新型プリウスのPHEVでは、従来ラゲージ部にあった電池パックをリアシート下部に搭載することで低重心化を図っています。

 さらに第二世代となったTNGAではコーナー進入時にステアリングの操作開始直後のボディ変形をシュミレーションしてフロント横曲げしていることが分かり、フロント周りを見直しました。

 これによりフロント横曲げ剛性を最大15%向上させたことで、意のままに操れるステアリングを実現しました」

 また、プラグインハイブリッド車のさらなる特徴としては、3段階の調整出来る機能として「回生ブースト」が備わっています。

 これは道路状況に応じて回ブレーキの強さを「Dレンジ → 弱回生 → 中回生 → 強回生」で選択出来るものとなり、開発者によれば「運転状況や道路環境に応じてイージーな運転が可能」だといいます。

 実際に回生ブーストを体感すると、3段階の選択によって効きの異なる減速感か体感でき、スポーティな走行などでは強回生がベストな印象を受けました。

 しかし、この回生ブーストの選択はステアリングスイッチからいくつかの階層を経て選択出来るという分かりづらさや、走行中には3段階を変更出来ないなどの不便さもあります。

 このあたりはせっかく「イージーな運転」と謳うのであれば、今後ステアリング周辺のスイッチのみで変更出来る操作性に改良する余地があるといえます。

 実際に開発者も「回生ブーストの操作性に関して言われることは想定していました。今後、検討していきます」と回答していたことから、今後に期待です。

※ ※ ※

 このように新型プリウスでは、さまざまな要素により「虜にさせる走り」を実現しています。

 すでにハイブリッド車は2023年1月10日に発売されており、店舗で試乗したユーザーも見受けられ、「走りに感動」、「思ったよりパワーある、ハンドルは軽くてよく曲がる」と満足する様子が伺えます。

 またプラグインハイブリッド車は2023年3月の発売が予定されており、発売後にはハイブリッド車同様にさまざまな反響が寄せられそうです。

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みんなのコメント

18件
  • スタイルがチョットねぇー!
    スタイルはいいよ、だがもう歳も歳だしもう少し控えめの奴でいいよ。
    それに、この前乗り替え検討で展示車に乗り込もうとしたら頭をルーフにぶつけたよ。体が硬くなったせいもあるが年寄りにはキツイな。
  • クラウンもそうだけど、明らかに中国向けだよね
    日本で売れなくても中国で10倍売れれば問題ない
    日本人はうるさい上にカネがない
    中国はちょっとケバくすればすぐ売れる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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