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ホンモノのポルシェ935と見間違う!? ハンドメイドの「GP935」は公道走行も可能だ!

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ホンモノのポルシェ935と見間違う!? ハンドメイドの「GP935」は公道走行も可能だ!

運営元:外車王SOKEN
著者 :お杉

20年前のネオクラシックカーならではの、最新のハイブリッドカーにはない魅力とは?

ホンモノのポルシェ935と見間違う!? ハンドメイドの「GP935」は公道走行も可能だ!



富士スピードウェイで行われたK4-GP。パドックに、特設ブースが設けられた。



そのエリアには、ロマン溢れるクルマが展示されていた。今回、GP935の制作に携わったチームの方にお話を伺った。これまでの制作経緯をお伝えしたいと思う。



■ホンモノとベース車、その意外な共通点とは!?

本家ポルシェGP935は930系911をベースとした、レーシングカーである。今回、取材をさせていただいたGP935は、スズキのカプチーノがベースである。



クルマに詳しい方は、もちろんご存じの人気者な2台である。この2台の共通点は?と聞かれ、真っ先に思い浮かぶことはなんだろうか?



多くの方は「2ドア」と回答するくらいしか、共通点は思い浮かばないだろう。



メカニズムな点でも「911はRR(リアエンジン・リア駆動)」「カプチーノはFR(フロントエンジン・リア駆動)」と大きく異なる。



では、この2台の共通点を発表したい。それは「フロントウィンドウの傾斜角度」である。



 予想をしていない、意外な共通点であった。この共通点を説明してくださったのは、GP935を制作されたチームメンバーの方である。



「実際の車両図面を比べたら、同じ角度だったんですよ。じゃあカプチーノでいこうと決めました。」そう笑いながら、ノリで決めたと気さくに話してくださった。



■段階を経てボディは進化した

ノリで始まったようにおっしゃっていたが、そのボディは本気で制作されたものだった。現在のボディはVer.3になる。では、Ver.1から追っていきたいと思う。



●Ver.1:クレイモデル

クレイモデルとは、自動車開発の際、ボディデザイン検討に用いられる。工業粘土を削り、デザインを形にする作業である。



自動車関連の資料で、そのような風景写真を目にしたことがある方も多いだろう。GP935のVer.1ボディはクレイモデルで制作された。



●Ver.2:石膏型でFRPを造形

FRPは、自動車のエアロパーツなどで、耳にすることが多い単語だと思う。



軽量でありながら、強度が確保された素材である。FRPを形にするためには、作りたい形状の”型”というものが必要となる。



本来、型は作りたい形状を反転させて制作される。そのため、理想の形状にするには、幾度もの試行錯誤が必要である。



しかし、GP935は最初にクレイモデルでボディ形状を作っている。そのクレイモデルを利用して、石膏型を作成すれば、型を直す必要はないのだ!



やっていることは、遊びやノリの範疇をゆうに超えている。



●Ver.3:整備性向上を目指して分割化

FRPで制作されたVer.2ボディ。



軽さを手に入れ、理想形に近づいた。ただ、問題点が発生していた。



ベース車はFRのカプチーノである。エンジンがフロントにあるため、整備をする際にボンネットを開ける必要がある。



当初は前方にヒンジを設けた、チルトボンネット式であった。しかし、これでは整備性に難があったという。



そこで、エンジンルーム部分のボンネットを着脱式にした。現在の形であるVer.3に進化したのだった。



■普段はお買い物カー!?

整備性を向上させるため、ボンネットを着脱式にしたとのことだ。



「レースで戦うには、整備性は必要なこと」と、ここまで読んでいただいた読者の方々は、思ったことだろう。このGP935は車検を取得し、公道走行可能なナンバー付のクルマなのだ!



