■2021年上半期の販売ランキングは12位に低迷
2020年2月に第4世代となる新型モデルが発売された、ホンダのコンパクトカーが「フィット」です。
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ところが、その販売がどうにもふるいません。
販売ランキング(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会調べ:乗用車ブランド通称名別順位)を見ると、2020年通年こそ4位になりましたが、2021年になると失速。2021年1月から6月では、なんと12位に低迷しています。
フィットは2001年に初代モデルが登場してから2015年まで、常に年間ランキングでトップ3に入っていたホンダ屈指のベストセラーです。3代目となる先代の後期からは徐々に順位を落としましたが、デビュー2年目で10位以下という順位は、これまでありえないほどの低いポジションです。
では、そんな最新フィットは、どのようなモデルなのでしょうか。
まず、燃料タンクを車体の真ん中の床下に配置するセンタータンクレイアウトと、モノフォルム的なボディスタイル、そして広い室内空間という、歴代フィットが採用してきた、クルマの基本構成は踏襲されています。
パワートレインは、1.3リッターのエンジンと、1.5リッターのハイブリッドの2種類。ハイブリッドは2モーター式で、走行のほとんどをモーター駆動でまかないます。最新モデルらしく、衝突被害軽減ブレーキなどの先進運転支援システム「ホンダ・センシング」は全車標準装備。通信機能の「ホンダコネクト」もオプションで用意されています。
そして、今回のモデルならではの特徴が、装備の違いでグレード分けするのではなく、使い方にあわせた5つのルックス違いのグレードにしているところとなります。シンプルな「ベーシック」、快適性の「ホーム」、アクティブな「ネス」、アウトドア向けの「クロスター」、上質の「リュクス」です。
ユーザーのライフスタイルにあわせて選べるようにしたのが、今回のモデルの大きな特徴であり、魅力となるでしょう。
ちなみに、2020年フルモデルチェンジした際に筆者も新型フィットを試乗していますが、フラットな乗り心地と素直な運動性能、シンプルだけど質感の高い内装など、商品力が非常に高いと感心しました。よくできたコンパクトカーだと思っています。
しかし、その新型「フィット」が、実際のところ2021年に入って売り上げが鈍っています。どこに理由があるのでしょうか。もちろん、不調の理由はいくつもの要因が絡み合っているはずです。ですが、筆者的には、一番の問題となるのは価格ではないかと睨んでいます。
今回の新型「フィット」の価格は、1.3リッターのエンジン車が155万7600円から218万6800円(消費税込、以下同)。ハイブリッドが199万7600円から253万6600円という値付けです。中心価格でいうと、エンジン車は170万円から200万円、ハイブリッドが200万円から230万円といったところ。
では、2013年発売の先代モデル、3代目フィットはどうであったかというと、エンジン車が126万5000円から180万円、ハイブリッドが163万5000円から193万円でした。ちなみに2007年発売の2代目フィットはすべてがエンジン車(フィットEV除く)で、119万7000円から178万5000円です。
■絶好調の軽自動車「N-BOX」の存在が大きい!?
これまでのフィットは、ベースグレードは150万円以下から買うことができました。200万円以上するグレードはなかったのです。ところが、新型フィットは、最低でも155万円台から。中心価格は200万円前後までに、価格帯を上昇させています。
また、ライバルのトヨタ「ヤリス」の価格は、エンジン車が139万5000円から212万4000円、ハイブリッドが199万8000円から249万3000円。
ハイブリッドの価格帯は同じになりますが、エンジン車は150万円以下から用意されています。ちなみに、トヨタは昨年春から全ディーラーで全車種販売という販売方法を採用して、販売力を強化。その効果もあり、2021年2月に発売された新型「ヤリス」は、2020年通年の販売ランキングで1位、2021年1月から6月も1位という圧倒的な強さを誇っています。
フィットやヤリスといったコンパクトカーは、商用に利用する人もいるでしょうから、やはり価格は売れ行きを左右する大きな要素になります。そういう意味で、フィットの価格を高めたホンダは、もしかすると、今年の苦戦はある程度、想定済みだったのかもしれません。
とはいえ、ガソリン車をやめてハイブリッド専用車になった日産「ノート」に負けてはいけません。なんとノートは、205万4800円から244万5300円という価格帯でありながらも、2021年1月から6月の販売ランキングで7位。12位のフィットより、販売台数ベースで約1.5倍も多く売れているのです。
※ ※ ※
価格に加えて、フィット不調の理由として考えられるのは、ホンダの超ヒットモデル「N-BOX」の存在です。
コロナ禍による不況のせいか、現在のところ新車販売は、登録車よりも軽自動車のほうが好調です。
2021年1月から6月の新車販売台数を見ると、登録車は前年比約109%。ところが、軽自動車は前年比116.7%。2020年に起きたコロナ禍によるダメージから、軽自動車のほうがいち早く復調しているのです。
こうした状況から、「これまで登録車を購入していた人たちが、より安い軽自動車に流れている」という可能性が高いことがわかります。つまり、いつもならフィットを買っていた人が、軽自動車のN-BOXに流れているのではないでしょうか。
実際のところ、N-BOXの販売は絶好調そのもの。2021年1月から6月で、N-BOXの販売は前年比109%で11万台以上となっており、ヤリスの約11万9000台に肉薄しています。登録車だけでなく、軽自動車もあわせた販売ランキングにすると、1位のヤリスと2位のN-BOXが戦っているという状況です。
ちなみに2020年通年の販売台数は、ヤリスの15万1766台に対してN-BOXは19万5984台。N-BOXの2019年は25万3500台でしたから、販売台数だけでいえば、N-BOXは圧倒的な存在感を放っています。
フィットの価格が上がれば、販売台数が下がるのは自明のこと。ホンダもわかっていたはずです。しかし、それでも値段を上げたのは、下にN-BOXが存在していたかもしれません。
フィットの減った分だけ、N-BOXが数多く売れれば、ホンダとしてはトータルでOK、というわけです。軽自動車とはいえ、現在のN-BOXの価格は、142万8900円から202万2900円と、先代フィットよりも高額です。ならば、どっちが売れてもかまわないと、ホンダが考えてもおかしくないのではないでしょうか。
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みんなのコメント
反韓の日本人は絶対に買わない。日本では売れなくてよいという、ホンダの考えだから当然と言える。