■620万円の最上級グレードと310万円台のベーシックグレードはどう違う!?
高級SUVのトヨタ「ハリアー」は、400万円台のHEV(ハイブリッド)モデルを中心に根強い人気を集め続けています。
最上級仕様は600万円台のPHEV(プラグインハイブリッド)ですが、一方で約313万円のガソリンモデルも設定されています。
この最廉価なベーシック仕様でも、ハリアーらしさは楽しめるのでしょうか。
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1997年12月、高級クロスオーバーSUVの先駆けとして誕生したハリアー。現行モデルは、2020年6月に登場した4代目となります。
ラインナップは幅広く、最高出力171PS・最大トルク207N・mを発生する2リッター直列4気筒ガソリンと、178PS・221N・mを発生する2.5リッターガソリン+120PS・202N・mを発生する電気モーターを組み合わせるHEVのほか、2022年10月にはPHEV(最高出力と最大トルクはわずかに異なる)を追加しています。
ガソリンとHEVはそれぞれFF(前輪駆動)と4WDを用意し、PHEVは4WDのみの設定。HEVとPHEVの4WDは、後輪に最高出力54PS・最大トルク121N・mを発生する電気モーターで駆動する「E-Four」となります。
グレード構成は、ベーシックな「S」から順に「G」「Z」の3タイプが基本です。
ただし、Sはガソリン車のみに設定される一方PHEVはZのみと、パワートレインごとに設定に差異があるほか、ガソリン車とHEVのZには本革内装の「Leather Package(レザーパッケージ)」が設定されます。
車両価格(消費税込み)は、ガソリン車(FF)が312万8000円から433万8000円(4WDは一律20万円高)、ハイブリッド車(FF)は411万9000円から492万8000円(4WDは一律22万円高)。
最上級のPHEV Zは620万円で、ベーシックなSとは実に約2倍の開きがあることがわかります。
グレード間の価格差はガソリン車・ハイブリッド車ともに同じで、ZはGの50万9000円高、Z“Leather Package”はZの30万円高です。
なかでもSとGは40万1000円の差があることから、Sが「目玉商品」的な扱いとも映ります。
ただし基本的な快適装備や、後付けできない先進運転支援機能「トヨタセーフティセンス」は、Sも他グレードもほぼ同等です。
主な違いは、上質感を演出する内外装の一部が細部にわたって簡素化されている点がメインです。
例えば内外装のメッキ加飾の一部が省かれていたり、アルミホイールが17インチ化(他グレードは18~19インチ)され、パワーシートが非装着になるほか、センターディスプレイのサイズが小さくなるなどの違いがあります。
あとは先進運転支援機能の一部が省略されている点も挙げられますが、「パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)+ブラインドスポットモニター(BSM)」は、6万8200円のメーカーオプションで追加できるので、安全面での差異はほとんどなくなります。
つまり、走りに関わる基本機能はほかのガソリンモデルとほぼ共通な一方、豪華装備や加飾などに差が生じるという訳です。
ハリアーを高級車ととらえ、贅沢さを存分に味わいたいなら上級グレードを検討したほうがよさそうですが、基本的なフォルムなどに大きな違いはなく、Sグレードでも十分に“ハリアーらしさ”は味わうことができるともいえます。
アルミホイールのインチアップやエアロパーツの装着などでカスタマイズを目指しているなら、Sを選んだほうが初期費用も抑えられ、むしろ好都合かもしれません。
いずれにせよ、310万円台で高級SUVブランドが手に入ると考えたら、コストパフォーマンスの高い買い物といえそうです。
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