この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第25回目は、日産ブルーバードとのベストセラーを巡る死闘を制した三代目トヨペット・コロナの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
より大きく、広いことがアドバンテージだった
初代、二代目とブルーバードの後塵を拝してきたコロナの、起死回生の1台となったのがこの三代目RT40型だ。実質的にトヨタVS日産の勝負を決めた1台とも言えるだろう。ここまではライバルたるブルーバードにコロナは劣勢だった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
しかし、この昭和39(1964)年9月のモデルチェンジでは、排気量を上げパワーアップしたエンジンや、ブルーバードより大きいだけでなく、ボディスタイルの力強さを前面に押し出すことで、車格が上であることを演出することに成功したのだ。
ブルーバードもその後、コロナを上回る販売台数となることもあったが、トヨタは販売力の強さを活かし、昭和40年後半には完全にブルーバードに販売台数で勝るようになる。
快進撃を支えた要因を具体的に見ていこう。主な要因が斬新なスタイリングだった。国産車では例のないクリーンカットと呼ぶスラントノーズを鏃(やじり)に見立て、ボディ側面には的に向かって飛ぶ矢をイメージした「アローライン」を入れて強い疾走感を演出したのだ。
これは、このときからフルサイズのクレイモデルでスタイリングの最終検討ができるようになったのが大きかった。クレイモデルをもとにしてプラスチックのマスターモデルを作り、これを原型として外板形成することで、デザイナーの意図したとおりのスタイルとできたのだ。
ボディサイズ自体もクラス最大で、とくに全幅を60mm広げて安定感を高めると同時に、後席幅をブルーバードより70mmも広い1290mmとするなど居住性を大幅に向上させて好評を得ている。この当時、大きい、広いという事実は大きなアドバンテージとなった。
剛性は(先代比)曲げで3倍、捻りで2倍に高まった
エンジンは1.5Lで先代のR型の改良型とはいえ、高速化に備えてムービングパーツを全面的に新設計した2R型に進化した。これは5500rpmで70psを発生する高性能エンジンとなっていた。
具体的な改良箇所は、ボア径を77mmから78mmに拡大したことで排気量が1453ccから1490ccとなったこと。細かい部分では補機類の材質を変えるなどをして、エンジン重量を従来より5kg軽い150kgとした。さらに吸排気系や主運動部品の改良も加えられていた。
トランスミッションは3速フルシンクロのコラムシフトが標準だったが、輸出用の4速フルシンクロトランスミッションがオプションで加えられている。さらにトヨグライド(2速オートマチック)の改良版も採用され、より広いドライバーのニーズに応えるようにした。
ボディ骨格は先代のユニフレーム(セミモノコック)の進化型だ。旧型では不足していた全体の剛性を考慮しフロントやリアのボディ周りとフロアを一体にとらえ、応力の集中を避けた設計が特徴だ。ピラー類も剛性を上げるために旧型よりも太くされた。剛性は(先代比)曲げで3倍、捻りで2倍に高まった。新機軸としてフロントサイドメンバーエクステンションを設け、室内への振動・騒音の侵入を減少させている。
410型ブルーバードを抜き、国内のトップセラーに
フロアにはビードを設けることで強度を上げ、床下はアスファルトを主成分としたゴム質の制振材コーティングによって振動が伝わらないようにした。加えて遮音材やマットによっても振動の抑制の向上が図られている。
サスペンションも改良された。これは旧型の“弱いコロナ”のイメージを払拭するものだった。具体的に説明すると、旧型ではサスペンションアームがボディに直接取り付けられていたのが弱さの一因だったため、フロントはサスペンションメンバーが装着され、ゴム類の取付部のゴムブッシュの容量を上げた。
リアサスペンションも、弱いというイメージを払拭するため強化されている。5枚重ねのリーフリジッド式を踏襲するが、旧型よりも50mm長いスプリングとしてバネ定数を低減させて乗り心地を優先させた。これで耐久性と乗り心地の両立が図られたのだ。
これらの改良点をアピールすべく発売直後、名神高速道路で「10万キロ連続高速走行テスト」を実施して高速耐久性能を訴求した。この公開テスト成功をバネに、発売4カ月後となる昭和40 (1965)年1月には販売台数で410型ブルーバードを抜き、国内のトップセラーになっている。
トヨペット・コロナ デラックス( RT40)諸元
●全長×全幅×全高:4065×1550×1420mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:920kg
●エンジン型式・種類:2R型・直4OHV
●排気量:1490cc
●最高出力:70ps/5000rpm
●最大トルク:11.5kgm/2600rpm
●トランスミッション:3速MT
●タイヤサイズ:5.60-13 4P
●新車価格:64万4000円
[ アルバム : トヨペット・コロナ はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
発表5日で受注停止! 瞬時に5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」はいつ買える? じつは“意外や早く受注再開”されるかもしれない その理由とは
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
トヨタ新「ハイエース」発売! “GRパーツ仕様”も発表! タフ感すごい「最強ゴツ顔」が激カッコイイ! 大人気のTRDエアロが「GRブランド」化して新登場!
怖すぎ!? 高さ4m「巨大つらら」発生でクレーン車が出動 国道の「ループ橋」で緊急除去作業へ SNSでは「作業ありがとうございます」感謝の声も
“予約殺到”で5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」が発表5日で受注停止! ネットではどんな反響が集まっている?
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント