EV航続距離は100km超に!
PHEVシステムの改良
10月9日、三菱自動車工業(以下、三菱)は、 クロスオーバーSUV「アウトランダー」のプラグインハイブリッドEVモデルであるアウトランダーPHEVの改良モデルを発表した。
新しいアウトランダーPHEVは、搭載するリチウムイオンバッテリーを刷新。バッテリー容量を約10%増の22.7kWhとし、EV航続距離が「M」グレードで従来の87kmから 106km(WLTCモード)、その他グレードは83kmから102km(WLTC モード)と約20km伸長した。
PHEVシステムでは、最高出力を約20%向上。また、アクセル操作時のモータートルク特性をマイルドにすることで、車両挙動が安定し快適性を高めた。
今回は新たに、走行速度やエンジンなどの状況に応じて自動的に開閉させるグリルシャッターをフロントバンパーグリル内に採用したほか、床下アンダーカバーやリヤバンパーの形状を見直すことで空力性能が向上したのに加え、走行抵抗の低減やPHEVシステムなどの効率化により、ハイブリッド燃料消費率(WLTC モード)を「M」グレードで従来の 16.6km/Lから17.6km/Lに、その他グレードは16.2km/Lから17.2km/Lへ燃費向上を実現した。
また、駆動用バッテリーの容量拡大に合わせ、充電速度の向上を図った。急速充電では、80%までの充電時間を6分短縮の約32分とし、普通充電 (AC200V/15A)では、前モデルと同じ約7.5時間で満充電が可能となり、より利便性を高めた。
足まわりでは、サスペンションチューニングを見直すとともに新開発タイヤを採用、路面からの振動やショックを低減し、より上質で安定した乗り心地を実現。さらに電動パワーステアリングのアシスト力の最適化と、出力の向上によるS-AWC制御の見直しによって、旋回中の安定性を向上。これにより、上質な乗心地とより安心感の高い操縦安定性を両立した。
注目の新オーディオシステムエクステリアは、フロントアッパーグリルデザインを変更。フロントとリヤのスキッドプレートは、立体的なデザインへの変更に加え、カラーをチタニウムグレーとした。また、リヤコンビネーションランプをスモークタイプとし、Tシェイプのストップランプを際立たせるとともに、ターンランプ、バックランプをLED化。アルミホイール(20インチ、18インチ)も新デザインへ変更された。ボディカラーは、「ムーンストーングレーメタリック」 を新採用。
インテリアでは、最上級仕様のセミアニリンレザーシートのデザインを変更するとともに、シートやインストルメントパネルなどに新色のブリックブラウンを採用し、モダンでラグジュアリーな落ち着きのある室内空間とした。なお、ユーザーから要望の多かった5人乗り仕様を上級の「P」、「P Executive Package」にも設定した。
スマートフォン連携ナビゲーションは、モニターサイズを従来の9インチから12.3インチに大型化し、コネクテッド機能(MITSUBISHI CONNECT)の機能拡充により、ナビゲーション上でPlaces API(Googleによる目的地検索) や、ストリートビュー、航空写真ビューを見られるようになった。
また、 運転席・助手席には、身体とシート間の熱こもりを防ぎ、快適なドライブを提供するシートベンチレーションや、デジタルルームミラー(フレームレス)などを採用し、利便性と快適性を高めた。
オーディオもアップデート。ヤマハと三菱がアウトランダーPHEV専用に共同で開発したシステムを新たに搭載した。最上級グレードである「P Executive Package」に採用のDynamic Sound Yamaha Ultimateは、計12個のスピーカーとデュアルアンプの搭載に加え、車速に応じて音量や音質を自動調整しロードノイズの影響を低減するサウンド補正機能により、あらゆる走行条件でも常に最高の音楽体験を提供すると謳う。
また、P、GそしてMグレードが採用するDynamic Sound Yamaha Premiumは、ウーファーの同軸上にツイーターを配置したコアキシャルスピーカーをリヤに採用して計8個のスピーカーを搭載し、高音から低音まで幅広い音域表現を実現したという。
いずれもスピーカーを搭載するドアパネルの隙間を塞いでスピーカーボックスの役割を与えるとともに、スピーカー取付部の剛性も向上することで不要なノイズの発生を低減。それにより、太く躍動感のある低音を実現したという。
価格は、¥5,263,500~¥6,685,800。来年春には欧州市場、その後には豪州・ニュージーランド、北米などへ順次投入を予定する。
文と編集・稲垣邦康(GQ)
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