2019年ももう間もなく終わりを迎えるが、毎年年末になると自動車業界注目の『RJCカー・オブ・ザ・イヤー』(2019年11月12日開催)と『日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)』(2019年12月9日開催)が開催され、どのクルマが受賞するのかと注目が集まる。
今年はそんな2つの賞典において、日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」がRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞、COTYでもスモールモビリティ賞を受賞した。
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ホンダ「N-WGN」やダイハツ「タント」といった強力なライバルもノミネートされていたにもかかわらず、そのライバルに抑えて受賞できた理由とは何なのだろうか?
自身もCOTY選考委員である渡辺陽一郎氏に、今回の受賞のポイントと、イヤーカーを受賞するために必要な要素とは何なのか!? 解説してもらおうと思う。
文/渡辺陽一郎
写真/編集部
【画像ギャラリー】RJCとCOTYで栄えある賞を受賞した日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」をチェック!
■強力なライバルを抑えRJCとCOTYで受賞、その内幕とは?
年末が近付くとイヤーカー選びが活発になる。2019年には日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」が注目された。『2020年次RJCカー・オブ・ザ・イヤー』と『2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞』に選ばれたからだ。
COTYのスモールモビリティ部門賞を受賞した日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」
今年は両方の賞ともに、軽自動車では、日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」、ダイハツ「タント&タントカスタム」、ホンダ「N-WGN&N-WGNカスタム」が候補になった。この3モデルのなかで、日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」が高く評価された。
どちらの賞典でも、この3車種が争う構図となった。販売台数もそうだが、軽自動車がその上位を争う構図は同じとなっている
各車の得点を見ると、RJCカーオブザイヤーでは、1位のデイズ/eKクロス&eKワゴンが224点、2位のタント&タントカスタムは194点、3位のN-WGN&N-WGNカスタムが152点とされ、上位3車種のすべてが軽自動車となった。このあとに4位のマツダ3、5位のRAV4という具合に続く。
日本カー・オブ・ザ・イヤーのスモールモビリティ部門賞は、軽自動車(将来的には超小型モビリティを含む)を対象にしている。1位のデイズ/eKクロス&eKワゴンが227点、2位のN-WGN&N-WGNカスタムが190点、3位のタント&タントカスタムは163点であった。
両賞を比べると、軽自動車の1位はデイズ/eKクロス&eKワゴンだが、2位はRJCカーオブザイヤーがタント&タントカスタム、日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞はN-WGN&N-WGNカスタムであった。2位と3位が入れ違っている。
両賞のホームページに掲載されるデイズ/eKクロス&eKワゴンの受賞理由として、RJCカーオブザイヤーでは「新開発のプラットフォーム、パワートレインの採用により、居住性、積載性、走行性能、環境性能を向上させた。軽自動車では初めて運転支援システムのプロパイロット(eKクロス&eKワゴンはMIパイロット)を搭載して、ドライバーの負担を軽減させ、軽自動車の活用領域を広げた」といった内容を挙げている。
日産主導で、NMKVで開発された日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」
軽として初めて搭載された「プロパイロット」。長距離移動もこれで楽になった
メーカーオプションだが、通信機能を使ったSOSコールも新たに搭載した
