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伝統工芸の技が実現した「動く茶室」ジムニー

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伝統工芸の技が実現した「動く茶室」ジムニー

日本が世界に誇るオフローダーであるジムニー。世界中で様々なカスタムが行われている人気モデルをクルマ好きとして知られる小山薫堂氏がプロデュースし、特別仕様の1台が完成した。制作したのは伝統工芸を用いて誂えの文化を再興するキワコト。驚くような仕様には、作り手のどんな思いが込められているのだろうか。

小山薫堂氏がオーダーした異色のジムニー

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その昔の道具というものはたいてい、愛用する個人に適したサイズやデザイン、装飾を考えて作られたものだった。「出来合い」に対する「誂え」、カスタム・メードだ。今でも、その道具を使う個人のライフスタイルやプロフェッショナル度に応じて誂え品を使う文化は残っているけれども、昔ほどではなくなりつつある。

京都は河原町二条に本店を構えるKiwakoto(キワコト)は、古の京の都で皇族や貴族たちが重用した職人技を生かし、「お誂え文化の復刻」を通して、真にラグジュアリィなカーライフの実現を目指す、今、注目のブランドだ。カー用品に限ることなく、「既製品にはない、本当に欲しいものを作り出す」という誂えの文化を再興させることによって、今となっては「伝統工芸」となったクラフツマンシップの数々を今一度世界へひろめ、未来へと繋げていこうという取り組みでもある。

そんなKiwakotoが2月の京都につづき、この4月に東京でも、実際にオーダーを受けて製作した「お誂え品」の数々を展示し、同時に新たなオーダーも受けるという披露会を行った。会場となった青山の草月プラザには、坂本龍一さんの旅行用煎茶道具セットや、片岡千之助さんの岡持ち、庄司夏子さんのケーキボックスなど、個人の思いが凝縮された逸品が展示された。展示品の製作に関わった職人は、個人・団体合わせて18組を数える。

展示会最大のトピックは、東京は初披露となった小山薫堂さんオーダーによる「動く茶室」ジムニーだ。

京都で乗ることをイメージして茶室仕様

「今もし車を買うんだったらジムニーだよね、って話から盛り上がったんですよ。京都で乗るには便利そうだし。実は北海道の十勝でハイエースのキャンピングカーを貸し出す事業をやっていまして。車を改装するってことを色々と考えてはいたんです。じゃ、京都らしくジムニーを改装することはできないかな、と思った結果、生まれたのが“動く茶室”でした」

コンセプトは「喫茶去」だ。“まぁ、お茶でも召し上がれ”というくらいの意味の禅語である。ジムニーの荷台に組み込まれた茶室には、上下に動く障子や天井の西陣織、京北杉の棚、和紙の畳、漆コーティングの金具などが配され、シフトノブは高蒔絵をまとうなど、京都の職人技が至る所に使われた。

「当初は中に乗り込んでお茶をいただこうと思っていたのですが、いざ入ろうと思うと意外に狭いんですよね(笑)。そこで今のようなスタイルに変更しました」。

荷台の床、両脇に配された棚、リアドア内側の床の間スタイルの棚、そして荷台に収納可能なテーブルと椅子といった木工パートはすべて京北杉で指物師の兵働知也氏が手掛けたものだ。

忘れられつつある顧客と職人の接点

「大原の朝市によく行くんですが、そこで何か食べ物を仕入れて近くでいただきながら喫茶してみたいし、琵琶湖のキャンプ場なんかに乗って行っても楽しいんじゃないかな。あと、そうそう、清滝が好きなんですけど、5月の下旬から6月の上旬にかけて蛍が舞うんですよ。夕方に清滝まで出向いてお茶しながら夜まで待って蛍を見て帰ってくるなんてのもいいですね」

今の時代、いつでもどこでもどこからでも何でも簡単に買える時代になった。だからこそ、逆に時間をかけて物を買うという行為がすごく尊いと薫堂さん。「Kiwakotoの取り組みなら、自分一人で選んだり決めたりすることが難しいことでも、職人たちのアドバイスを直に聞きながら作っていける。顧客と職人との接点があるんです。そこがすごく魅力的だと思います」。

ドライブした先で本格的な野点を楽しむ。伝統工芸とカーライフの新たな融合の一例だ。真似をする必要はない。貴方ならどんな価値を生み出したいか。そこを考えるのがカスタム・メードの醍醐味というものだろう。車の世界に限らず、時代は確実にビスポークへと向いていると思う。

文・西川 淳 写真・柳田由人 編集・iconic

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みんなのコメント

3件
  • ほんとに伝統工芸?
    引き出しの面が合ってなかったり、黒く隙間が空いてるように見えるのだが
  • なんか「狙ってる」感出過ぎて微妙過ぎ。
    ガタピシ揺れまくるジムニーに茶器載せて運ぶのなんて非現実的に過ぎる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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