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「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 前編

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「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 前編

ミネソタ州のジャンクヤード探訪記

米国ミネソタ州ニューロンドンにあるウィンディヒル・オートパーツ(Windy Hill Auto Parts)は、1964年にアラン・バジャリ氏とパット・バジャリ氏によって設立されたジャンクヤードだ。

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現在も家族経営が続いており、丘の中腹には役目を終えた何千台ものクルマが並んでいる。中には1900年代初頭の古いクラシックカーもあり、静かに部品の引き取り先を待っている。今回は、取材班が見つけた興味深いクルマを紹介したい。

年中無休

ウィンディヒル・オートパーツは、なんと年中無休だ。驚くほど多くのスペアパーツを取り扱っており、ウェブサイトには「エンジン、トランスミッション、タイヤ、フロントガラス、コンピューターから時計まで、高品質の中古自動車部品を販売中」と書かれている。

欲しいものがあれば、電話一本で米国本土48州に発送してくれる。では、この巨大なヤードに足を踏み入れてみよう。

スチュードベーカー・チャンピオン(1951年)

取材班がウィンディヒル・オートパーツを訪問したとき、これが事務所の外、道路わきのすぐそばに停まっていて、我々の目を釘付けにした。6気筒エンジンとオートマチック・トランスミッションを搭載した、1951年式のスチュードベーカー・チャンピオンだ。

この先どんなクルマに出会えるのか、期待に胸が膨らむ。

キャデラック・エルドラド(1987年)

このジャンクヤードでは古いクルマを専門に扱っており、特に戦前のクラシックカーの素晴らしいコレクションを誇るが、比較的新しいものもいくつかある。その中に、1987年式キャデラック・エルドラドを見つけた。こうした小型の高級車の人気があまり高くないのは残念だ。錆び1つないこの個体は、保存に値するだろう。

ルノー・ル・カー

欧州で絶大な人気を誇ったルノー5(サンク)は、1972年から1986年の間に550万台が売れた。一時期は欧州のベストセラー車にもなったが、米国では空振りに終わった。米国では1976年から1980年にかけて、「ル・カー(Le Car)」という名でAMCのディーラー1300店舗で販売された。

大半の車両はずっと前に姿を消しており、これはかなり希少な1台となっている。最近、新型ルノー5が発表された。今度はEVだが、米国での販売にはあまり期待できない。

シボレー・インパラ

このシボレー・インパラの4ドア・セダンは1973年に登場した。当時の米国の自動車業界は大いに盛り上がっており、同年の総販売台数は1190万台に達した。シボレーが258万台を販売して首位に立ち、フォードが240万台で続いた。

ジャガーMk2

ジャガーMk2セダンは人気車種であり、ジャンクヤードに出回ることはあまりない。写真のこの角度から見るとそれほど悪くは見えないが、実は、3.8L 6気筒エンジンを含むフロントの大部分が欠けている。

1959年から1967年の間に8万3000台以上が生産された。そのうち、望ましい3.8Lを搭載したのは3万141台。ヤードのFacebookページによると、この個体は2019年からここにあるようだ。

シボレー・ステーションワゴン(1962年)

ウィンディヒル・オートパーツは、1980年代後半には間違いなく米国最大級のジャンクヤードであった。取材班が話を聞いたスタッフによると、当時ハイウェイを挟んだ両側の丘の中腹に何万台もの車両が並んで置かれていたという。

しかしその後、何千台もが破砕機にかけられ、残っているのは道路の片側だけ。ご覧のように、この1962年型シボレー・ステーションワゴンは、周囲に多くの空きスペースがある。

ポンティアック・ボンネビル・コンバーチブル(1963年)

1963年には約2万3459台のポンティアック・ボンネビル・コンバーチブルが販売され、まともなコンディションの現存車両にはかなりの金額がつく。しかし、上部がばっさり切断されたこの個体は、まともなコンディションとは言い難い。とはいえ、良好なスペアパーツはいくつか残っている。

フォード・カスタム300(1957年)

ナンバープレートから判断すると、この1957年型フォード・カスタム300は、1968年以来、道路を走っていないようだ。その後はどこにいたのだろう? 50年以上もウィンディヒルで眠っていたわけではないのは明らかで、まだ多くのパーツが残っている。

1957年型シボレーは世界で最も愛されているクラシックカーの1つだが、当時はフォードに販売台数で負けていた。

シボレー・マスター(1939年)

ウィンディヒルの丘の頂上にある草木が生い茂った一角には、戦前のクラシックカーが埋もれるようにして隠れている。車種を特定するのは容易ではないが、取材班はこれが1939年式のシボレー・マスター85の2ドア・セダンであると確信している。

エンジンルームと助手席ドアの開口部から生えている木に注目してほしい。

オースチンA40

希少性の高さが必ずしも価値につながるわけではない。こちらは非常に珍しいオースチンA40 Mk1セダンで、1958年から1961年にかけて生産された16万9612台のうちの1台である。

2ドア・セダンと3ドア・ハッチバックがあり、デザインはイタリアのピニンファリーナ、生産は英国のBMCが担当した。最高出力34ps、排気量948ccのエンジンを搭載し、最高速度は110km/hだった。

イタリアのスタイリングと英国の “精密エンジニアリング” を融合させているにもかかわらず、米国国民は納得しなかった。1795ドルという当時の販売価格もあだとなっており、これはフォルクスワーゲン・ビートルより200ドルも高価であった。

ダッジ(1930年代)

ウィンディヒル・オートパーツの在庫のほとんどは1950年代、1960年代、1970年代のものだが、よく探せば100年前のクルマも見つかる。しかし、一般的に古いクルマほど状態が悪い。数十年かけて徹底的に使い古され、錆びついたボディの外殻を残すのみで、車種を識別するのはかなり難しい。

これは1930年代後期のダッジだと自信を持って言えるが、年式がわかる方はいらっしゃるだろうか?

