現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダの「自動運転タクシーサービス」に衝撃! GMが自動運転専用車の開発凍結を発表!? 26年開始はどうなる?

ここから本文です

ホンダの「自動運転タクシーサービス」に衝撃! GMが自動運転専用車の開発凍結を発表!? 26年開始はどうなる?

掲載 13
ホンダの「自動運転タクシーサービス」に衝撃! GMが自動運転専用車の開発凍結を発表!? 26年開始はどうなる?

■~2026年初頭開始予定、ホンダの完全自動運転サービス、軌道修正が必須~

 ホンダが2026年初頭に東京都心部でサービスを開始する予定の完全自動運転サービスが、大きく方向転換せざるを得ない状況となりました。

【画像】「えっ…!」これが斬新すぎるホンダ「新型タクシー」です(13枚)

 なぜそのような状況になったのでしょうか。

 それは、ホンダとアメリカのゼネラルモーターズ(GM)、そしてGMが出資するベンチャー企業のクルーズの3社が共同開発してきた、完全無人の自動運転専用車両「クルーズ・オリジン」について、GMが無期限で開発中止すると発表したからです。

 アメリカ現地時間7月23日、GMのマリー・バーラCEOが明らかにしました。

 理由については、米運輸省の道路交通安全局からアメリカ国内でのサービス開始に対する許可が下りる目処が立たないからだとしています。

 今後は、これまで運用しているコンパクトカーGMシボレー「ボルト」をベースとした自動運転車による技術やサービスのレベルアップを目指すとしています。

 なお、完全自動運転とはドライバーが車内にいない自動運転レベル4を指します。

 このGM発表に対してホンダに問い合わせたところ、以下の回答がありました。

「クルーズ・オリジンの生産凍結の影響は精査中。

 ホンダとしてはできるだけ早期に日本での自動運転タクシーサービスを開始したいと考えている」

 なお、本件については現時点で、ホンダからプレスリリースはありません。

 ホンダがいう「影響」はとても大きいと言わざるを得ません。

 なぜならば、ホンダは報道発表や、自社メディア「ホンダストーリーズ」の中で、2026年初頭の東京都心でのサービス開始では「クルーズ・オリジン」を前提としていると明記してきたからです。

 そのため、2023年のジャパン・モビリティ・ショーや、東京都が主催するイベントなどに「クルーズ・オリジン」のプロトタイプを展示。

 来場者に車内に座ってもらいながら、ホンダの開発担当者らが直接、同車の持つ魅力や未来の社会に向けた完全自動運転の可能性について説明してきました。

 けっして遠い未来の話ではなく、2026年初頭というすぐ目の前にやってくる新しい技術と新しい社会のあり方を提唱するものでした。

 テレビやネットを通じて「クルーズ・オリジン」実用化によって、自動運転の本格普及期がやってくるといった報道が広まったところです。

 その「クルーズ・オリジン」の生産計画が凍結されたのです。

 完全自動運転に対する近未来の夢を語ってきた「クルーズ・オリジン」の共同開発社であるホンダとして、ユーザー、販売店、地方自治体、交通事業者、報道関係者などに対して「なぜ、クルーズ・オリジンは実現できないのか?」をしっかり説明することが求められます。

 さもなければ、日本が国をあげて全国各地で社会実装を加速させようとしている、様々な自動運転サービスに対する信頼が損なわれ兼ねません。

 これはアメリカでの法律の話であって、日本とは話が別といった発想は通用しません。

 なぜならば、自動運転ではグローバルで技術や法的な解釈の標準化や基準化が進んでいるからです。

 むろん、国や地域の社会状況によって、自動運転の実用化に対する修正の幅が存在しますので、アメリカと日本との社会状況の違いを含めた説明が必要と筆者は考えます。

 そうした日本社会における完全自動運転車の適合化についても、ホンダはGMシボレー「ボルボ」ベースの車両や「クルーズ・オリジン」を実際に使って研究開発をしてきたことを、筆者はこれまでホンダ関係者らから直接聞いてきました。

