BMWの電動ブランドBMW iシリーズのフラッグシップモデルとなるSUV「iX」が、いよいよ日本導入を開始。未来感たっぷりなデザインに加え、新たな機能が満載しているのも見どころだ。
BMW iの第2ステージの幕開けを象徴する、新SUVの魅力と特徴をお届けしよう。
【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第1回
文/大音 安弘、写真/BMW
【画像ギャラリー】BMWのフラッグシップEVとなるBMW iXの全容
■BMWの未来を凝縮したSUV
BMWは、2021年11月4日、電動ブランド「BMW i」シリーズのフラッグシップモデル「iX」の販売を開始した。価格は、981万~1116万円となる。
電動車が主体となる将来に向けた新世代モデル群の象徴といえるBMW iXだが、その原点は、18年11月に開催された米国・LAモーターショーでワールドプレミアされたコンセプトカー「Vision iNEXT」だ。その未来的なスタイルは、大きな話題となった。
その市販化モデルとして20年11月11月に発表されたのが、このiXなのだ。EVとしての性能追求はもちろんだが、最も我々を驚かせたのが、内外装のデザインがコンセプトカーのデザインを強く反映した未来的なものに仕上げられていたことだ。日本では、20年12月より予約受注が開始され、今年秋以降の導入がアナウンスされていた。
コンセプトカーを忠実に市販車に反映したiXのスタイルは、かなり斬新なもの。まさに未来を先取りといった感じだ
■EVならではのBMWデザインに
まるで一枚岩のような力強さを感じさせるiXのエクステリアは、まったく新しい控えめなデザイン言語で表現されたものだという。キャラクターラインの少なさは、現代車に共通するものだが、特に興味を惹きつけられるのは、そのダースベイダーのマスクを彷彿させる未来的なフロントマスクだ。
巨大化されたキドニーグリルは、表面に3Dピラミッドパターンを備えるクローズド構造に。これはiXの電気駆動システムが、わずかな量の冷却用の空気しか必要としないために実現されたもの。
グリルには、カメラやレーダーが内蔵されており、センサー用のヒーターシステムやクリーニングシステムまでもが、一体化されているという。このため、センシング機能を備え、新BMW iを象徴するキドニーグリルは、高度な技術で製造されており、小傷なら自己修復可能なポリウレタンコーティングが施されているのも特筆すべき点だ。
凝ったデザインのキドニーグリルには、さまざまなセンシング機能が備わっている
■まるで宇宙船のようなコックピットデザイン
より驚きにあふれているのが、コックピット。メーターパネルの形状など一部現実的なものに置き換えられているが、その雰囲気は「Vision iNEXT」のままで、より豪華なものに仕上げられている。
細部を見ていくと、メーターパネルとインフォテイメントディスプレイを連結させたツインディスプレイ表示をはじめ、新しい操作機能を備えた異形デザインのステアリングやフローティング構造のシフトパネルなど、これまでのBMWとは異なる点が満載。操作系のボタンも、タッチスクリーンや新しいiDriveコントローラー、ステアリングスイッチなどにできるだけ集約されている。
直線的なダッシュボードには、大型ディスプレイが鎮座。ボタン類も極限まで減らされている
機能面では、EVらしいユニークなものも取り入れられており、暖房効率を高めるべく、従来のエアコンによる暖房に加え、センターコンソールやドアトリム、ダッシュボード下部などの表面に内蔵されたヒーターで、車内全体を温める機構を標準化。
また、BMWの味のひとつであるエンジン音の代わりに、「アイコニック・サウンド・エレクトリック」という走行サウンド機能を採用。これは基本的に「無音」であるEVにおいて、音による効果で「駆けぬける歓び」を体感可能にする機能で、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ダークナイト』の楽曲を担当するなど世界的に活躍する映画音楽作曲家のハンス・ジマーが手がけたもの。
モード切替で、サウンドを強調することも、またOFFにすることもできるという。近年、EVは静かさだけでなく、走行サウンドにも力を入れているため、この点も興味深い。音楽で映画のワンシーンを盛り上げる映画音楽作曲家の協力を仰いだのは、エンジンサウンドでオーナーを楽しませてきたBMWらしい演出ともいえそうだ。
■AI活用の音声認識などの先進機能も強化
現在、飛躍的に進化と活用が広がる音声認識にも力を入れており、AIを活用した対話型音声操作システム「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」に加え、Amazon Alexa(アマゾン アレクサ)にも対応。
この機能は、ユーザーのスマートフォン上のアプリ「My BMW」を使用してAlexaと連携。車内での天気予報やニュース、音楽配信機能などの利用はもちろんのこと。買い物までできるようになる。
運転支援機能の強化で表示もより多彩となったメーターパネル
先進の安全運転支援機能も強化され、「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を標準搭載。高性能プロセッサーによる高い解析能力によって、より精度と正確性が向上させるだけでなく、日本で多発する踏み間違い事故を防ぐ、ペダル踏み間違い急発進抑制機能も備えているのも特徴となる。
■ロングドライブに対応するEVシステム
パワートレーンは、前後に各々駆動モーターを備えた4WD車となる。大容量のリチウムイオン電池をフロア下に内蔵する。パワーユニットの仕様は、「xDrive50」と「xDrive40」の2種類を設定。
上位モデルとなる「xDrive50」は、前輪用の最高出力190kW / 最大トルク365Nmと後輪用の最高出力230kW / 最大トルク400Nmの電気モーターを備え、システム・トータルでの最高出力は385kW、最大トルクは765Nmを発揮する。リチウムイオン電池容量は303Ahで、一充電走行距離は650km(WLTC)となる。
エントリーグレードとなる「xDrive40」は、前輪用の最高出力190kW / 最大トルク290Nmと、後輪用の最高出力200kW / 最大トルク340Nmの電気モーターを備え、システム・トータルでの最高出力は240kW、最大トルクは630Nmを発揮。リチウムイオン電池容量は232Ahで、一充電走行距離は450km(WLTC)となる。
iXは、前後各々に駆動用電気モーターを備える4WDで、床下に大容量のリチウムイオン電池を備える
EVで重視される充電機能は、最大150kWの急速充電器に対応しており、150kW出力のものを利用すれば、40分以内に約80%まで電池残量を回復し、約500kmの航続距離が確保。
もし10分間の短時間の急速充電でも、約100kmの航続距離を延ばすことができるというから便利だ。200Vの普通充電では、11kWの出力まで対応しており、11kWの出力のものならば、満充電までに約7時間で完了することができる。
150kWの高出力急速充電器に対応できるのも、iXの強みのひとつだ
メカニズム面では、大柄なボディの取り回しを向上させる前後輪統合制御ステアリングシステム「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」や乗り心地や最良な車高を保つ「4輪アダプティブ・エア・サスペンション」をxDrive50に標準化するなど、BMWらしい走りのよさもしっかりと追求されている。
■iXを皮切りに強化されるBMWのEV化
また、同じタイミングで、X3のEVとなる「iX3」を発表。今後に4ドアサルーン「iX4」も控えるなど、BMWの電動化は一気に加速していく。
輸入車としては、早いタイミングでi3を投入し、EVの販売やサービスのノウハウを蓄積してきたBMWだが、同社を象徴するエンジンへの思い入れが強いファンが多いのも事実。次世代に向け、新たな顧客の獲得に加え、どのように既存オーナーたちをEVにシフトしていくのか、その手腕も注目される。
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