状態が良ければ今でも充分速く頼もしい
伝説的な存在になったUrクワトロだが、状態が良ければ今でも充分俊足。オンロードでの操縦性は非常にタイトで、安定性が高く、路面コンディションを問わず頼もしい。ブレーキも良く利く。ターボラグは、現代のモデルと比べると明らかに大きいが。
【画像】四輪駆動による革命! アウディUrクワトロ ライバル的なデルタ RS2とE-レジェンド EL1も 全112枚
歴代のオーナーによって、積極的に乗られてきた例は少なくない。好調な場合は相応に高い価格で売られていることが多いが、正当化できる内容なのか、整備履歴なども含めて丁寧に調べたい。
稀に、異なるエンジンへ載せ替えられた例もある。VINプレートと、バルクヘッドやエンジンに刻印された番号が一致するか調べたい。丁寧に乗っていれば、前期のWR型では24万km、後期のMB型では32万km程度まで、5気筒エンジンはリビルドの必要はない。
オーバーヒートした形跡がないか、ラジエタークーラントが透き通っているかもチェックポイント。ラジエターは2基備わる。タイミングベルト交換は、5年毎か9万6000km毎が英国仕様では指定されたインターバルだ。
アクセルペダルを軽く傾け、排気ガスが灰色に煙る場合はエンジンオイルが燃えている兆候。バルブガイドやシールが劣化している可能性が高い。白っぽく煙る場合は、ターボやシリンダーヘッドからエンジンオイルが漏れている可能性を疑う。
綺麗なエンジンルームは、愛情が注がれた証拠
エンジンルームは機能性重視で、配管などがごちゃごちゃしている。きれいに保たれている場合は、それだけ愛情が注がれてきた証拠だろう。
WR型ではターボを冷やすため、走行後しばらくはアイドリングを続けたい。水冷化されたMB型のターボなら、そこまで神経質になる必要はないだろう。
純正のエグゾースト系は主にステンレス製だが、サイレンサーとテールパイプはスチール製。リアサブフレームやデフを交わしており、マージンが狭く、位置がずれるとガタガタと異音を発する。また後期型の触媒は高価。北米仕様は馬力が劣る。
サスペンションやサブフレームのブッシュ、ボールジョイント、ダンパーなどは劣化していて不思議ではない。ブレーキブースターは油圧。リザーバータンクが正しいフルードで満たされているか確かめる。MB型はグリーン、WR型ではレッドの場合がある。
ボディは部分的に亜鉛メッキされており、同時代のモデルの多くより錆びにくいものの、事故などの損傷場所から錆びる可能性はある。フロントガラスの付け根付近でボディが腐食すると、雨水が車内へ侵入し、ECUに悪影響を与えることがある。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとホイール
ボディは錆びにくい。だが、ホイールアーチやサイドシル、センターピラー、ジャッキアップポイント、フロア、ドアの底面、荷室の床面、テールゲート・ヒンジ、ウインドウモール周辺、ヘッドライト・リフレクター、サンルーフのドレンホールなどは弱点。
アルミホイールは、幅が6Jのロナール社製が標準。稀に、7Jのフックス社製も装備されている。後期型では、今回の車両のように8Jのロナールが標準になった。
エンジン
エンジンオイルとラジエタークーラント、ガソリンの漏れがないか良く確かめる。冷間時に始動させ、排気マニフォールドからカチカチと音がする場合は、ひび割れしている可能性がある。
エンジンマウントと、ヒートシールドの状態を確かめたい。ステアリングホイールを目一杯左に切り、右側のタイヤ後方にあるオイルパイプや、オイルクーラーの損傷具合も観察する。ターボのオイル・リターンパイプの状態もチェックポイント。
インジェクターは、Oリングの劣化でガソリン漏れすることがある。ガソリン・ディストリビューターが詰まることも。ウォーターポンプの交換は簡単ではない。
トランスミッション
センターデフを備えた5速マニュアルは、基本的には堅牢。クラッチの滑りや、リリースベアリングのノイズがないか、試乗で確かめる。トランスミッションフルードやデフフルードが漏れていないか、観察もしたい。
ブレーキとサスペンション
ダンパーからの液漏れや、サスペンションスプリングの割れがないか観察する。ブッシュとプロペラシャフト、ドライブシャフトブーツ、トラックロッドなども状態を確かめる。
サブフレームは、亀裂に注意。特に後期型のリア側は割れやすい。サブフレームのマウントも、劣化していて不思議ではない。
ブレーキは、アキュムレーターが24万km前後で駄目になるといわれている。ブレーキキャリア・ボルトは錆びがち。キャリパーの固着や、フルードホースの劣化にも要注意。
インテリア
後期のMB型では、デジタルメーターの表示がグリーンからオレンジに変わった。すべて点灯するか観察する。ワイパーレバーの先端を押すと、コンピュータの合成音声が再生される。
ダッシュボードの状態だけでなく、ドアロックにパワーウインドウ、サンルーフ、シートヒーター、エアコンなどが正常に動くか、一式操作してみる。ステアリングのチルト機構が動くかも確認したい。
シートフレームは、ひび割れすることがある。シートのサイドサポートは摩耗しがち。
アウディUrクワトロのまとめ
象徴的なモデルといえるが、取り引き価格は非現実的なほどには高騰していない。メカニズムが複雑で、故障は少なくなく、多くの部品は入手が難しい状態にある。修理も安くない。それが、価格に影響しているのだろう。
しかし頼れる専門家を探し、相談しながら状態の悪い例を避ければ、そこまで恐れる必要はない。実用性は高く、爽快に速いクラシック・アウディだ。
良いトコロ
自動車に四輪駆動の革命を起こしたUrクワトロ。人気は非常に高い。英国の場合、頼りになるオーナーズクラブが存在する。今後、価値は上昇し続けるだろう。
良くないトコロ
パワーウインドウのモーターやABSのセンサーなど、新品では入手できない部品が多数。アウディ側のサポートも、手厚いとはいえないようだ。
アウディUrクワトロ(1980~1991年/英国仕様)のスペック
英国価格:3万199ポンド(1988年時)
生産数:1万1452台
全長:4402mm
全幅:1722mm
全高:1346mm
最高速度:222-247km/h
0-97km/h加速:4.8~6.5秒
燃費:5.3-9.9km/L
CO2排出量:−
車両重量:1273-1290kg
パワートレイン:直列5気筒2144・2226cc ターボチャージャー SOHC/2226・2133cc ターボチャージャー DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:202ps/5500rpm-310ps/6700rpm
最大トルク:28.9kg-m/3500rpm-35.6kg-m/3700rpm
ギアボックス:5速マニュアル(四輪駆動)
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