フォードLTD(1972年)

この1972年型フォードLTDは、ウィンディヒル・オートパーツから今にも飛び出してきそうだ。20年以上(1965年から1986年まで)生産されていたにもかかわらず、その間、フォードは「LTD」が何の略かを説明することはなかった。「ラグジュアリー・トリム・デコレーション」や「リンカーン・タイプ・デザイン」の頭文字といった説が有力だが、実際には特に意味はないのかもしれない。

シボレー・マスター・デラックス(1936年)

今見るとわからないが、1936年当時、このマスター・デラックスはシボレーのラインナップの頂点にあった。2ドアのタウン・セダンで、同年のベストセラーとなったボディスタイルだ。3.4L 6気筒エンジンを搭載し、3速MTが組み合わされていたはずだ。

ポンティアック・サンバード(1978年)

この1978年型ポンティアック・サンバードを取り囲むスペースを見てほしい。かつてはクラシックカーがずらりと並んでいた場所だ。同年にわずか2万413台しか生産されなかったうちの1台である。シボレー・モンツァに相当する初代モデルで、米国ではトヨタ・セリカのようなスポーティな輸入車や、フォード・マスタングIIのような国産車と競合していた。

インターナショナル・スカウト(1960年)

修復するには劣化しすぎているかもしれないが、この1976年型インターナショナル・ハーベスター・スカウトIIが解体されていないのは驚きだ。結局のところ、このクルマは今、間違いなく需要があるのだ。ナンバープレートの日付から、1990年以来道路を走っていないことがわかるが、もちろんそれは、ずっとここにあったという意味ではない。

フォルクスワーゲンは最近、リビアンのライバルとなるEVブランドとしてスカウトを立ちう上げた。同社の商用車部門であるトラトンが2021年にインターナショナルの親会社ナビスターを買収した際に、スカウトの名称を取得したのだ。

シボレー(1959年)

このアクロバティックな1959年型シボレーが最後に道路を走ったのは1977年のことなので、フロアパンがほぼ完全に朽ち果てているのは驚くにはあたらない。1959年は米国の自動車産業にとって好調な年であり、シボレーは146万台を売り上げて首位に立った。フォードは145万台で僅差の2位、そして大きく差を広げて3位のプリマス(45.8万台)が続いた。

ナッシュ・アンバサダー(1951年)

この特徴的なファストバックの空力性能はさぞや高かったに違いない。1951年型のナッシュ・ステーツマンの4ドアで、比較的良いパーツがまだたくさん残っている。同年の最上級トリム・レベルであるカスタムのようだ。カスタムは、1951年に生産された6万1583台のアンバサダーのうち、2万1071台を占めている。

シボレー・マリブ

縦に積み重ねられた長方形のツイン・ヘッドライトを持つ1976年型シボレー・マリブ・クラシックの美しさに異論を唱える者は少ないだろう。実際、米国国民はこぞってショールームに走り、この4ドア・セダンを7万7560台も買い上げた。

1983年から1997年まで空白期間はあるものの、マリブは1964年から現在までシボレーのラインナップに並んでいる。

ポンティアック・カタリナ(1970年)

この1970年型ポンティアック・カタリナは、ナンバープレートから判断するに、ウィンディヒル・オートパーツに最近やってきたばかりの新しい住人だ。ボディワークとインテリアはほぼ完全だが、最高出力340psの6.6L V8はすでに誰かが持っていったようだ。

新車当時、このエンジンがあれば0-97km/h加速8秒未満を達成できた。1970年のカタリナの総生産台数は22万3380台で、そのうち7万350台がこの個体のようなハードトップ・クーペであった。

フォード・ギャラクシー500(1963年)

1950年代後半から1960年代前半にかけて、国民は偉大なる宇宙開発競争に夢中になり、フォードもその熱狂に便乗してギャラクシー(銀河)という車名を採用した。

フォードは他にも、スターライナーやマーキュリー・メテオ、コメットなど、宇宙関連の車名を多く使用している。その点では、この1963年型フォード・ギャラクシー500は、まるで宇宙から降ってきたかのようだ……。

(翻訳者注:この記事は後編に続きます)

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みんなのコメント

1件
  • klb********
    ポンテアックボンネビルとインターナショナルスカウトⅡは好きなクルマ、特にスカウトは屋根が全部取り外せてフルオープンになる,顔も四角いベゼルの中に丸いヘッドライト,インターナショナルの特徴だね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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