 なおホンダの自動運転といえば、世界初となる自動運転レベル3に対応した「レジェンド」を2021年3月に発表しています。

 レベル3では、運転の主体がクルマのシステムとなり、そのシステムが気象状況などによって運転続行が難しいと判断した場合、ドライバーに運転をリクエストする仕組みを持ちます。

 こうした乗用車(オーナーカー)における高い自動運転技術は、バスやタクシーなどの公共的な移動車(サービスカー)での自動運転レベル4の実現に向けて極めて重要な役割を果たすものです。

 また、自動運転レベル1とレベル2は、先進的運転支援システム(ADAS)の領域ですが、レベル3やレベル4での研究開発や社会実装から多くのフィードバックがあることで、量産車に搭載されるADAS機能の高度化がここ数年で加速してきたことも事実です。

 そうしたホンダの自動運転に関する知見をGM、そしてGMが未来への投資としてその成長を支えてきたクルーズとともに有効活用するため、3社は2018年にモビリティ変革に向けた協業で合意。

 2023年10月には3社でサービス提供を担う合弁会社の設立に向けた基本合意書を締結。

 ホンダ青山本社で実施された、その記者会見に筆者も参加し、3社の経営トップの「クルーズ・オリジン」実用化に向けた熱い思いを聞きました。

 しかし、カリフォルニア州内でクルーズの車両による人身事故が発生し、それより全米各所でのクルーズによるサービス事業が一時中断。

 また、その責任をとってクルーズの経営トップが辞任する事態へと発展。

 その後、新しい経営トップのもと、一部地域でクルーズのサービス事業が再開された矢先に、今回「クルーズ・オリジン」生産凍結がGMから発表されたという経緯です。

 現状では、まずはホンダからの「クルーズ・オリジン」生産凍結における日本への影響についての説明を待ちたいと思います。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