日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞は「軽自動車としての操縦性、安全性、運転支援システムなどの基本性能を従来モデルから大きく向上させた。スペースの有効活用により、決められたサイズのなかで高い居住性を確保して、スタイリングも個性的でそれぞれ好感が持てる」といった主旨になる。
つまり両賞ともに、軽自動車に求められる居住性や積載性などの実用性が高く、衝突被害軽減ブレーキによる安全性とプロパイロット(MIパイロット)による運転支援機能も充実させた。ドライバーの負担を軽減させ、デイズとeKクロス&eKワゴンの個性を生かした外観デザインも注目されている、という評価になる。同じクルマだから、受賞理由が似ているのは当然だ。
■その向上幅が大きく、高く評価されたデイズ/eKシリーズ
高く評価された背景には、先代型と比べた時の変化の仕方も挙げられるだろう。先代型は三菱が開発したが、現行型は日産が担当した(生産は引き続き三菱の工場が行う)。そのためにエンジン、プラットフォーム、安全装備などをすべて刷新した。
そして先代型のエンジンは、三菱「i(アイ)」の車体後部に搭載することを目的に開発され、内径よりも行程の数値が大きなロングストローク型にできず、この影響もあって実用回転域の駆動力不足が指摘された。そこも現行型では大幅に改善されて運転しやすくなった。
このほか受賞理由にもある通り、デイズ/eKクロス&eKワゴンは走行安定性と乗り心地もバランスよく向上させ、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、さらにデイズには通信機能を使ったSOSコールもメーカーオプションで用意される。
先代型と現行型を比べた時の向上度合いは、大半の機能を文字通りフルモデルチェンジしたデイズ/eKクロス&eKワゴンが突出して大きい。そこが「大変よく頑張りました」と評価された。
逆の表現をすれば、N-WGNやタントも商品力は高く、先進機能に大きな格差はない。ステアリングとアクセル/ブレーキを制御する全車速追従型クルーズコントロールは、3車種のすべてが用意する。特にN-WGNは、軽自動車で(ホンダ車としても)初めて、ホンダセンシングの衝突被害軽減ブレーキを自転車に対応させた。
クルマ自体の評価は高かったN-WGN。軽自動車で初めてテレスコピック機能を採用するなど、ユーザー―の乗りやすさを追求したモデルだ
タントは従来型と同じく左側のピラー(柱)をスライドドアに内蔵して、前後のドアを両方ともに開くと開口幅が1490mmに達する。さらに現行型では、主要グレードの運転席に長いスライド機能も装着したから、ドライバーが左側から乗り込み、運転席へ移動しやすい。子供を後席のチャイルドシートに座らせ、運転を開始する時の使い勝手も高まった。
また先代タントは走行安定性、操舵感、後席の座り心地などに不満を感じたが、現行型ではこれらの欠点を大幅に改善したことも注目される。
前席から後席へのアクセス性の高さはもちろん、センターピラーレスで、荷物やベビーカーの積み下ろしが楽と、ファミリー層から人気が高いタント
以上のように商品力は3車種ともに優れているが、エンジンやプラットフォームも含めて大半の機能を進化させ、なおかつ最も目立ったのはデイズ/eKクロス&eKワゴンであった。
■ライバルのマイナスポイントも受賞を助ける要因に
さらにいえば、ほかの車種のマイナスポイントもあったと思う。N-WGNは2019年8月の発売直後に、電子制御パーキングブレーキの不具合が発見され、納期が大幅に伸びた。選考委員によっては、ユーザーが気持ちよく買えることも車両評価の対象に含めるため、得点を下げる結果になった。
タントは先代型の欠点を解消して、安全装備と車内の使い勝手を進化させて運転支援機能も採用したが、デイズ/eKクロス&eKワゴンに比べるとインパクトが弱い。受賞するには、優れた商品であることが絶対条件だが、数年後に振り返った時にその車種の果たした役割が明確に思い出されることも大切だ。
その意味で、デイズ/eKクロス&eKワゴンは、ライバル2車に先駆けて2019年3月に発売され、全車速追従型クルーズコントロールのプロパイロット(MIパイロット)を採用した。車間距離を自動制御できるクルーズコントロール自体は、2017年にホンダN-BOXが軽自動車で初採用したが、全車速追従型ではない。SOSコールも含めて、デイズ/eKクロス&eKワゴンは「先進技術をさらに進化させて普及を促した軽自動車」と記憶されるだろう。
イヤーカーを受賞できるのは、どのようなクルマなのか。同じ軽自動車カテゴリーに属する実力の拮抗する3車種が出そろったことで、「受賞できる条件」が浮き彫りになった。
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