この記事をまとめると
■トヨタ・カレンは6代目セリカをベースにしたスペシャリティクーペだった
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■仕様違いや限定車などを用意した結果としてラインアップは14グレードもあった
■ターゲット層であった女性にはボディサイズで敬遠され男性には車名で敬遠された
たったの1代限りで終焉を遂げたカレン
昭和から平成にかけての大人気ミドルクラススペシャルティクーペの1台といえば、トヨタ・セリカが挙げられる。とくに、映画「私をスキーに連れてって」の劇車としても有名な4代目セリカ(1985~1989年)のハイエンドモデルであるGT-FOURはその頂点に立つモデルといっていい。
そんなトヨタ・セリカのGT-FOURとコンバーチブルの最終型となった6代目モデル(1993~1999年)をベースに、1994年1月に登場した姉妹車のトヨタ・カレンというクーペを覚えているだろうか。北米市場向けのST200型セリカをベースに、主にフロントデザインを専用化。
駆動方式はFFのみとし、セリカに対して約40kgのダイエット(軽量化)を施した、スペシャルティカーである。TVCMは「そのクルマはカレンです」のキャッチコピーで、出演タレントは俳優の永瀬正敏だった。
スポーティなキャラクターをもつ3ドアハッチバックのスペシャルティクーペのセリカに対して、「時流に乗った」を意味するCURRENTからくる造語のネーミングが与えられた、可憐という意味もあるカレンは、その車名のとおり、エレガンスが売りの3ナンバーサイズの2ドアボディを用いたスペシャルティカーだ。
ボディサイズは全長4490×全幅1750×全高1310mm、ホイールベース2535mm。車重は1110kg~。※セリカは全長4365×全幅1690×全高1295mm、1150kg~となる。
エンジンは3S-GE型2リッター直4スポーツツインカム、170馬力(4速AT)、180馬力(5速MT)と3S-FE型ハイメカツインカムの140馬力を揃え、サスペンションは前後ストラットが基本構成。ほかにもスーパーストラットサスペンション、スポーツABS、4WS(4輪操舵)装着車も設定されていた。
グレードは上から、スポーツグレードのZS、4WS(4輪操舵)が選べたXS、ベースグレードのFSというラインアップで、ツーリングセレクション、スポーツセレクション装着車も用意されていた。当時の価格は171.5万~234.3万円。※セリカは1.6リッター、1.8リッター、2リッターエンジンを搭載。
女性ウケがよくなかった
1995年1月には限定車としてXSリミテッドの4速ATと5速MTを発売。1996年6月のマイナーチェンジでは、ボディ前後のデザインを変更し、運転席エアバッグを標準装備(助手席はOP)。販売テコ入れとして1.8リッターエンジンを積むTSグレード(169.6万円~)も追加されている。
さらに、限定特装車のビスタ店15周年記念モデル、300台限定の「TRDスボーツ」もこのタイミングで加わっている。ZSをベースにTRDパーツを装着し、スーパーストラットサスペンションやヘリカルLSDなどを搭載し、当初のセリカと棲み分けたキャラクターから一転、スポーツ度を高めたモデルとなっている。この時点でカレンは一気に14ものグレードを揃えるに至っている。
とはいえ、姉妹車、本家となる伝統あるセリカの陰に隠れた存在であったことはたしかで、販売はスペシャルティクーペとしてのキャラクターから、比較的廉価な3F-FE型、140馬力エンジンを積むXS(4WSなし)が中心だったようだ。
そんなカレンは車名の可愛らしさあるイメージとは裏腹に、3ナンバーのワイドボディであり、狙いの女性ユーザーに敬遠されたかも知れず、男性にはセリカと違い、可憐なイメージ(!?)があってあまり受けなかったようで、1998年8月に販売終了。
1代限りで可憐に散り(!?)約5年半、4.5万台の販売台数で絶版となっている。中古車サイトで検索してみると、ヒットしたのは新車総販売台数の少なさもあり、走行距離13万キロ超えのたった2台(支払総額70万~90万円)だった。
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みんなのコメント
ハッチバックのセリカはリアシートを倒せば広大なラゲッジスペースができ、スキーやレジャーに今でいうSUVのように使えた。
それに比べてノッチバックのカレンは使い勝手が悪そーだった。
誰にも振り向カレン。というのがオチだったな。