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東扇島「放置バス」ついに撤去! 落書き&破壊の状態から1年2か月越しの対応!? 行政代執行の様子とは

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東扇島「放置バス」ついに撤去! 落書き&破壊の状態から1年2か月越しの対応!? 行政代執行の様子とは

■公園駐車場に約1年放置された大型バスがついに行政代執行へ

 川崎市港湾局川崎港管理センターは、2021年5月から東扇島東公園駐車場に放置されていた大型バスに関して、行政代執行を実施して撤去することを2022年7月15日に発表しています。
 
 そして、同月22日に大型バスが撤去されましたが、この行政代執行はどのようにしておこなわれたのでしょうか。

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 神奈川県川崎市川崎区にある東扇島東公園の駐車場では、長らく大型バスの放置車両が問題となっていました。

 最初に問題が発覚したのは、2021年5月24日のこと。公園管理事務所の管理人から、「駐車場において動きのない大型バスがある」という報告によるものです。

 数々のメディアで報道され、SNSでも拡散された放置バスは1年2か月経った現在、川崎市による行政代執行で、ようやく放置バスが撤去されました。

 東扇島東公園は国土交通省が広域防災拠点として整備し、川崎市港湾局が管理している広大な公園です。

 首都高速湾岸線の川崎港海底トンネルを覆う場所に位置しており、広大な公園には全長180mの潮干狩りもできる人工海浜や常設野外炉10区画+コンロ持込用20区画のバーベキュー場、「わんわん広場」と名付けられたドッグラン施設、9000平米のグラウンド2面を持つ多目的広場などが備わっています。

 オープンしたのは2008年4月。海と空と緑を満喫でき、飛行機や大型船舶などを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせる場所として人気の場所になっています。

 この東公園には24時間利用ができる公営の駐車場もあり、3時間未満200円、8時間以上800円という格安料金で利用ができ、大型バスが放置されていたのはこの東公園駐車場です。

 2022年4月。撤去前に現地へ行ってみたところ、バスは駐車場に設置された巨大な照明設備の真下に乗用車5-6台分のスペースを使って停められており、想像以上に「荒れて」いました。

 カラーコーンで囲まれたバスのボディにはたくさんの落書きがあり、バンパーの一部が壊されており、フロントガラスをはじめ運転席側の窓ガラス、座席部分のガラスが何か所も割られていて、割れたガラスの破片がクルマの室内と外にも散乱していました。(随時、公園管理事務所がガラスの撤去などはおこなっていました)

 バスの外から確認できた走行距離はメーターを見る限り、96万480kmと刻まれています。

 バスのグリル部分には「日本交通」と掲示されており、島根県の日本交通が所有していた車両であることがわかっています。

 バスの車種は三菱ふそう「エアロクィーンI」(車両型式U-MS821P 1992年-1995年製造)で、「平成元年排出ガス規制」には適合していますが、自動車NOx・PM法および首都圏ディーゼル車走行規制排ガス規制によって、首都圏では2007年頃から登録できない車種となっていました。

 その後、日本交通が使用していたバスは売却されたあと、現在は川崎市内に住む個人が所有していたといいます。

 川崎市はその男性に何度も移動を申し入れるも、男性側は「自走できなくなったのは市の責任。走れる状態に直してもらうまで動かすつもりはない」という身勝手な主張を繰り返し、移動を拒否してきました。

 東扇島東公園駐車場を管理する川崎市港湾局川崎港管理センター港営課は、この放置バスに関して、以前の取材時に次のように話しています

「このバスは、2021年5月24日に東扇島東公園管理事務所の管理人から『駐車場において動きのない大型バスがある』との報告がありました。

 これまでも車両の不法投棄はありました。所有者が判明しない場合はやむを得ず市で撤去処分しており、川崎市港湾施設条例第9条の違反となります」

 川崎市港湾施設条例第9条とは、次のようなものです。

——

 【川崎市港湾施設条例第9条】

 第9条 市長は、次の各号のいずれかに該当する物件については、その所有者又は占有者に搬出又は撤去を命ずることができる。

 (1) 港湾施設に放置してあるもの
 (2) 許可を受けないで蔵置し、又は設備したもの
 (3) 公益上その他市長が必要と認めたもの

——

 なお、川崎市港湾局川崎港管理センター港営課によれば「放置バスについては以前から駐車場利用者からのクレームや意見などが寄せられていた」といいます。

 動かないバスが長い間放置されることによって、市民が本来利用できるはずの駐車場スペースがなくなり、迷惑が掛かるだけでなく、景観も悪く、利用者が怪我などに巻き込まれることが危惧されていました。

■ついに行政代執行により放置バスを撤去へ

 2022年7月22日、行政代執行法に基づいた行政代執行が川崎市によっておこなわれました。

 7月22日午後5時、川崎市港湾局の職員数十名がバスの前で集まり、行政代執行を宣言。

「ただいまより、川崎市川崎区58番地東扇島東公園に放置された大型バスに対し、行政代執行法第2条にもとづく、行政代執行を行います。

 令和4年7月22日17時 代執行責任者川崎市港湾局川崎港管理センター所長。

 よろしくお願いします」

 宣言がおこなわれたあとは、契約されたレッカー業者「矢向自動車工業」の作業員数名により、撤去作業は手際良く進められていきました。

 まずはレッカー車の輪止めを前輪の下に潜り込ませるため、エアサスにエアーを注入して車体を上げる作業からおこなわれます。

 輪止めを潜り込ませて車体を浮かせたあと、輸送中に割れた窓や部品が飛び散らないよう、各所の養生がブルーシートや養生テープでおこなわれました。

 作業開始から約2時間後の19時頃。すべての作業が終了し、約1年2か月放置されたバスは35トンのレッカー車にけん引されながら移動開始しました。

 積載ではなく公道を牽引されて移動する際に必須となる回送運行許可番号標(赤枠のナンバープレート)も取り付けられ、駐車場を後にしたのです。

 交通整理がおこなわれたのち、レッカー車は神奈川県警のパトカーが先導しながら一時的に保管する場所へ放置バスを運んでいきました。

 川崎市港湾局港営課によると、今回の撤去作業や警備にかかった費用は全部で30万円だといいます。

 川崎市はこの撤去作業費用に加え、未納となっている駐車料金約70万円を所有者の男性に請求する予定です。

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みんなのコメント

27件
  • 所有者宅前に返してあげてください。
  • 所有者が最初にそこに駐車した理由を知りたいですね。
    そもそも、大型車を駐車して良い場所なのか、首都圏では登録できない古いバスをどうするつもりだったのか、謎だらけですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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