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発売から9年のトヨタ「アクア」 販売好調でも人気に陰りが見えた理由とは

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発売から9年のトヨタ「アクア」 販売好調でも人気に陰りが見えた理由とは

■売れ筋アクアの人気に陰りが!

 トヨタの人気コンパクトカー「アクア」は、2011年12月26日に発売されたハイブリッド車です。発売から約9年となるロングセラーモデルですが、現在でも販売台数ランキングの上位を誇っています。

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 これまでアクアは、同じトヨタの「プリウス」や日産「ノート」と上位3台を争うモデルでしたが、最近では徐々に台数が低迷しているようです。高い人気を誇るアクアに何があったのでしょうか。

 2011年12月にアクアが発売され、翌2012年の新車販売台数ランキング(登録車)で2位を獲得し、人気モデルの仲間入りを果たします。

 その後の新車販売台数ランキングでも上位3位以内を毎年キープし続け、2019年上半期(1月から6月)のランキングでも、3位の6万349台を販売するなど、プリウスとともにトヨタを代表するモデルです。

 前述の2012年のランキングで1位を獲得したのは、先代の3代目プリウス(2009年発売)で、2015年にフルモデルチェンジがおこなわれ、2018年12月にはビッグマイナーチェンジが施されるなど商品としての魅力を維持させています。

 しかし、アクアは2011年12月の発売から2019年12月までの9年間で、一度もフルモデルチェンジされていないにも関わらず、人気を維持しているのです。

 マイナーチェンジは、2014年と2017年におこない、それぞれのタイミングで外観デザインや機能向上などが改良されたほか、SUV風モデルの「X-URBAN(2014年)」、「クロスオーバー(2017年)」が新たに追加されました。

 アクアの人気が続いている理由について、トヨタの販売店スタッフは次のように説明します。

「多くのラインナップを持つトヨタブランドのなかで、ヴィッツ(現在、ヤリス)とともにアクアはエントリーモデルに位置しています。

 モデルとしては、2011年の発売から時間が経過していることもあり、目新しさはありませんが、モデルチェンジをおこなうことで、常に新しい技術を投入しています。

 それらもあり、幅広い年齢層から日常使いや通勤・通学などの用途として重宝されているほか、年配の人などがセダンやワゴンから乗り換えられるなど、さまざまな点でちょうど良いのがアクアなのです。

 実際に、売れ筋のプリウスと比べて、サイズが小さく扱いやすいのと、価格帯が安いため購入検討されやすいことなども、人気に影響していると思います」

※ ※ ※

 日本の道路事情は、「道幅が狭い」「高速道路が発達している」「山間部が多い」など、軽自動車よりもパワーがあり移動が楽なうえ、セダンやワゴンなどよりも扱いやすく、燃費の良いコンパクトカーが好まれるのです。

■アクア最大のライバルが2020年2月に登場?

 アクアは、登場から9年間も売れ筋モデルとして君臨してきました。しかし、最近の販売台数ランキングでは変化がみられています。

 2019年上半期(1月から6月)では、単月と合算で上位3台を維持。しかし、同年7月以降では5位、6位と順位を落としていき、10月には8位にまで下がりました。

 その理由として、トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」が好調な販売台数を重ねていくほかに、アクア最大のライバルといえるヤリスとホンダ「フィット」の登場が挙げられます。

 ホンダは、2019年5月の事業方針説明会で次期型フィットを同年秋に世界初公開すると説明。実際に、東京モータショー2019にて世界初公開されました。

 詳細なスペックは公開されていませんが、新開発のハイブリッドシステムを搭載するが決まっており、従来モデルよりも燃費が向上することは明らかです。

 さらに、東京モータショー2019が開催される数日前の10月16日には、これまで日本でヴィッツとして販売していたモデルを、海外の名称と統一したヤリスに変更しました。

 また、フィット同様に燃費値は出ていませんが、ヤリスの説明として「走る楽しさと、世界最高レベルの低燃費、先進の安心安全技術を備えたコンパクトカーの域を超える、新世代コンパクトカー」と説明していることから、大きな注目が集まっています。

 この2台はともに、2020年2月の発売を予定しています。そのため、2019年10月時点ではアクアをはじめ、ライバルとなるモデルの買い控えが起こっているようです。

 前出の販売店スタッフは、次のように話します。

「現在、ヴィッツはネッツ店(東京では全店)のみで扱っています。しかし、ヤリスでは全国の全店舗で扱うことになっています。同様にアクアも全店舗でしたが、これによって販売店での『アクアとヤリス』の比較検討は必至です。

 後席の広さとしてはアクアの方が上だと思いますが、全体的なスペックでは当然ヤリスが上なので、アクアのユーザーはヤリスに移るのではないかと思っています」

※ ※ ※

 トヨタは、これまで4つ存在している販売チャネル(トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店)を2020年5月に統合し、それぞれの専売モデルも将来的には、廃止・統合する予定だとしています。

 そんななか、ヤリスの登場によってアクアの存在意義が危ぶまれていることもあり、「このままアクアが廃止されるのではないか」や「新型ヤリスをベースに新しいアクアが登場するのでは」という、さまざまな憶測がでているほどです。

 販売台数ランキングTOP10圏内にいるアクアが、今後どうなるのか注目されます。

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みんなのコメント

6件
  • アクアの開発車両は現在絶賛走行テスト中
    ただ、ヤリスの売れ行き次第では開発すれども販売しない可能性もあるとのこと
    アクアの現在の立ち位置を変えるとシエンタやポルテ/スペイド、ノア/ヴォクシー/エスクヮイアと被るのでボディスタイルの変更は後席の頭上空間の拡大だけだろう
    安全装備は進化するが目新しさがないまま本当に出すの?トヨタさんと思った
  • 9年経過したモデルが結構な台数売れているのは、さすがトヨタの販売力だと思う。
    売れ行きに陰りが出ている原因は、他社ライバルに比べ、安全装備が相対的に劣ってきたこと、後席居住性という点で、身内のライバルであるシエンタに顧客が流れていることだろうね。今後のアクアのキャラクターは、SUVとのクロスオーバー的なものに変えて延命を図ると言われている。果たしてどうなるか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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