日産自動車は2月28日、自動運転によるモビリティーサービスの提供を2027年度から始めると発表した。24年度から実証実験を開始して自動運転技術を段階的に引き上げ、27年度に事業化する計画。将来的には無人運転によるサービス提供を目指すとしている。
日産の総合研究所所長を務める土井三浩常務執行役員は同日、横浜市にある本社で開いた説明会で「目指したいのは気軽に移動できるような『どこでもドア』。個人のパッセンジャービークルではなく、公共移動にも気軽に移動できるようなサービスを実現したい」と述べた。
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具体的には「一般道で車速制限を守りながら交通流を妨げない他のクルマと完全に混流した状態で走行する。ただ初期は歩車分離、信号機のある交差点、センターラインあり、昼間といった条件をつけてスタートする。そこから技術進化に伴って地域、時間帯を拡大していく。目指すところは無人運転のレベル4に遠隔管制と運行管理が付いたシステム。サービスとしてはオンデマンドの乗り合いシャトルを考えている」と説明。
また「乗降場所は、タクシーのように手を上げれば止まるのではなく、いくつかのバーチャルだが停留所を設ける。ただルートは固定せずにフリールートで行けるようなシステム。例えばAからB地点へ行く時にいくつかのルートを選択できるようにする。実際に使って頂く際の予約や乗降場所は専用アプリを使って指定。乗車地点でクルマは自動で路肩に幅寄せして利用者を認証した後に無人で安全を確認して乗車をガイドする。目的地についた時にも自動的に幅寄せをして課金をして降車をガイドする」とも。
その実現に向けて日産では24年度から2段階にわけて実証実験や自動運転技術の引き上げを行っていくという。「フェーズ1は横浜で行う。エリアとしては横浜、桜木町、中華街をカバーする領域。24年から実証をスタートさせて25、26年で本格的なサービスを提供できるようにしたい。車両は『セレナ』をベースにして、いわゆる自動運転キットを載せて、最大で20台くらい配車してお客様の使い方を確かめる。オンデマンドで域内を移動し、安全な乗降、車内で観光地をガイドするといった情報提供など、いろいろ試しながら無人サービスへの受容性を検証していく。フェーズ1の段階はセーフティドライバーが座っている」と土井常務は解説。
さらに「フェーズ2では時期を見ながら有償サービスの提供を開始し、横浜だけではなく、地方を含む3-4市町村に(検証エリアを)拡大する。最大数十台まで台数や地域を拡大しながら自動運転のレベルも段階的に引き上げていく」とのことだ。
27年度のサービス開始時点で、ドライバーがいない無人運転になるかは土井常務は明言しなかった。というのも「レベル4で走って良いという認可をするルールがまだない。それがない状態では、いつとは申し上げらればい」からだ。その一方で「段階的にヒト(ドライバー)を降ろしていくことをする。多分これから技術の進化に伴って、ドライバーを降ろしてある地域で走らせることがでてくる」とも話していた。
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