そのため、レースより日々のメンテナンス重視の進化なのである(笑)。ナンバー取得された車両である為、今回あえてナンバーが装着された状態で展示をしていたのだろう。



さすがに軽自動車の車両寸法には収まっていないため、普通自動車として登録されている。



ここまでのボディメイクを施したクルマとなると、構造変更込みの車検となる。車検取得するのにも、きっと想像以上のご苦労があったことと思う。



検査項目のなかでも、灯火類は厳しい基準がある。



GP935には、本物の911のテールランプが使用されている。このテールランプのおかげで、リアルさがグッと増すだけではなく、灯火類の基準をクリアするという、2つのメリットがある。



ナンバーの付いたGP935。



オーナーは、実際にお買い物など日常的に乗られているそうだ。



最初、このGP935を制作したのは、プロのショップと思っていた。



しかし、お話を伺うと趣味でK4-GPに参戦され、レースを楽しまれているチームとのこと。チームメンバーの多くの方は普段、自動車とは関係のないお仕事をされているそうだ。



今回もGP935とは別に、レース車両を準備して参戦されていた。レース中、取材に応じていただき、誠にありがとうございました。



■実現した幼少期の「夢」

今回の取材中、制作者の方がサラッとおっしゃった一言が、とても印象に残った。



「昔欲しかったプラモデルを、今になって作ったようなものだよ」



笑いながらおっしゃった、この何気ない一言にロマンを感じてならなかった。



このGP935で高速道路を走っていた際、追い越したクルマがこの存在に気づき、減速して観察されることが、多々あるそうだ。その光景が面白いと笑顔でおっしゃっていた。



あの日、欲しかったプラモデルと同じモデルを実際に作り、乗って、楽しむ。



幼少期の夢以上のことを実現された、公道を走るGP935。



今後、夢で作り上げたGP935が街を走り、見かけた多くの方に”夢”を与える存在になって欲しいと、勝手ながら筆者は思ってしまった。



■展示エリアに並べられた6輪F1 タイレルP34

この日、一からハンドメイドで制作されたタイレルP34も展示されていた。
タイレルP34については、外車王SOKENでも過去掲載されているため、ご存じの読者も多いことと思う。



GP935を制作されたチームメンバーの誘いにより、実現したツーショットである。



タイレルP34も今回バージョンアップをされ、展示されていた。



76年、富士スピードウェイで行われた日本GPでのシェクター仕様に進化をしていた。タイレルについては、姉妹メディアである”旧車王ヒストリア”にて特集しているので、読んでいただければ幸いである。(笑)



■K4-GPとは

今回、GP 935が展示されたイベントのK4-GPについても触れたいと思う。



K4-GP(https://k4-gp.com/)は「軽自動車で多くの人に、モータースポーツを楽しんでもらおう」という趣旨のもと、夏と冬の年



2回、耐久レースが開催されている。
初心者からレース経験者まで、ともに楽しめることを目的とされている。



車両制作、改造は参加者の意思を尊重して、レギュレーションの範囲内で自由に行うことができる。



また、車両クラスも細かく設定されており、多くのカテゴリーに分かれている。



そのため、普段街で目にするクルマから、レーシングカー顔負けのボディメイキングをされたマシンまでバラエティに富んでいる。混走する形で、出走台数127台と想像以上に多いことにも驚いた。



だが、軽自動車のみの為、コースが狭い印象はなかった。



レースと聞くと、MTのイメージがあると思う。



しかし、K4-GPではATやCVTのクラスも設けられている。レギュレーションに合致していれば、普段乗っているクルマでの参戦も可能となる。



帰宅時に高速道路で、参戦車両が自走で帰路についているところに遭遇した。興味の出た方は、一度ホームページを覗いてみてはいかがだろうか?



■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報

住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2
TEL:TEL/FAX 029-243-0133
URL:http://cbr-watahiki.com
お問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html



●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"

「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています
https://www.youtube.com/user/cbrwatahiki/featured



■Special Thanks!

K4-GP:https://k4-gp.com/



[ライター・カメラ/お杉]

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