ランサーエボリューションとともに、WRC競走用ベースマシンにして公道最速を目指した究極のロードカー、スバル・インプレッサWRX STIの系譜を紹介していこう。今回は第3世代、GVB型のセダンだ。(ホリデーオート2019年5月号より)
復活を遂げた4ドアセダン。ATの“A-ライン”も設定
「インプレッサWRX STI(GVB型:2010年7月発売)」
インプレッサWRX STIの系譜 “鷹の目”と言われた第二世代の最終型
5ドアハッチバック(5HB)のみでデビューした3代目インプレッサWRX STIだが、登場から約3年後の2010年に4ドアセダンが追加設定された。
ラリーなどで勝つことを目標に開発された5HBに対し、セダンはオンロードでの使用を想定したロードスポーツとすることを目標に開発が進められた。
セダンのエンジンスペックは5HBと共通だが、足まわりのセッティングは異なる。セダンでは車高を5mmダウン。新設計のフロントサスペンションのアルミ鍛造製ロアアームとアームリア側のブッシュにピロボールを採用し、リアサブフレームの剛性もアップ。これにより、フロントの動きの正確性とリアの追従性が高められた。
また、トランクルームがある分、5HBよりも全長が165mm長くなったこと、大型アンダーカバーを設置したことなどにより、ゼロリフトを実現。その結果、セダンの欧州仕様車の最高速度は5HBを5km/h上回る255km/hを達成。
WRX STIはセダンの登場により、ジムカーナや連続したコーナーを高速で駆け抜けるラリーなどを得意とする5HBと、高速サーキットでのスポーツ走行や高速クルージングを得意とするセダンという、2つの異なる魅力を手にしたのだ。
また、セダンにも5HBと同じくAT仕様の「Aーライン」を設定。こちらには最高出力300psと最大トルク350Nm(35.7kgm)を発生する2.5LのEJ25型に5速ATが組み合わされていた。
インプレッサWRX STI(2010年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4580×1795×1470mm
●ホイールベース:2625mm
●重量:1490kg
●エンジン型式・種類:EJ20型・水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:308ps(227kW)/6400rpm
●最大トルク:422Nm(43.0)kgm/4400rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:245/40R18
●価格:373万8000円
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