赤旗で「すべてが終了」「アタックできなかった」mutaとVENTENY。雨で下位に沈んだランキング上位2台
赤旗で「すべてが終了」「アタックできなかった」mutaとVENTENY。雨で下位に沈んだランキング上位2台
AUTOSPORT web
フェアレディZはコスパ最高の[ターボ]よ! 3L・V6ターボの[納得の性能]って?
フェアレディZはコスパ最高の[ターボ]よ! 3L・V6ターボの[納得の性能]って?
ベストカーWeb
【詳細データテスト】マセラティMC20 しなやかでソフトなシャシー 十分速い 独特なスーパーカー
【詳細データテスト】マセラティMC20 しなやかでソフトなシャシー 十分速い 独特なスーパーカー
AUTOCAR JAPAN
ヴェルファイアが約47万円でもっとスタイリッシュに!!! 個性派ユーザーは必須!! 老舗トムスが送るスタイリングパーツが神々しい
ヴェルファイアが約47万円でもっとスタイリッシュに!!! 個性派ユーザーは必須!! 老舗トムスが送るスタイリングパーツが神々しい
ベストカーWeb
元・空冷ポルシェ乗りがアルファ ロメオのオープンスポーツに開眼!「ジュリエッタ スパイダー」から「ジュリア スパイダー」に乗り換えた理由とは
元・空冷ポルシェ乗りがアルファ ロメオのオープンスポーツに開眼!「ジュリエッタ スパイダー」から「ジュリア スパイダー」に乗り換えた理由とは
Auto Messe Web
予選の大クラッシュでマシン大破。アルボン、F1サンパウロGP決勝出走を断念か「これで僕のレースはおしまいだ……」
予選の大クラッシュでマシン大破。アルボン、F1サンパウロGP決勝出走を断念か「これで僕のレースはおしまいだ……」
motorsport.com 日本版
小高一斗「残しておこうと決めていた」。中村仁「決勝は変なミスをしないように」【第8戦GT300予選会見】
小高一斗「残しておこうと決めていた」。中村仁「決勝は変なミスをしないように」【第8戦GT300予選会見】
AUTOSPORT web
心を満たす多くの魅力! 最新 ミニ・エースマン SEへ試乗 まん丸モニター 刺激的な運転体験
心を満たす多くの魅力! 最新 ミニ・エースマン SEへ試乗 まん丸モニター 刺激的な運転体験
AUTOCAR JAPAN
全幅2.1メートルのスバル「BRZ」発見! 超絶ワイドボディを装着するためにフロントを「86」化…エアサスなしでは走行不能です
全幅2.1メートルのスバル「BRZ」発見! 超絶ワイドボディを装着するためにフロントを「86」化…エアサスなしでは走行不能です
Auto Messe Web
RBメキーズ代表も角田裕毅の予選3番手に高評価「彼は素晴らしいよ。でも、今興奮しすぎる必要はない」
RBメキーズ代表も角田裕毅の予選3番手に高評価「彼は素晴らしいよ。でも、今興奮しすぎる必要はない」
motorsport.com 日本版
Q1最速の大草りき「コンタクトの度数を上げたので、すごく見えました!」。伊沢拓也「総合力のポール」【第8戦GT500予選会見】
Q1最速の大草りき「コンタクトの度数を上げたので、すごく見えました!」。伊沢拓也「総合力のポール」【第8戦GT500予選会見】
AUTOSPORT web
apr LC500h GTが待望の初ポールポジション。雨のなか小高一斗が最速タイム【第8戦GT300予選レポート】
apr LC500h GTが待望の初ポールポジション。雨のなか小高一斗が最速タイム【第8戦GT300予選レポート】
AUTOSPORT web
“今季初アタック”でワークス2台をしのぐ会心の一撃。ベテランのジャニ「主張を証明できた」/WEC第8戦
“今季初アタック”でワークス2台をしのぐ会心の一撃。ベテランのジャニ「主張を証明できた」/WEC第8戦
AUTOSPORT web
角田裕毅、雨のF1サンパウロGP予選で初の3番手。決勝に向けて「レインではペースが良い」と期待のぞかせる
角田裕毅、雨のF1サンパウロGP予選で初の3番手。決勝に向けて「レインではペースが良い」と期待のぞかせる
motorsport.com 日本版
「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 後編
「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 後編
AUTOCAR JAPAN
【詳細レポート】角田裕毅、雨のインテルラゴスで躍動! 3番グリッド獲得。赤旗5回のサバイバル予選はノリスが制す|F1サンパウロGP
【詳細レポート】角田裕毅、雨のインテルラゴスで躍動! 3番グリッド獲得。赤旗5回のサバイバル予選はノリスが制す|F1サンパウロGP
motorsport.com 日本版
3年ぶりModuloが歓喜のポールポジション。シビックが雨のもてぎで最前列独占【第8戦GT500予選レポート】
3年ぶりModuloが歓喜のポールポジション。シビックが雨のもてぎで最前列独占【第8戦GT500予選レポート】
AUTOSPORT web
トヨタ、逆転タイトルのシナリオは。「FPでかなり速く見えた」ポルシェの反撃に警戒【WECバーレーン決勝の見どころ】
トヨタ、逆転タイトルのシナリオは。「FPでかなり速く見えた」ポルシェの反撃に警戒【WECバーレーン決勝の見どころ】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

13件
  • cam********
    これで日本の自動運転はまた遅れてしまう。
    ホンダが人身事故を起こした訳では無く、クルーズが起こした事故。
    中国では無人タクシーが平然と走ってるが、事故の状況等は聞こえて来ない。
    そこまで差が付いているのか?それとも事故有りきで、あれだけの数を走らせているのか?
    このままでは自動運転車の方も中国に持って行かれる。
    GMやクルーズでは無く、日産と共同で開発を進めた方が良いと思うが。
  • qou********
    HONDAは素晴らしい会社だと思う、惚れ惚れしてしまう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

113.4150.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.884.8万円

中古車を検索
クルーズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

113.4150.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.884.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村