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割り切った2列か? あえての3列か? 選べるコンパクトミニバンのシエンタ&フリード4車種を徹底比較

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割り切った2列か? あえての3列か? 選べるコンパクトミニバンのシエンタ&フリード4車種を徹底比較

 シエンタはFUNBASEの方が2列目シートの快適性に優れる

 ファミリーカーとして根強い人気なのが、両側スライドドアを備えた5ナンバーサイズのコンパクトミニバンだ。かつてのモデルの3列目席はあくまで緊急席だったものの、トヨタ・シエンタ、ホンダ・フリードの3列目席は大人でも無理なく座れる空間が確保され、長距離はともかく、近距離なら6~7人が不満なく移動できる多人数乗車性を備えている。

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 そんなコンパクトミニバンにまず2列シート仕様を加えたのがフリードで、2016年にフリード+(プラス)として登場。そして昨年、満を持してシエンタの2列シート仕様、シエンタ FUNBASEがシエンタのマイナーチェンジを機にデビューしている。

 ところが、そうした2列シートミニバン、大容量コンパクトワゴンは、ただ3列シートモデルの3列席を取り払っただけではないのがポイント。また、両車の3/2列仕様の関係も似て非なるものなのである。ここではシエンタ、シエンタ FUNBASE、フリード、フリード+のそれぞれの個性、魅力について検証し、最適なクルマ選びのお手伝いをしたいと思う。

 シエンタとシエンタ FUNBASEで注目すべきは2列目席の快適性が異なる点で、シートアレンジを優先しないシエンタ FUNBASEのほうがクッション性、かけ心地により優れるのだ。

 また、ラゲッジルームにはシエンタにはないユーティリティーフックが用意され、さまざまな用品でアレンジすることが可能になる(これはフリード+でも同じ)。

 シエンタとフリードは2列目席の仕様が大きく異なる

 シエンタとフリードの大きな違いその1は、2列目席の仕様。

 シエンタには6/7人乗りがあるものの、6人乗りの2列目席はキャプテンシートではなく、シート中央にトレーやカップホルダースペースがあるセミベンチシート。

 一方、フリードの6人乗りの2列目席はぜいたくな居住感覚が得られる純粋なキャプテンシートになる。車内に乗ったまま3列目席へアクセスできるのはこちらである。

 これはボク自身が見つけたアレンジで、メーカーは推奨しないだろうが、シエンタは2列目席を畳んだ状態で3列目席に座ると、まるでリムジンのような広大な足もとスペースが出現。停車時にゆったりしたいときにもってこいのシートアレンジである。

 両車はラゲッジルーム回りの使い勝手も異なる。シエンタ、フリードともに3列目席使用時のラゲッジスペースの奥行きは最小限だが、3列目席を格納することで大容量コンパクトワゴンに変身させられる。が、3列目席の格納方法はシエンタが2列目席の下にもぐり込ませる床下収納タイプなのに対して、フリードは左右ハネ上げ式。ラゲッジルームの空間上部をより有効に使えるのはシエンタのほうである。

 シエンタ FUNBASEとフリード+の大きな違いは、大容量のラゲッジルームにペットを乗せたときに現れる。つまり、シエンタ FUNBASEは後席背もたれ部分にアームレストがあり、それを倒すことでラゲッジルームとの間にすき間ができ、愛犬とアイコンタクトできると同時に、ラゲッジルームにエアコンの風が届きやすいというメリットがある。しかしベンチシートのみになるフリード+の後席背もたれにアームレストはなく、そうした使い方はできない。

 フリード+のラゲッジスペース開口部地上高は驚異的な低さ

 ここでシエンタ FUNBASEとフリード+の大容量コンパクトワゴンと言えるゆえんのラゲッジスペースの寸法を比較してみたい。

 重い荷物の出し入れやペットの乗降にかかわるラゲッジスペースの開口部地上高はシエンタ FUNBASEが、フロアボードが樹脂面になるローデッキ状態で53cm、カーペット張りになるハイデッキ状態で61cm。一般的に使いやすいハイデッキ状態のフロアは奥行き93.5cm、最小幅106cm、最小天井高93cm。後席を格納した時の最大フロア長は162cmだ。

 フリード+のラゲッジスペース開口部地上高はなんと33.5cm。これはクルマいす仕様とフロアを共用したための驚異的な低さだ。ただ、純粋なラゲッジルームの底部分の幅は意外に狭く、67cmしかない。地上72cmに位置に敷くボードを装着すると、ラゲッジルームの幅が127cmに拡大するという仕様である。フロアの奥行きは最大値で103.5cm。ボードなしの最大天井高は136cmとなる。また、後席を格納したときの最大フロア長は1600~1890mmまで拡大し、大柄な人でも車中泊が楽々行える空間が出現する。

 ちなみに、2列シート、3列シートに限らず、シートアレンジが楽なのは、片手でポンの操作が自慢のシエンタ、シエンタ FUNBASEのほうだ。

 ただし、走行性能となると話は別。フリードはタイヤサイズが15インチ1種類で、最小回転半径は全車、小回り性に優れる5.2m。乗り心地はやや固めながら、走りの質感、動的性能で上まわる印象だ。

 一方、シエンタ 、シエンタ FUNBASEの最小回転半径は標準の15インチタイヤなら5.2mだが、乗り心地ががぜん良くなる、オプションの新開発16インチタイヤ&アルミホイールを履くと、一気に5.8mと大型ミニバン並みになってしまうのが難点。開発当初、16インチを想定していなかったのが、その理由のはずである。

 両車、それぞれの選択は家族構成、ペットの有無、よく載せる荷物の大きさなどによるが、6人乗車までがメインというならフリードの6人乗り(2列目キャプテンシート)、大容量コンパクトワゴンとして選ぶならシエンタ FUNBASEがベターだろう。ハイブリッドかガソリン車かは予算によるが、多人数乗車が基本なら、動力性能に余裕が出るハイブリッドを薦める。車内の静かさ、燃費性能で上回るからである。もし、コンパクトミニバンに7人乗せようと思っているなら、乗車空間や動力性能を考慮し、トヨタ・ヴォクシー&ノアやホンダ・ステップワゴンを考えるべきである。

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