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新型ステップワゴンも四角く原点回帰! 四角くてヒットしたモデルと、四角くなって失敗したモデル5選

掲載 更新 21
新型ステップワゴンも四角く原点回帰! 四角くてヒットしたモデルと、四角くなって失敗したモデル5選

 古典的なクルマ好きの間では、新型ステップワゴンのデザインの評判がすこぶるイイ。超獣顔のヴォクシーとは正反対のシンプルな家電のようなたたずまいに、心が洗われるようだ。まさに箱型への原点回帰。

 まだ発売前ゆえ、ヒットするかどうかは未知数ながら、ヴォクシーに負けない売れ行きを見せてもらいたいと、心の中で祈っている。

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 もちろん、ミニバンは基本的にすべて箱型。ヴォクシーだって顔の造作を除けばまったくの箱型だが、ここで言う箱型は、「細部をあまりいじくっていない、シンプルな箱型」と考えていただきたい。

 それを前提に、箱型になってヒットしたクルマたちと、逆に箱型にしたことで失速したクルマたちを回顧してみよう。ちなみに今回は、前型車のないまったくの新型は選考から除外したので念のため。

文/清水草一
写真/HONDA、SUZUKI、TOYOTA、DAIHATSU、ベストカー編集部

■ヒットしたクルマ その1「日産 2代目キューブ」

日産 2代目キューブ。キューブ(立方体)の名に恥じない四角っぷりだった

 初代キューブは、キュービック(立方体)から名付けられた四角いクルマだったが、その形は、四角いクルマ全盛のいま振り返ると、シンプルな四角とは言えない、かなり歪んだ四角だった。

 ボディ側面の丸みはかなり強かったし、ウエストラインもルーフラインも後ろ上がりのウェッジシェイプで、全体にバランスが悪くて安っぽかった。それが月間販売台数1位になるほどのヒットを記録したのは、安さとスペースユーティリティの高さが主な要因である。

 続く2代目こそが、デザイン的な大傑作。「キューブ」の名に恥じない、美しい立方体だった。真四角なんだけど角Rは丸みを帯び、どこか摩耗したサイコロのようで、見る者をホッとさせてくれた。

 販売台数では初代には及ばなかったが、十分なヒット作だったし、なによりもデザイン的な評価の高さは初代とは異次元。国内専用モデルだったが、その新鮮な四角いカタチは海外でも評価され、「キア・ソウル」のようなフォロワーも生んだ。

■ヒットしたクルマ その2「スズキ スペーシア」

スズキ スペーシア。断面がやや台形で室内が狭く見えた前型にあたるパレットから、断面をより真四角に近づけて広さを強調した

 前型にあたる「パレット」は、前から見ると断面がやや台形。見た目の安定感はあったけれど、どこか痩せたようなイメージで、室内が狭く見えるという欠点があった。見た目の広さ感ではタントにまったくかなわず、スズキにとって痛い敗北になった。

 そこで後継モデルは、車名からして広そうな「スペーシア」に改め、断面をより真四角に近づけて、広さ感を充実させた。狙いは当たってスペーシアの売れ行きはぐんぐん伸び、タントを上回るに至った。四角の勝利である。

 それでもN-BOXにまるで敵わないのは、スペーシアは四角の角がかなり丸められていて、真四角さではN-BOXに負けているからだろうか? どうなのでしょう。

■ヒットしたクルマ その3「スズキ ジムニー」

スズキ ジムニー。歴代ジムニーの中で一番四角い現行モデル。このシンプルなデザインが現在の生産が追いつかないほどの人気につながった

 4代のジムニーのなかで、現行モデルは最もシンプルな四角いフォルムを持つ。フォルムのシンプルさは衝撃的なレベルで、見た瞬間に多くの人々を虜にしてしまった。

 日本のみならず、海外でも大ヒットとなり、これまでのジムニーの枠を超え、よりスタンダードな人気を得ている。その要因は、なんといってもデザインにある。極限までシンプルな箱型の勝利である。

 より四角くなって成功したモデルの代表は、これら3つだが、一方では、より四角くなったのに失敗したモデルもある。四角くすればいいというものじゃないことを理解するためにも、失敗例を見てみよう。

■失速してしまったクルマ その1「トヨタ カローラルミオン」

トヨタ カローラルミオン。登場は2007年で、この頃はまだ5ナンバーサイズを好むユーザーが多く、3ナンバーサイズのカローラルミオンは今ひとつ伸びなかった

 ルミオンは、カローラスパシオとカローラランクスの後継モデルとして登場した。ベースは北米向けのサイオンxBで、スパシオやランクスとは関係ないと言えばないが、後継モデルとして見ると、明らかに丸から四角への変身だった。

 CMキャッチフレーズも、「ゴツンとルミオン」だったくらいで、初代bBに似たフォルムを持っていた。

 が、このルミオン、まったく売れなかった。トヨタとしては、ユーザーの高齢化が激しいカローラシリーズの若返りを図るべく、若者ウケした初代bBの再来を狙ったのだが、完全な不発に終わった。

 最大の敗因は、北米向けのサイオンxBがベースだったため、全幅が1760mmの3ナンバーサイズになった点にある。ルミオンが登場した2007年当時は、まだ国内では5ナンバー枠の壁はそれなりに高かったのだ。

■失速してしまったクルマ その2「ダイハツ ミラトコット」

ダイハツ ミラトコット。シンプルさを追求するあまり『単純』さが目立ってしまったか?

 前型はミラココアの名前で売られており、いかにも女性向けの、ぬいぐるみ系デザインだったが、ジェンダー問題やアオリ運転の影響もあってか、女性の嗜好が大きく変化。従来的なカワイイデザインを好むユーザーは、減少の一途をたどっている。

 そこでダイハツは、ミラココアの後継モデルを、思い切って四角くっぽく変えた。ついでに車名も変えて「ミラトコット」としたのである。その狙いは、素材感の高いユニセックスなデザインにあった。カワイイから自然体への変化だ。

 確かにトコットは、洗いざらしの木綿のワンピースのようなデザインで、非常にシンプルだが、そのシンプルさはどちらかというと「単純」に近いもので、豊かさを感じさせてくれなかった。

 四角いデザインと言っても、種類は無限大。ただ四角ければいいというものじゃないんですね。自動車デザイナーの皆様、本当にお疲れ様です! これからも頑張ってください!

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みんなのコメント

21件
  • ラシーンや初期のラフェスタあたりまでは良かった日産…
  • 二代目キューブの角張ったデザインは好きでした、マイナーを重ねて角が取れてからは興味がなくなりました、キューブハイウェイスター4wd乗ってました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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