■関門海峡「第3のルート」事業化へ着実前進
山口県と福岡県北九州市は2024年10月1日、本州と九州をつなぐ新たな高規格道路「下関北九州道路」について、環境アセスメントの「準備書」をそれぞれ取りまとめ、公表しました。
【画像】超便利!? これが「下関北九州道路」の計画ルートです(地図)
下関北九州道路は、本州と九州の間を流れる「関門海峡」を越える「第三のルート」として計画されている道路です。
現在は下関市街から門司へ抜ける国道2号「関門トンネル」および吊り橋の「関門橋」がありますが、門司から小倉中心街までが微妙に大回りなのと、たった2本のルートに交通集中して渋滞が課題になっていました。
そこで新たに計画されたのが「小倉中心街直結ルート」となるこの下関北九州道路です。
ルートは、本州先端部の彦島から南西へ抜け、小倉中心街西側の工業地帯に降り立つというものです。途中「迫町IC」「南風泊港IC」「西港町IC」が設置され、北九州高速2号線へ新設の「西港町JCT」で直結する予定です。
2020年に計画段階評価が始まり、3案から現在の「最短距離案」が選ばれました。そして、事業化の一歩手前である2つの手続き「都市計画決定」「環境アセスメント」が始まりました。
2024年5月には、国土交通省が地元へ、都市計画決定に必要な図面を送付。いよいよ手続きが本格化しました。
そして今回、環境アセスメントの手続きも進展。環境アセスメントには大別して「方法書」「準備書」「評価書」の3段階がありますが、「準備書」の段階が完了を迎えた形になります。
「準備書」というのは、実際に環境影響評価を行った結果までまとめたもので、ほぼ大詰めの段階といえます。残るは「評価書」ですが、こちらは準備書に対して事業主体があらためて検討し、必要に応じて修正を行う程度です。
これらがスムーズに進めば、早ければ来年度(2025年4月)には、国による事業化決定が実現する可能性もあります。地元自治体は毎年、要望書で「早期事業化」を求めています。
今回の準備書取りまとめにあわせて、10月1日から準備書とその要約書の縦覧が始まっています。また工事現場となる彦島では10月8日・9日、小倉では16日に住民説明会が開催予定です。
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